kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

村の写真集(舞台挨拶つき)

2005年04月19日 | 邦画
日時:4月18日
映画館:広島宝塚
その他:試写会

■舞台挨拶
今日の試写会は三原光尋監督の舞台挨拶つきでした。で、その内容。

司会:監督は広島を訪れられたことがありますか?
監督:高校のころ、研修で来たことがあるだけで、これで2回目です。

司会:月並みな質問ですが、広島の印象はどうですか?
監督:僕は関西出身で、お好み焼きと言えば大阪のまぜ焼きなんですけど、広島風お好み焼きがなんとしても食べたかったんです。ようやくお昼に食べましたが、大満足でした。

司会:今回、映画の舞台は山あいの村なんですが、あれはどこですか?
監督:一応、架空の花谷村となっていますが、徳島県の吉野川上流の方です。

司会:なぜ舞台をそこにされたんですか?
監督:東京からの距離感です。2時間ちょっとで帰れるんじゃなくて、飛行機で帰るような距離感が欲しかったんです。

司会:写真のモデル役は地元の人なんですね。
監督:そうです、地元で暮らす人、その表情や暮らしが撮りたかったんです。

司会:自然が豊かですね。
監督:日本であって日本でないという感じ。空気感が違います。

司会:スタッフの中に広島出身の方がおられたとか。
監督:いつも僕の映画で照明をやってくれる高坂さんが広島の東城町出身なんです。もし、最初にそれが分かっていたら、広島で撮影したかもしれない。

司会:撮影の苦労話は?
監督:山道をくねくね上がって行くんですが、僕は車酔いする方だから、ゲロを吐きながら、現地に向かったんです。情けない話です。

司会:監督から一言。
監督:日本人の心の中にある一番美しいものを描きたかった。といっても難解な作品ではないので、気楽に見てください。見終わった後、ビールを飲むことを楽しみしてください。(試写会のスポンサーがキリンビールだった。)

■日本の原風景とおばあちゃん
山あいの村が舞台ということもあって、「ヒナゴン」にかなりダブりました。というか、日本のほとんどがこういう村なんですよね。画面から秋の山の香りがしてくるようでした。こういう景色におばあちゃんは欠かせませんね。

そして、父親映画。こういう父親&息子映画は弱いなあ。無骨な父親の姿が「リトル・ダンサー」に通じるものがあります。

しかし、舞台設定とストーリーの割に、今ひとつ心にグッっと来ない。問題はストーリーを追うだけになっている脚本。整理された会話に、いかにも書かれたセリフで、生活感がないからなんです。
実生活の会話は、無駄話や噛みあわない展開、ちょっとした皮肉、さりげないいたわり・・・そういったものがあふれてるのに、この映画のセリフにはそういった息づかいがないのですよ。もったいないなあ。

「おばあちゃん、どうやって来たん?あぶないから、気ぃつけな、あかんで。なあ、聞いてる?」って感じ。

■余談
さて、私のじじばばは80過ぎても町の仕立て屋をやっています。
年末に行った時、「年末年始の休み 12月28日~1月4日」とワープロ打ちされた張り紙が。

「なあ、あの張り紙、誰かに作ってもろたん?」
「近くの米屋のチラシを切り取っといたんや。休みはチラシに合わせたんや。」
「何やそれ、ええかげんな。」

そんなことを思い出させる映画でした。

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