kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ブラックブック

2007年04月11日 | 洋画(普通、まあまあ、及第点)
日時:4月9日
映画館:サロンシネマ
パンフレット:B5版600円。黒い紙ケースに1ページ1枚ごとが入った凝ったデザイン。言うまでもなく、こういうセンス大好き。

ナチに家族を殺されたユダヤ人女性が、レジスタンス活動に参加。オランダ人を装って占領軍防諜部に潜入するが、将校の一人を愛してしまい、さらにはレジスタンス内部にも裏切り者がいて・・・というどう料理しても面白くなりそうな映画。

う~ん、映画の出来としてはツライ。これが80年代初頭ぐらいだったら、傑作だっただろうが、2000年代ではアラが目立ってしまう。

重厚なストーリーの割に絵的にチャチで、70年代戦争映画のような安っぽさが漂っている。占領軍総司令部の割に幹部職員は約3人。みんな、ナチの制服が体に合っておらず、しかもペラペラに見えてしまうのは涙。撮影にも重みがない。この辺はオランダ映画の予算の少なさゆえか。

しかし、何といっても演出が雑な部分があるのが痛い。(バーホーベンの悪い癖なんだろう。)SFとかフィクションなら笑ってすませられるけど、こういう歴史ものでチャチな演出は致命傷。一気に白けてしまう。ゲロとかウンチとか監督が大好きな場面とのギャップが激しくてねえ・・・。(ウンチ満載のタンクにしても、吊り下げてあるという設定が無理矢理。)
全体的にバランスの欠いた映画だ。

1945年4月20日(ヒトラーの誕生日)といえば、「ヒトラー最期の12日間」でも描かれたように、ベルリン陥落目前、第三帝国は断末魔の状態なのだが、あんなパーティーをやっていていいのか?その辺の切迫感もないんだよね。

ところで、その「ヒトラー最期の12日間」でシェンク将軍を演じていたクリスチャン・ベルケルは、今回も将軍役で登場。神々の黄昏には欠かせない顔だね。(変な評価)

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