くつろぎ日記

ストーリーとセリフに注目したドラマレビューです。

スロースタート (前編)

2007-01-28 14:16:49 | ドラマ

未散@水野美紀はニートやひきこもりの若者を訪問し

社会復帰を支援するNPO法人のレンタルスタッフ。

未散自身も携帯の音が鳴ると震えだす、過去に何かのトラブルを抱えており

そうした精神的なトラウマが、若者に対する理解となっているようです。

 

今話で紹介されている信吾の例です。

レベルの高い工科大学に入学したことは良かったようですが、

本人は特にやりたいことがあったわけではなく、偏差値で選んだという大学。

だからなのか、共同研究もスムーズにできず

バカにされたことをきっかけに引きこもるようになります。

19歳~24歳まで。

大学は退学。

ベッドに寝たまま一日中、誰とも話さず、

母が食事を部屋の前においていき

それを母の知らない間に食べる。

父親は出張が多く不在がち。

こういう家庭環境で5年間も孤独な生活をしているという。

お母さんの心配はいかほどでしょうか?

未散はまず手紙を出し、電話をかけ次にドア越しに語りかける。

何ヶ月もかけてゆっくりと進めるのです。

語りかけがうざかったようで「かえれ」と書かれたメモがドア下から出てきます。

内容はどうあれ反応があることはいいことだという信念のもと

「何かしてみたいことある?書いてみて」

ノートを破いて半分の空欄を残したメモを入れていきました。

それを見て震えだす信吾。

大学の時に傷ついた状況がフラッシュします。

人間関係が上手く運べなかったということなんでしょうか。

しかしこのメモが信吾の心の傷を深くえぐったようです。

その日の暴れ方が半端じゃなく母がスタッフに電話してきました。

スタッフ三人で訪問し、モノが散乱し羽が舞う悲惨な状況を目にしました。

未散ひとりで部屋に入り、

一つひとつ片付けていきます。

途中、おなかがすいた未散はチョコレートを出しますが

その時に信吾もお腹が鳴ります。

チョコレートを半分わけてあげていますが、

何の反応も示さずどうなるのか?

と思いきや、むさぼるように食べてた!

その様子をみて笑顔が浮かんできます。

きっと良い方向に向かうに違いない・・そんな感触がありました。

そして本当に外に出る日がきたのです。

5年ぶりの外の空気ってどんなでしょうね。

海にでかけ、みなでビーチボールで遊んだとき

笑顔になっていた信吾。

海に入ってしまったボールを取ろうとして水に入ること

足が濡れることを恐がっていました・・。

スタッフがズボンが濡れるのも構わずさっさと取ってきたものだから

急に我に返ってしまいます。

自分にはこれというやりたいことがない。

だから挫折すら経験がない。

再び殻にこもるようになります。



信吾は再びベッドの生活です。

その心の襞にあるものが見えないスタッフは

母に家を出ることを勧めます。

食事はスタッフが運ぶから、

まず信吾を一人にし、ここから自立への自覚を促すことが大事だと。

しかし、母がこれを拒むのです。

自分がいなくなったら信吾は生きていけなくなる。

信吾との関係を壊すことができない。

自分には信吾を置いてでていくなんてできない。

まず母を動かす事が大事なんですね。

信吾はいつまでも親の庇護があると思っているのでしょうか?

 

前進したと思ったのに振り出しに戻ってしまったという未散。

しかしNPO代表@真壁がいいことを言います。

「一歩進んで二歩さがったとしても動いているのは三歩や」

動いている限りそれは進歩だといいたい真壁です。

人間には人と関わりたいという気持ちが絶対にあるという。

見えないけれど絶対にある。

それは未散にだって感じ取っただろうと励まします。

「NOの中のYESを信じないとあかん」

 

再び信吾を訪ねる未散。

布団から出て!といっても動かない信吾の布団を剥ぎ取り

窓から投げました!

寮に入るように説得します。

ここを出ないとやりたいことを探そうにも見つからないよ!

信吾にもちゃんと生きていける場所があることを知ってほしくて来てるのよ。

部屋で死ぬからいいという信吾。

先に両親が死ぬのよ。だれも友達がいなくて一人ぼっちで

おなかがすいても誰も助けてくれないのよ。

信吾は未散を振り返り「チョコレートくれただろう?」と言います。

未散を友達だと思って甘えていたようです。

確かにここで「うん」ということはたやすい・・けど未散は違うと・・

「私はあなたを友達と思ったことはない。友達は自分で作るものよ」

急に暴れだす信吾。「出て行け!」部屋から追い出し、

花の入った花瓶ごと未散にぶちまけます。

ずぶぬれになる未散。全てを見ていた母。

静かに歩み寄ります。

母が変わりました。

ここを出ようと淡々と言う未散。

母は信吾がでないなら自分たちが出て行くと言い出しました。

20歳過ぎた子供の扶養義務はとっくに終わってる。

食べていけないのならホームレスにでも何でもなったらいい!

 

こうして両親は息子の自立のために強い決意を見せました。

断腸の思いだったでしょう。

引越しの日、家は売ることにしたと告げさっさと出て行きます。

一人残された信吾はずっと考え事。

そしてついに寮に入れてほしいと電話したのです。

3人のスタッフで迎えにやってきます。

バッグ一つの荷物で出てた信吾でした。

未散は降りて信吾を後部座席に先に乗せました。

そして未散が乗ろうとしたら思いっきりドアを閉め

未散を拒否したのです。

前席のスタッフが未散と交代しようとしますが

未散は目で断り、車に出て行っていいと合図しています。

一人未散は歩き出しました。

たとえ私の心に小さな傷を作ったとしても

引きこもった若者達を自分の意思で外に出るように促す。

これが未散の仕事なのだと、きっちりと唇を結んで歩き出す。



母が決意した時に子供は変わるのかもしれません。

親は先に死んでしまう。だから自分で生きていく道をつくらないといけない。

こんな当たり前の道理から目をそらし甘えるだけ甘えてきた信吾が

目を覚ますことができたのも親の言葉によって。

誰もご飯を作ってくれない状況になってはじめて身にしみたというのが皮肉です。

ただ両親も子供もまだ若いうちに気付いて良かった。

時間はたっぷりあります。

寮で友達をつくり、自分のやりたいことが自然にわいてくるといいですね。

今度こそやりたいことの勉強をして

自信を持って両親と会えるでしょう。

母が「ホームレスにでもなったらいい」と言ったときは泣けました。

親としてここまで突き放して言うのは辛かったでしょう。

だからこそ、信吾は自立に立ち向かうことができたのです。



4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
全てが (かっぱ)
2007-01-28 17:12:44
私もこのドラマ見ました。
凄く考えさせられました。

引きこもりになる原因って、イジメられたからとかではなく、本当に些細な事でビックリしました。

そして、寮に入るとき車の中で信吾は、肩の力が抜けたと言ったのが凄く印象的でした。

返信する
かっぱさん♪ (かりん)
2007-01-28 17:38:10
こんばんは!

>引きこもりになる原因って、イジメられたからとかではなく、本当に些細な事

ね~、私もこんなことでひきこもるのかとある意味びっくり。繊細な神経の持ち主なんですね。
皆傷ついてもそれなりに立ち直ってあちこち痛い思いをしながら周りと関係を作っていくのに、傷つくことを恐れてしまうみたいですね。

今回は水野の「友達じゃない」という言葉と母の
「ホームレスにでも何でもなればいい」という言葉が子供を立ち直らせたみたい。時にはきついことも言わないといけないってことを知りました。
返信する
こんにちは (Lady-e)
2007-01-29 05:38:25
見たいと思ってたんですが
途中からの視聴になってしまいました
途中からでもおおよそ前半は想像ができて
ついていけたんだけど

考えさせられるいいドラマでしたよね
次週はしっかり最初からみたいわ
返信する
Lady-eさん♪ (かりん)
2007-01-29 19:16:19
こんばんは!

途中からでも十分引き込まれ、面白かったでしょう?
見ごたえのあるドラマでしたね。

引きこもりって些細なことがきっかけなんですね。
5年も外に出ないなんてびっくり。
こういう若い人が何万人もいるなんて。

次週はもっと色んなケースでしょうか。
しっかりと見ます!
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。