KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

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年末恒例!輝く日本マラソン大賞 第一部

2011年12月30日 | 日本マラソン大賞
ちょうど今、テレビでは「日本レコード大賞」をやっているが、もはや「レコード」が死語と化している時代に、何の意味があるのだろう。この賞に興味がなくなったのはいつ頃からだろうか。たぶん、歌手のことを「アーチスト」などと呼ぶようになった頃からかもしれない。

かぐや姫の2000年の再結成コンサートのビデオをBGM代わりに、毎年恒例の「マラソン大賞」を発表していこう、と思う。今年もまた、マラソン大賞を選ぶことが出来て良かった。本当に良かった。8~9ヶ月前には、この国でもうマラソン大会を開くことができないのではないかという心配もしていたのだ。

まずは各賞の発表から

☆新人賞
尾田賢典(トヨタ自動車) 東京4位 世界選手権29位
ジョセファト・ダビリ(小森コーポレーション) 福岡優勝
永尾 薫(ユニバーサル・エンターテイメント) 横浜(2月)4位 横浜(11月)4位

☆功労賞
尾方 剛(中国電力)
油谷 繁(中国電力)
大平美樹(三井住友海上)

☆特別功労賞
サムエル・ワンジル(ケニア)
グレテ・ワイツ(ノルウェー)

☆カムバック賞
砂田貴裕 大阪163位、つくば21位 奈良17位
星野芳美 つくば優勝 奈良優勝

☆べスト市民ランナー賞
城武 雅(YONDENクラブ) 愛媛1位 東京48位 ロトルア3位 とくしま1位


10000m27分台の記録を持つ尾田。今年の東京の初マラソンで2時間9分台で走り、世界選手権代表入りとなったが、「遅すぎたデビュー」という気がしないでもない。昨年の新人賞に選んだサイラス・ジュイの同級生、ダビリも初マラソン初優勝ということで選出。しかし2時間7分台では五輪代表になれる可能性がない、というのが恐ろしい。
昨年11月の開催予定が今年の2月にずれこんだために、年2回開催となった横浜国際女子マラソンで、共に4位となった永尾。「快記録賞」も考えたのだが、日本の女子ランナーのマラソン・デビューも遅くなっている傾向にある中、ついに「平成生まれ」のサブ30ランナーが誕生した。順調に育って欲しいと思う。

2000年代の日本の男子マラソンを支えてきた中国電力のエース2人が一線を退いた。尾方は、山梨学院大学時代から注目していたが、「土佐礼子のダンナ」村井啓一さんとは同学年で古い友人だと知った時には驚かされた。2000年の世界ハーフマラソン選手権、社会人1年目の土佐が代表に選ばれた際、村井さんはイタリアまで応援に行ったそうだが、その時、男子の代表が尾方と油谷だった。尾方は村井さんを見て、

「お前、何でこんなところに!?」

と驚いたという。それも懐かしいエピソードだ。中電ランナーは引退後は社業に専念する人が多いが、彼らは、世界の舞台を走った経験を後進に伝えて欲しい。

その土佐が大学時代、母校の松山商業の後輩たちと、今は無くなった松山市堀の内公園の陸上競技場で練習していたというが、その中にいたのが大平美樹。長身で肩をいからせて走る姿を増田明美さんが「和製ラドクリフ」と名付けたが、愛媛県人にとっては、都道府県対抗女子駅伝での活躍も忘れられない。市民ランナーとして、愛媛マラソンをまた走って欲しい。

来日経験の無いワイツだが、やはり女子マラソン黎明期のスター選手として、彼女の功労を称えたいし、早過ぎる死を弔いたい。そして、この部門にワンジルを選ぶ、ということが今も信じられない。

100kmマラソン世界最高記録保持者の砂田さんが市民ランナーとして、レースの現場に戻ってきたのが、個人的には嬉しいニュースだった。来年は久しぶりにウルトラにもチャレンジして欲しい。この賞の「ベスト市民ランナー賞」の常連だった、“スーパー・ママさんランナー”星野さんだが、近年は故障の影響で元気か無かった。優勝経験のある山中湖ロードレースや富士登山競走でリタイアしたと聞いた時は、本当に心配だったが、つくばと奈良の連続優勝に胸を撫で下ろした。

実を言うと、この人とはメールをやりとりしたり、時には電話で話したりすることもあるのだが、彼女と話すと、本当に「元気が貰える」のだ。人知れず落ち込むこともあるのかもしれないが、他人には決してそれを見せない。頭が下がる。

「愛媛マラソンの顔」とも言うべき、城武。今年の愛媛マラソンは見事に自己ベストの2時間19分14秒で優勝。これは同大会の愛媛県人優勝者(愛媛陸協登録者)としては最高の記録である。その3週間後には東京マラソンにも出場。女子のトップを囲む集団に位置取り、その“イケメン”(“イクメン”とも呼ばれている)ぶりを全国のファンに披露することもできた。現在、仕事の方が大変なようで、気になっている。

さて、ここからは特別賞である。

☆ベストカップル賞

高見澤勝(佐久長聖高教)東京19位
嶋原清子(セカンドウインドAC) 東京16位 北海道2位 大阪(10月)2位

☆外国人特別賞
セルオド・バトオチル(モンゴル) ロンドン9位 世界選手権20位 北京6位 防府優勝
マーラ・ヤマウチ(英国) 横浜(11月)3位

☆ベスト監督賞
若倉和也(小森コーポレーション)

☆話題賞
猫ひろし


駅伝の強豪、佐久長聖高校の指導者であり、北海道マラソン優勝歴のある高見澤監督と、その妻である嶋原。最初で最後の夫婦で同じマラソン出場が今年の東京だった。外国人特別賞、昨年に続いて防府優勝のバトオチルを選んだ。彼には一度、国内のメジャーマラソンを走って、全国のマラソン・ファンにその走りを見てもらいたいと思える。次のマラソンではサブテンを目指して欲しい。ところで、彼がタイガースの金本アニキに似ている、と思うのは僕だけだろうか?ヤマウチはカムバック賞の候補にも選んだが、意外と「ブランク」が短いのでこちらの部門に選出。彼女がいなければ、横浜のレースは凡戦になっていたと思う。

僕にネットの楽しみを教えてくださった若倉監督をようやくマラソン大賞に選ぶことが出来て、嬉しい。指導する2人のケニア人ランナー、アルン・ジョロゲが北海道で、ジョセファト・ダビリが福岡で優勝したことを受けての選出である。
言うまでも無く、次は日本人ランナーのマラソンでの好結果をよろしく。

「カンボジア代表で五輪のマラソン出場」というのには、諸手を挙げて支持は出来ないが、やはりこの人、「話題賞」ということでは外せないだろう。


明日発表の第2部もお楽しみに。



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