佐久連合校長会という、佐久地区の小中高の校長が一堂に会する会の研修会が立科町を会場に行われました。
朝、車で会場へ向かう途中、道路工事をしている箇所で「Stop」のサインを出している人がいたので、スピードを緩めました。
その人は、停車を確認すると、運転席をしっかり見て、深々と頭を下げました。
そのお辞儀の仕方は、私の予想を遥かに超えた、本当に丁寧なもので、こちらもしっかり頭を下げないと申し訳ないと思える程のものでした。
停車時間はほんのわずかで、対向車が1台通り過ぎただけですぐに通行可能になりました。
その人は「Go」のサインを出し、また前と同じように、こちらをきちんと見て深々と頭を下げました。
その人に聞いてみないと、どういうつもりでそうやっているのか、本当のところはわかりません。
わかりませんが、その丁寧な行動から、私には「どうもすみません。お急ぎのところ、ご迷惑をおかけします」「本当にすみませんでした。お急ぎのところ、ご迷惑をおかけしました」と言っているように見えたのです。
前にも一度書きましたが、自宅のトイレに、ACEという鞄メーカーの日めくりカレンダーが貼ってあり、その中に「世の中は『こそ』の二文字のつけどころ 治まるもこそ 乱れるもこそ」というのがあります。
「こちらこそ」と言うのと「そっちこそ」と言うのではえらい違いだ、というようなことを言っているのだろうなと解釈していますが、どんな類の職業でも「仕事をする」ということは、このように魂を込めることを言うのではないかとあらためて思ったのです。
もっと言えば、仕事だけでなく、人との付き合いも、生き方もそうなんだろうな、と思います。
わが身を振り返ってどうだろうかとも考えました。
さて、校長会の研修会です。
午前中は、立科小学校と立科中学校で自由に授業を参観した後、蓼科高校でジャズバンド部の演奏を聴きました。
高校は今日は文化祭の振替休日だったそうです。
小中の授業を観たり、他校生の生演奏を聴いたりという機会はそんなにはないので、どちらも嬉しいことでした。
昼食をはさんで、午後は、写真の立科町老人福祉センターを会場に、「学力」をテーマとして、小中高4人の校長さんの発表、それを踏まえて小中高をミックスにした4つの分散会で研究協議、閉会行事、その後は小中高別に校長会を行いました。
今日行った立科町は、小学校1校、中学校1校、高校1校だそうです。
軽井沢町も、小3校、中1校、高1校です。
しかも佐久には、他地区にはない、こういう小中高の校長の集まりがあります。
こういう環境を生かさない手はないと思うのです。
小中高12年間の教育課程(カリキュラム)を見通して、例えば、算数・数学の場合、現実にどの学年で何をどう教えているのかをまず知り、その上で、12年間を見通して、12年間の中で、どの学年で何をどう教えるのが最も効果的か、といった研究を、実際にはそんなに簡単にできる中味ではありませんが、それでも、できるところからちょっとずつ共同してやっていくことも可能なのではないか、などと思っているのです。
小中には、市町村単位くらいで学力向上のための委員会があるようですので、まずはそこに高校も混ぜてもらうこと、そして、うちだったら、軽井沢町の小中高の教員が交流するような機会を設けること、そういったことから始めたいですねと、町の小中の校長さんたちとは話しているところです。