軽井沢高校 校長日記 『つれづれ軽井沢だより~乞う「ちょうどええ」』

学校の様子を校長の視点から伝えたいと思い、校長日記を書くことにしました。授業日毎日更新を目指します。ご愛読ください。

 9月16日(木) ここに幸あり 116

2010-09-16 23:58:57 | 日記

 放課後、明日が試験という3年生と面接練習を終え、校長室で、今日の授業アンケートの集計をするため、パソコンに集中していた時です。
 「コン、コン」と窓を叩く音がするので、そちらを見ると、2年生の女子生徒が一人、こちらを向いて「校長先生、これ、そこの芝生で見つけた四つ葉です」と、一か所だけ開けた窓から、クローバーを差し出します。
 近づいて行ってそれを手に取り、「おっ、すごいねえ」などと会話をした後、返そうとすると「どうぞ」と言うので、お礼を言って、もらいました。
 その生徒は、ニコリと笑って、手を振って帰って行きました。
 たまたま校長室前の芝生を見ていて見つけたのか、私にくれるために見つけてくれたのか、それは訊きませんでした。
 どっちにしてもありがたく、嬉しいことです。
 早速ファイルに挟み込んだのが、写真です。

 集計する授業アンケートというのは、今日の5時間目に1年生に行った特別授業に関して取ったものです。
 2週間くらい前だったでしょうか、1年生の英語を担当する先生方が校長室にやってきて、英語の授業をやってもらえないか、と言います。
 担当の先生の出張で、2講座が同時に自習になるということもあって、初めはその2つの講座の授業を一緒に、ということだったのですが、英語科の中でいろいろと話をしていくうちに、どうせなら1年生全員を対象に、となったと言います。
 (私が英語の教員免許を持っていることを知っていたんですね。←これは冗談ですよ)
 スケジュールを見ると空いていたので「私でよければ」と返事をし、「教科書の続きかなんかをやればいいんですか?」と訊ねると、「中学時代から英語が苦手な生徒もかなりいるので、ぜひ校長先生に、生徒が英語が好きになるような話をしてもらいたいんです」と、ここぞとばかりにどんどんハードルを上げてきます。
 そんな、一番高いと言っていもいいようなハードルが提示されてしまったので、結果は保証できないが、自分なりに精一杯やる、ということで引き受けました。

 1000人以上を前に講話(講演)をしたことはありますが、90人以上の生徒に授業をするのは初めての経験です。
 講演とか講話というものと授業は似てまったく異なるものだと思います。
 さて、今日の授業です。
 同窓会館の2階に椅子だけ出し、生徒は、学年で用意した硬い下敷きにプリントをはさんでいます。
 留学生のナタリーもいます。
 先生方も何人か聞きに来ています。
 今日の授業に取り組む姿勢としてのPTA(Participate=参加する、Think=考える、Add=身に付ける)なんていう、つい一昨日思いついたことを訴えながら、リスニングの時間や発音の時間のほかに、考える時間、作業の時間、グループワークの時間などを入れて、一方通行にならないように、飽きないように、生徒とのやり取りを中心に進めました。

 教頭時代には、英語の授業も、そしてなんと現代社会の授業もやりましたが、英語を教えるのは、小諸高校の教頭の時以来で、実に5年ぶりです。
 ここ1週間くらい、不十分ながら時間を見つけて準備をしてきましたが、どの程度の反応があるか、久しぶりなのでどの程度の授業ができるか、やってみないとわからないこともあり、若干不安もありました。
 結果的には、自分としては、まあまあ、自分なりの授業はできたと思いますし、アンケート集計結果をみると、「今日の授業がよくわかった」「ある程度わかった」が96.6%、「授業がとてもおもしろかった」「まあまあおもしろかった」が91.0%、「授業を聞いて日本語や英語に、とても興味がわいた」「少しは興味がわいた」が84.3%、「授業を聞いて英語の勉強をますます頑張ろうと思った」「ちょっと頑張ってみようと思った」が86.5%という数字でした。
 そりゃ、欲を言えば、全部100%でないのは残念ですが、50分の授業1回ですから、「英語が嫌い」という生徒が、たとえ何人かでも、少しでも興味を持ってやる気になってくれたとすれば、また、「英語に興味がある」という生徒が、さらに興味を持ってくれたとすれば、よかったかな、と思っています。
 授業をやることが決まってから「校長先生、授業やるのは楽しいでしょ?」とずっと言い続けてきた教頭さんが、昼間の出張から帰ってきて、私の顔を見るなり「肩の荷が降りたような、すっきりしたような表情をなさっていますね」と言いました。
 「楽しい」「肩の荷」「すっきり」、全部正解です。

 昼間、「軽井沢高原文庫」の大藤(おおとう)副館長さんが見えて、10月11日(月)まで開催している「文士と宿 軽井沢」展のちらしを人数分お持ちになり、この間は軽高の生徒・教職員は無料で入館できるようにします、と言っていただきました。
 「小・中も無料にします。小・中は町立だからですが、軽井沢高校も町にある唯一の高校ですからね」と、嬉しい限りです。

 昨日くらいから相当寒いので、さすがに今日は、朝の挨拶から一日、半袖の上にフリースを着込みました。
 今朝からは身体がだるく、鼻がズルズルし始めました。
 気持ちだけではどうにもならず、飲み会の後でもないのに、ブログを書いている途中で寝てしまい、また起き出して書き始め、こうして何とか最後まで来ました。
 ひょっとすると風邪かもしれません。
 でも、私はめったに風邪はひかないんですがねえ。