カイゾーのブログ - Kaizo's Blog

くだものナイフを片手に一人悪の組織と戦いつづける少年の日記(嘘)

イン・ザ・プール  奥田英朗

2008-05-18 02:24:40 | その他の本
 伊良部一郎、医学博士、伊良部総合病院神経科勤務。注射フェチ。神経科のある総合病院地下はそんなに混雑していないというかガラガラなので人気の医師ではないようだ。患者が来るととにかく注射する。

「ストレスの原因を探るとか、それを排除する工夫を練るとか、そういうの、ぼくはやらないから」

とのことだ。こういった治療は「何の役にも立たない」らしい。かといって投薬をするわけでもなく、毎日注射はしているが、ブドウ糖とかビタミン剤とかあまり精神に関係するものではない。ただとにかく注射を見たい伊良部。注射する看護婦のマユミちゃんは露出狂で白衣のボタンをはずして前がはだけていて注射のときは太ももを露にする。そんな光景に毎度毎度失笑せざるを得ない。
 伊良部の治療法ときたら世間の常識を脱している。でも患者たちはそんな伊良部の下で、なんだかんだで結局心の健康を取り戻していくのでした。
 期待を裏切らない一冊かと思います。心の不安を感じたら一度伊良部総合病院を訪ねてみてはいかがでしょうか?

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