KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

マラソンを愛する皆様、こんにちは。
2022年は積極的に更新していく心算です。

マラソンに殺されない法 vol.9

2012年05月06日 | マラソンに殺されない法
ゴールデン・ウイークも終わりました。僕は盆も正月もGWも、基本的には「週休2日」という仕事に就いているので、5月の四連休も3日出勤していました。

さて、今年のGWは実に痛ましい事故が起こりました。前半には高速バスの衝突事故。僕も昨年、神戸や東京へ「旅ラン」(笑)しに行くのに、高速バスを利用していただけに、ぞっとしました。JRや大手私鉄のバスなら間違いは無いだろうと信じてはいますが。

これについては、当ブログのテーマには直接関係無いので取り上げませんが、連休の後半は北アルプスで遭難が相次ぎました。特に、60~70代の男性6人のパーティー全員死亡というニュースには考えさせられました。

亡くなられた方々のご冥福を祈ります。

しかしながら、報道によれば、夏の登山のような軽装だったと言います。登山経験も豊富な方もいらしたようなのですが、どうしてこのような事が起こったのでしょうか?

近年、中高年層に登山がブームだと言います。しかし、その一方で経験不足と天候の把握の不備、無理な日程が原因による遭難事故も増えているそうです。


“「名前の知られた山がブランドとなり、いきなりすごい山に行ってしまう」。安易なブームに懸念を示すのは、日本山岳ガイド協会の理事、竹内敬一さん(57)。「難しい山に行くなら天候の勉強をするべき。それがなおざりにされている」と指摘する。

 八ケ岳山岳ガイド協会の米川正利会長(70)も「健康志向の高まりで年配の登山がブーム。都心の方からの問い合わせも60代後半から70代が多く、登山が初めてという方もいる」という。こうした中高年層の傾向として「昔はよく山に登った」、「体力には自信がある」などと、自分の体力に自信過剰気味なことが多いという。

 今回、死亡した6人は綿パンツにジャンパーなどの軽装だった。

 「ゴールデンウイークまでは2000メートル級前後は冬山です」。東京都千代田区の登山専門店「ICI石井スポーツ登山本店」の吉田尚店長(50)はそう断言する。低体温症を防ぐには、ナイロン製の防水ズボンなどを重ね履きし、保温性の高いフリースにマウンテンジャケットを羽織ることなどが必要だ。

 だが、店頭では都会の天候を基準にして「これで大丈夫じゃない」などとハイキング気分で薄手の装備を選ぶ人も少なくない。吉田店長は「危険に思うこともある」と語った。


以上は産経新聞のサイトより5月6日付けの記事から引用させていただきましたが、「安易なブーム」ということで言えば、マラソン・ブームも同様の危険を孕んでいないでしょうか?


2月から4月にかけて、全国各地でマラソン大会が開催されました。それらの大会では幸いにも参加者が生命の危険に曝されるような事故は起こらなかったようです。今、この雑文をお読みの皆様の中にも、念願叶って初マラソン初完走に成功した方、関門制限タイムにかかって、完走を逃した方、さまざまな方がいらっしゃると思います。

「これで、もうこんなしんどい事はまっぴらだ。」

と思った方もいらっしゃれば、

「来年こそは時間内完走を。」

もしくは

「来年はもっといいタイムで完走を。」

と思ってらっしゃる方もいらっしゃるでしょう。このシリーズは、そんな「次」を目指す皆さんのために、少しは参考になる話として続けていこうと思います。まあ、よくある、何でも口を挟みたがる、知ったかぶり好きのオジサンの話と思って聞き(読み)流してください。

登山と同様に、中高年層の方々にブームとなっているマラソンですが、やはり僕が気になるのは「いきなりすごい山に行ってしまう」のと同様に、いきなりフルマラソンにエントリーする人があまりにも多いことです。最近は、マラソン大会の申し込み開始がやたらと早くなっていて、申し込み締め切りや、抽選結果の発表が大会の半年前、というのが珍しくありません。そして、自分の出場が決まってからトレーニングを開始する、という人が少なくないようなのです。

僕の知人にもそういう人がいました。走り始めて約4ヶ月、練習で走った最長距離が20kmにも満たず、という準備でスタートし、結果は37kmの関門制限(スタートから5時間18分)に間に合わず、タイムアウト。実は10km以降はずっと歩いていた、ということでした。

収容バスの係員が実は愛想が良くなかったと、彼はこぼしていましたが、僕も大会のスタッフを経験しているので、本音の言葉で言わせてもらいますが、収容バスというのは決して「サービス」ではありません。山で遭難した登山者を収容するヘリコプターに近いものだと思ってください。ランニング情報誌によると、このような収容バスが用意されているのは日本国内の大会だけで、海外の有名マラソンには関門制限など無い代わりに、これ以上レースを続けられなくなったら、ナンバーカードを外して、自力でゴールまで帰らないといけないのです。いわゆる「自己責任」です。そのため、多くの都市ではマラソンのナンバーカードを見せるとバスや地下鉄はタダで乗れるそうです。

20kmも走ったことのない人がフルマラソンに出ようとすることは、ハイキングのような軽装で2000m以上の山に登ろうとするのと同じではないでしょうか?それも、1000m級の山に登った経験も無しに。

今年の冬から春にかけて、マラソン・デビューした皆さん、その後の調子はいかがですか?今は休養している?もう、1ヶ月以上経っていますよ。そんなに長く休養したら、あなたの身体は、マラソンのトレーニングを始める前にリセットされてしまっていますよ!

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