「つまり・・・妖術を持っていると?」
「わしのことを、皆が力があると言う。しかしそれは本来『ひと』が持っている力を最大限に出しているからじゃ。それを出すための修行も積んでおる。そのお方も同じ。修行なんじゃよ」
「私にも出来ることですか?」
「もちろん。業を重ねればな」
「そのたいらのただひとと言う方はどこに居られるのでしょう?」
「わしにもわからん。風や野に隠れて住んでおる。移住も常にしとるらしい」
そう言うと住職は紙と筆を取り出した。
さらさらと文字を書く。
『平忠人』と書かれた紙を差し出された。
「この人物じゃ。たぶん・・・・移住地はない。。。所謂、浮浪者と同じ類かの」
そう言うと少し笑った顔を見せた。
直ぐに引き締まった眼光で、住田に言う。
「わし亡き後は、この人物を頼る以外ない。早く、早く探すのじゃ」
住田は深々と頭を下げた。
畳みに額を押し付けるように。
住職よりも徳を積んでいると聞いたので、年齢は遥か高いと思ったが、意外にも若いと住職は言う。
それでも40そこそこだ。
住職やその弟子達は、もはや寺から出ることは死を意味する。
この捜索は住田や頭前しかできない。
警察には幾ら言っても、動かないだろう。
住田は頭前に電話を入れようとしたが、携帯を見つめたまましばらく考えた。
そのままポケットに仕舞う。
頭前には伝えずに自分で探そう。
そう決めた。
頭前にはアプリを調べてもらった方が良いと、考えたからだ。
それにこれ以上頭前に、『自分が居た為に』という言葉を重ねさせたくなかった。
「わしのことを、皆が力があると言う。しかしそれは本来『ひと』が持っている力を最大限に出しているからじゃ。それを出すための修行も積んでおる。そのお方も同じ。修行なんじゃよ」
「私にも出来ることですか?」
「もちろん。業を重ねればな」
「そのたいらのただひとと言う方はどこに居られるのでしょう?」
「わしにもわからん。風や野に隠れて住んでおる。移住も常にしとるらしい」
そう言うと住職は紙と筆を取り出した。
さらさらと文字を書く。
『平忠人』と書かれた紙を差し出された。
「この人物じゃ。たぶん・・・・移住地はない。。。所謂、浮浪者と同じ類かの」
そう言うと少し笑った顔を見せた。
直ぐに引き締まった眼光で、住田に言う。
「わし亡き後は、この人物を頼る以外ない。早く、早く探すのじゃ」
住田は深々と頭を下げた。
畳みに額を押し付けるように。
住職よりも徳を積んでいると聞いたので、年齢は遥か高いと思ったが、意外にも若いと住職は言う。
それでも40そこそこだ。
住職やその弟子達は、もはや寺から出ることは死を意味する。
この捜索は住田や頭前しかできない。
警察には幾ら言っても、動かないだろう。
住田は頭前に電話を入れようとしたが、携帯を見つめたまましばらく考えた。
そのままポケットに仕舞う。
頭前には伝えずに自分で探そう。
そう決めた。
頭前にはアプリを調べてもらった方が良いと、考えたからだ。
それにこれ以上頭前に、『自分が居た為に』という言葉を重ねさせたくなかった。