サイダス、チャ・スンジェ代表と言えば1999年にNHKで放送した{新アジア発見}で放映された「韓国シネマ新時代 ~ソウル~」で既に日本での韓流ブーム以前から新世代プロデューサーとして紹介され韓国映画界の顔として日本の業界でも認知されている。
「八月のクリスマス」「ディナーの後に」
ぺ・ドゥナの「ほえる犬は噛まない」
日本原作「シングルス」 クォン・サンウ主演「マルチュク青春通り」
「MUSA」「火山高」
「地球を守れ!」(チャン・ジュンファン監督)
「殺人の追憶」(ポン・ジュノ監督)が2003年の記録的大ヒット作となる。
日本の業界人が制作に反対したソル・ギョング主演の
映画「力道山」
南極探険隊を素材にしたスリラー「南極日記」
チョン・ウソン出演作関係も「ビート」・「モーテルカクタス」・版権を日本が購入するも音楽著作整理で上陸出来ない「太陽はない」・韓国初の潜水艦映画「ユリョン」と続き日本で約30億円の興行収入を記録大ヒットした「私の頭の中の消しゴム」。
サイダス映画^^「SAD MOVIE」などもある。
皆さんもこの中で観たことのある韓国映画があるはず。
チャ・スンジェ氏はこれらの作品以外にも韓国映画の歴史的な映画を数多く制作・プロデュースした実績があリ「エンタテインメント業界で最も影響力のある人物」を問う時事週刊誌「時事ジャーナル」のアンケート調査(05’)でサイダスF&Aチャ・スンジェが4位に選ばれたこともある。
(参考:1位BoA、東方神起らが所属する芸能プロダクション「SMエンタテインメント」のイ・スマン理事。同率2位シネマサービスの康祐碩(カン・ウソク)監督・サイダスHQのジョン・フンタク代表)
チャ・スンジェ氏はサイダスの前身であるウノフィルムから、社名変更しサイダスとして韓国株式市場に上場する企業までに育て上げたのである。
店頭公開された同社は、通信関係の大手企業が株を持ち支援するなどの将来を見越した投資が注目され株の値上がりなどで新たな利益を上げる事が出来るエンターテイメント企業として注目されていた。
しかし昨年ぐらいからFTAの不安や映画業界の先行きの不透明さから投資していた通信関係の大手企業がサイダスの持ち株を売却してしまったのである。
そして昨年の秋頃、韓国映画業界が驚き非難したサイダスショック^^が起きるのである。
なんとサイダスの筆頭株主であるチャ・スンジェ代表自ら自社株を高値で売却し売り逃げたのである。
この話を聞いた時、沈没しそうな船から予感的な行動で素早く逃げ出すネズミくんの話を思い出した。
架空のたとえ話で言うと。ライブドアを支援していたギャガ・ゆうせんグループがライブドアの将来性を悲観し突然投資を引き上げ・・ライブドアの筆頭株主でもある代表のホリエモンも自分の保有する自社株を未だ高値の頃に売却し売り逃げたといった感じ^^。
映画バブルの頃 下記の記事にあるチャ・スンジェ代表の言葉が興味深い。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~日本攻略狙った作品不発「観客の目に韓日なし」~
韓流ブームが始まって以来、日本市場を狙った「企画商品」が続々登場いるものの結果は芳しくない。日本人が好む俳優が出演し、日本人好みと思われる内容で華やかなに日本に進出する映画やドラマが生産されているが・・・
「ジウ姫」日本で人気のチェ・ジウ主演の映画「連理の枝」が国内で13日、日本では15日に封切されたが、2月に封切られたクォン・サンウ主演の「美しき野獣」同様 興行的には振るわなかった。
ドラマでも同様日本市場攻略を本格的に狙って製作したドラマ「天国の樹」・ユン・ソクホ監督の新作ドラマ「春のワルツ」も、韓国内では数%の一桁視聴率。
付加版権など商品開発で国内より大きな市場となる日本を攻略しようという商品のおかげで、日本での反応は徐々に冷め始めている。
「私の頭の中の消しゴム」「力道山」などを製作したサイダスFNHのチャ・スンジェ代表は、
80年代に日本で起きた香港ブームの没落を反面教師にすべきと警鐘を鳴らしている。「作品を優先すれば興行もともなう。日本も韓国も観客の見る目は同じだ」と強調した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2006年3月FTA反対一人デモ。
サイダスFNHのチャ・スンジェ代表は記事の中で、
{80年代に日本で起きた香港ブームの没落を反面教師にすべき}と語っていた。自身の言葉を振り返るとその頃すでに予見していたのであろう。
現在韓国内の大手映画会社は、本当に映画製作には慎重であり
数ある有望な企画作品にもお金を出さないのである。
(HITが見込める日本原作物には、まだ検討余地あり)
韓国内の映画プロデューサーや中小の制作会社は韓国映画界の将来を悲観している。
現在大手映画会社は数億投資のリスクより数万~数十万ドルで版権を購入出来、安易に劇場で上映出来るハリウッド映画や日本映画が買い付けに比重を置いている。
スクリーンクォーター制で守られた韓国映画比率の低下(現行比率の40%から20%に縮小)と昨年の韓国映画興行不振が影響していることが、現在の映画制作不況となっているのは間違いないのである。
大手映画会社は自社の子会社でもある下請け映画制作会社にさえ
発注を控えているのが現状なのだ。
現在のところ確実に以前の制作の勢いは韓国映画業界にはない。
大手映画会社は消極的であっても力のある独立的な制作会社は、なお旺盛に攻め続ける動きもある。
(これもホントに力のあるごく一部の会社だけである。)
ソン・ガンホ/ イ・ビョンホン/ チョン・ウソンは韓国のみならずアジアでも実力・人気を持つ俳優達である。この3人が主演する時代活劇映画「良い奴、悪い奴、変な奴」はすべて製作コストだけ 140億ウォンが超える大作。
http://blog.goo.ne.jp/kan2asia/d/20070209
現在クランクインし3ヶ月の間の中国現地撮影もある大型プロジェクトであるが・・・この映画が来年公開され・・興行的に失敗するとなると・・。
*今後の韓国映画界の動向を注意深く見守りたい想いである。
あくまでも現在の簡単な状況である。
悲観するべき材料なのか。。だれも未来は分からないのである。
ドラマから火が点き・・第二の韓流があるかも知れないのだ。
エンターテイメントビジネスは、どこまでも博打なのである^^。