kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ワルキューレ

2009年03月22日 | 洋画(良かった、面白かった、気に入った)
日時:3月21日
映画館:バルト11(かなり平均年齢が高い)
パンフレット:A4版600円。監督、主演のインタビューほか、歴史背景の解説にかなりのページを割いている。

【以下ネタバレだらけ。史実に基づいた映画なので伏せようがない。】

ヒトラー暗殺計画を知っていると、ドラマとして目立つ部分は、飛行機爆破未遂、シュタウフェンベルグ登場、狼の巣爆破、ヒトラー生存、レーマー少佐登場、人民裁判、関係者処刑、ロンメル将軍自害と少ないということは分っている。

そこを「将軍たちの夜」のように虚実を織り交ぜるならまだしも、史実だけを追いかけると映画も小説も同じ展開になるのは止む得ないところ。そこでこの映画はパリ派の活動とかムッソリーニとの会談と言った切れる部分はバッサリ、カット。ポイントだけをキッチリ絞っていて、観やすい映画に仕上げているが、逆に面白みに欠ける一般受けしない内容なのは仕方ない。(映画が終わるやいなや、潮が引くかのように早々と観客が帰っていった。)

逆にドイツ軍だけを2時間観ていても飽きない人間には楽しいこと、この上ない。動かない4号戦車や装甲車、体にきっちり合ったドイツ軍服、予備軍閲兵、軍用トラックから飛び出すドイツ兵だけで充分満足。(笑)

後日、体制側から「最も準備に時間がかけられ、最も早く終わった反乱」と揶揄されただけあって、爆破計画以降は映画的に盛り上げにくい展開なのだが、そこを少しでも映画的に盛り上げようとする演出や、若干、時系列を変えたラストもいい。(ラスト10分でフライスラーが出てくるとは思わなかった。)

1944年3月の時点で、連合軍のノルマンディー上陸を予想しているというセリフは気になったけど。

ドイツ軍人の顔ぶれが一部、イギリス顔なのは仕方ないが、ビル・ナイのオリブリヒト将軍とかクリスチャン・ベルケルのクヴィルンハイム大佐などは、本人になかなか似ている。

最近、ドイツ軍人役が多いクリスチャン・ベルケル(「ヒトラー最期の12日間」「ブラック・ブック」)やトーマス・クレッチマン(「スターリングラード」「戦場のピアニスト」「ヒトラー最期の12日間」)なんかは、往年のアントン・ディフェリングとかカール・オットー・アルバーティの活躍を見るようで嬉しいし。(笑)

ところで写真は数年前、ウチのチビに作ってやったJu-52の自家製ペーパーモデル。「荒鷲の要塞」を見て以来のファンなのだ。
題名:ワルキューレ
原題:VALKYRIE
監督:ブライアン・シンガー
出演:トム・クルーズ、ケネス・ブラナー、ビル・ナイ、トム・ウィルキンソン

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