伊良部一郎。精神科医。なぜかわからないが稀有の注射フェチ。この作品のいいところって言うのはほかにいろいろあるだろうけれど、とにかく僕は注射シーンがお気に入りなのです。ブックマークをしたいくらいに。よって私的に注射のシーンを抜粋します。
「さあ、座って、座って」着席を促された。どういうわけか、患者用スツールの前には注射台が用意されていて、それをポンポンとたたいた。いきなり注射? 公平は眉間に皺を . . . 本文を読む
時に西暦2115年。この物語では、人々は自由に瞬間移動できるようになっていた。人はワープボックスと呼ばれる箱の中に入り、移動したい場所を電話をかけるように指定する。すると、あっという間に箱の中の人は消えてなくなり、どこに行ったのかというとその番号の行き先のワープボックスの中に。
この転送装置は現代で言うところの電話ボックスのような形で存在します。 電話ボックスでは情報が瞬時に伝わるかわりにこの . . . 本文を読む
夢を与えるとは、他人の夢であり続けることなのだ。だから夢を与える側は夢を見てはいけない。
役者という誰もがあこがれる職業。幸か不幸か幼くしてその職に就いてしまった少女の物語。ある意味における人生の成功者をここまでかというほどに貶める。プラスのベクトルとマイナスのベクトルを同じ人間に同居させ、一次元的な良し悪し、単純な世界観を徹底的に排除する。平家物語の諸行無常か、ニーチェのニヒリズムか。とにかく . . . 本文を読む