ンデンデキ外伝

僕の話をしよう。

そんな毎日

2007年09月27日 01時12分19秒 | 糞何気ない日常関係
僕には、というより僕らの仲間内ではみんなで行く行きつけの店ってのがいくつかあります。

ライブの打ち上げや何かゆっくり話をしたいとき、もしくは「スクランブル!全員至急集合せよ!」なんて妙にテンションの高いときは必ずそれらの店に集ってグデングデンになるまで飲みまくって、ひとつ上の男になるまで語り明かしたり、あるいはビーバス&バットヘッドも裸足で逃げ出すようなド低脳な話に華を咲かせるのです。

そこはアリスパックのカバがやってる店だったり、かっこいいお兄さんたちが注文もしていないスピリットをどんどん持ってくるお洒落でちゃらい店だったり、万国の料理と酒を置いてて、ピースな匂いがプンプン漂ってそうな店だったり・・・よく考えてみるとけっこうあるんです。

その中のひとつに実は僕の父がやってる店があるんです。
大学の後半あたりから何故か通うようになってきて、最近では一人でもけっこう行ってしまいますね。小遣いせびりに(嘘)。

あんまり認めたくないけどかばは何作ってもなかなか美味いし、他のお店はもちろん手間をかけたかっこいい料理を一杯振舞ってくれます。
しかし、息子の自分が言うのもなんだけど、ことラム肉料理に関しては父さんの右に並ぶものはいないと断言させて頂きます。

僕の前で気軽にラムの話をしないほうが良いですよ。
もしあなたが「ラムといえばジンギスカンだよね~」なんて言おうものなら、たちまち僕は陰険極まる不敵な笑みを浮かべていることでしょう。
チルドのラム肉おいちいね~。良かったね~。でも生ラムって知らないよね~。いいんだよ~。ほらどんどん食べて~。


大学の後のほうになってから行くようになったと書いたけれど、それは親がやってる店なんて照れくさくて行ってられないというのも理由ではあったのですが、もっと大きな理由は父の店そのものにありました。

父の店はアーティストでもある父を慕ってか様々なアートに携わる人たちが足しげく通っていました。
札幌に行くときは必ずその店へ行くというアーティストもけっこう居るとか居ないとか。
とにかくその界隈では隠れた名店として有名であるそうです。

でももちろんアーティストだけでなく、色々な仕事を持った人たちも来ています。こちらもメインルート、アウトローと多岐にわたりますが。

そんな凄そうな人たちが沈殿してる店に行くなんてちょっと怖いじゃないですか。
何聞かれるんだろうって。
実際、たまに店の手伝いに行って酔っ払ったア~ティストの方々に「おうバンドマン、歌え!」と何回も半べそで歌わされたものでした。

でもこうやって大人になってちょこちょこ顔出すようになって分かることがあるんです。
それは、アーティストうんぬんとかじゃなくて、色々な人の素顔、酒の飲み方までパッケージングされてしまった白○屋とかでは決して見ることが出来ない、良い顔。
それを見に色んな人たちがここに来ているんだなぁってことです。
きっとそれに勝るものはないんですよ。そう信じてます。

あとこれは僕だけの密かな楽しみ方なんですけど、父さんが僕の友達やバンド仲間と話してるところを見るのが面白くて面白くて仕方ないんです。
熱心に自らの若いアート魂をさらけ出そうとする僕の友達と親父(笑
よくもまぁそんなド低俗な話を肴にそれだけ飲めるなってゆーか親父おごり過ぎ。
時々起こるこういう場面を僕はニヤニヤしながら見ているのです。
珍しく自分が一番クールなキャラになる瞬間です笑


だがしかし、時々不安になることもあります。
いつまでこんな小さい店でやていけるのかなとか身体壊さないはずないよなとか・・・。
でも自分が料理人になるのは御免こうむりたいところだけど、せっかく商業系の大学に通わせてもらったんだから、そこで得た知識を生かすことができたら万々歳ですね。
これまで全然出来なかった親孝行ってやつですよ。やりますよ俺は。

そんな俺の気持ちを察してかどうかは分かりませんが、父が一度だけ「ごめん」とだけ書いた置手紙を残していったことがあるんです。
グデングデンに酔っ払った日だったのでしょうか。

ごめんなんてね、こっちの台詞ですよ。
毎日思ってますよ。ごめんなさい、本当にごめんなさいってね。

それにしても文章にしてみるとすぐに気づくことなのに変な話ですよ。
この場合は「ごめん」じゃなくて「ありがとう」なのにね。

ありがとう、本当にありがとう。
父さん、今年の台風は全然根性足らなかったな。
またいつかでかいのが来たら、どこかのぶっ倒れた木を見に行こうぜ。

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