~ゆるゆると自分に甘い生活~

ざっくり生きててあわわな毎日。でも残りの人生シッカリ楽しむ。

「悼む人」。

2012-05-31 16:53:56 | 
「天童荒太」作、2008年の直木賞受賞作品。


心に闇を抱えてそれを拭いきれないまま日々を生きる人たちと、
闇と向き合い真っ向勝負しようと懸命に生きる人たちと、
みんなの「生」がちょっと重い。

亡き人たちが確かに「生きていた」と胸に刻む旅を続ける「悼む人」、静人。
亡き人たちがどんな「生」であったのか、どんな「死」を迎えたのか、そこに拘る事をしないで、
ただ「誰に愛され、誰を愛し、誰に感謝されたか」を問いながら、悼みの旅を続ける。

誰か他人の行動を「何の意味があるのか」「何をしたいのか」「間違ってるんじゃないか」と意見したり批判したりするよりも、その行動を自分がどう受け止めたか、何を感じたのか、心に何を残してくれたのか、を自分に問う方がずっとずっと大切。

と、そんな事を感じさせてくれた作品。

ヒトはみんな、生まれた時には同じ「生」。
その後の出会いが人を創っていく。
どんな人も憎まれたり嫌われたりして嬉しいハズは無い。
死してからでも良い、自分にも愛する者があった事、自分を愛してくれた者がいた事、自分が感謝された事があったと、そういう事を誰かに知ってもらいたい。

きっと、どんな人も最後に思うのはそんな綺麗な純粋な願いなのかも。

「感謝」を忘れずに生きていかねばな、と心に気合を入れた。

コメント
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