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かねうりきちじの横浜・喫茶店めぐり

珈琲歴四十年の中の人が、珈琲豆荷揚げ量日本一を誇る横浜港のある町の喫茶店でタンザニア産コーヒーを飲み歩きます

今こそ訪れてほしい博物館~東洋文庫ミュージアム

2014年03月31日 | 旧ブログ記事(文化財関係)
東洋文庫は、昨日も紹介したように、『広くアジア全域の歴史と文化に関する東洋学の専門図書館ならびに研究所』です。

現在は公益財団法人となっていますが、もとは三菱財閥第三代総帥の岩崎久彌が、1924年に設立したものです。

その出発点がこれ。



G.E.モリソンという、イギリスの日刊紙タイムズの特派員が20世紀初頭に中国に滞在していた時に蒐集したアジアに関する書物のコレクションです。

およそ2万4000千冊あるのですが、モリソンは中国を離れるにあたり、このコレクションを手放すことにします。

しかし、金銭的な折り合いがつかないため、引き取ってくれる人は、なかなか現れなかったといいます。

そこで岩崎久彌が買い取り、これを元に東洋文庫を設立したのです。

今となっては貴重な本も含まれていて、東洋学研究図書館としては五指のひとつに数えられているのだとか。

もちろん、日本に関するものもあります。



これは、イザベラ・バードというイギリス人女性が、1878年、横浜から北海道まで旅行した時の記録、『日本奥地紀行』の初版本(1880年刊)

また、黄金の国ジパングが紹介されていることで有名なマルコポーロの『東方見聞録』。


銀閣を建立した足利義政の妻、日野富子が没した、1496年。ヴェネツィアで刊行された『東方見聞録』。

様々な国や時代で出版されたものが 種類もあり、世界でも類をみない規模のようです。

もちろん、東洋文庫は開かれた図書館なので、一般の方でも閲覧はできるようです。

また、本の閲覧はせずとも、東洋文庫ミュージアムでの展示を見学すれば、日本を含めて、東洋すなわちアジアは歴史的に密接なつながりがあることを、とてもよく理解できると思います。

kaneurikichiji がこの日見学したのは、“仏教ーアジアをつなぐダイナミズム”展でした。

題名の通り、私たちアジアは歴史的に仏教が媒介となってつながっていたのです。

そのことひとつを、展示を通じて実感することも、現在ではとても大きな意味があるような気がします。