軽井沢高校 校長日記 『つれづれ軽井沢だより~乞う「ちょうどええ」』

学校の様子を校長の視点から伝えたいと思い、校長日記を書くことにしました。授業日毎日更新を目指します。ご愛読ください。

 9月 9日(木) 三者でつくる軽高会議 109

2010-09-09 20:22:35 | 日記
 
 トップページに、保護者向け「三者でつくる軽高会議」の開催の案内が掲示されました。
 軽高では、保護者向けの通知を、生徒を通じてご家庭に届けるのと平行して、こうしてホームページにもアップしています。

 「三者でつくる軽高会議」(略称「軽高会議」)は、「生徒・保護者・教職員の三者が定期的に話し合いを持つことにより、よりよい学校づくりに役立てる」ことを目的として、平成11年11月20日(土)13:15~記念すべき第1回の会議が開催され、以来、今年で12年、ずっと開催され続けている会議です。
 その「申し合わせ事項」(実施要項)もトップページの「学校紹介」からご覧いただけます。
 「第1回は休みの日に?」と思う人がいるかもしれませんが、毎週土・日が休みになるのは平成14年度からです。
 平成4年度に第2土曜日が休みになり、平成7年度から第2・第4土曜日が休みになっていて、この年の11月20日は第3土曜日ですから、半日授業があって、放課後に開催したということになります。

 軽高会議が実現したのは、当時3年生で代議員会議長をしていた逢沢君という生徒の功績が大きいのです。
 彼は、生徒の声や力を学校づくりに反映させたいと考え、生徒会係の落合先生(現在上田高校勤務)に相談しながら事を進め、5月の生徒総会では代議員会の年間活動計画の中に「三者協議会の開催」が位置づけられ、7月にはこの件だけで生徒総会を開催して全校生徒に承認されています。
 それを受けて、7月に三者による第1回の準備会、9月に第2回の準備会が行われ、軽高会議の開催へとつながっていくのです。
 もちろん、この間、職員会議には生徒会係から何度も提案があり、その都度、検討がなされています。

 PTA役員の皆さんの協力も大きいものがありました。
 10月の恒例クラス対抗ソフトボール大会には最低でもクラスで半数以上の会員が参加して大盛り上がり、文化祭一般公開日には毎年正門脇で野菜市を開いて外部から不審者の侵入を保護者自ら防ぎつつ売り上げは全部生徒会に寄付、生徒会が行う校地外清掃へ協力するなど、当時も軽高のPTA活動は盛んで、前年度から「先生、生徒と保護者で話し合う場がつくれないか」と考え、時を同じくして、この年のPTA総会で年間事業計画に「三者協議会の実施」が盛り込まれることになったのです。

 第1回の会議からほぼ1年たった頃、信濃毎日新聞が軽高会議のことを大きく取り上げました。
 その中では、「制服と同じ生地のベストだけでなくニットのベストを着られるようにしてほしい」と軽高会議の中で生徒から要望があり、アンケートの実施や職員会議の検討を経て、この年の10月から着られるようになったことを取り上げています。
 軽高会議は議決機関ではないので、ここで話し合われたことはその都度「三者」が持ち帰り、次回までにそれぞれの機関で話し合い、出た結論を持ち寄るという方式をとっています。
 新聞には書かれていませんが、「今でも制服をきちんと着られない生徒がいるのに、ニットを導入したらさらに悪くなるのではないか」という保護者や職員の声に、生徒会は何度も話し合いを持ち、自分たちで「制服着用徹底期間」を設けて、先生たちの手を借りずに「やればできる」ことを証明したりもしています。
 これが「自主」「自立」「自律」「自治」ということだと思いますが、これらのことについて当時の生徒会長は「小学校や中学校では校則を変えられるというのは想像できなかったこと。三者で話し合える軽高会議という場があったからできた」と語っています。
 現在の軽高生は、当たり前のようにニットのカーディガンを着ていますが、こういう先人たちの努力があって実現したものであること、その当時の「心意気」を忘れると時計の針はまた元に戻ってしまう可能性があることを認識していないといけないと思います。

 ところで、こんなに詳しく軽高会議のことを書けるのはなぜかと言うと、一つには、写真のような資料が作成されて残されているからであり、もう一つは、当時私が軽高に勤務していて、落合先生と一緒に軽高会議の創設に関わったからであり、代議員会議長の逢沢君が私のクラスの生徒で、しょっちゅう相談をされていたからなのです。
 資料の冊子を読むと、落合先生や逢沢君、その頃一緒にいた先生や生徒、そして私の名前や発言が出てきて、当時を思い出して懐かしく読ませてもらいました。

 今年「みんなでいい学校を創りましょう」とことあるごとに言っていますが、この「軽高会議」は「三者で話し合い、よりよい学校づくりに役立てる」会議ですから、趣旨はまさに同一線上にあるものです。
 今回「軽高会議」に参加するのは、生徒指導主事をしていた平成12年度以来です。
 現在はどんな会議になっているのか、17日の今年度第1回の会議に出席するのが楽しみですし、同時に、充実した内容になることを期待しています。