日々の生活 ~甲斐綾桜荘&甲斐悠美荘~ 

☆甲斐綾桜荘&甲斐悠美荘は甲斐犬愛護会所属犬舎です。犬との生活や狩猟日記など。

全ての愛犬家へ・・・毒物中毒に注意してください!

2008-03-16 02:03:33 | 甲斐犬
先日、とても悲しい事件が起きました。

当犬舎から旅立った子が急死してしまいました。
死因はその症状から、毒物摂取による中毒死の可能性が高いというのが獣医師の判断でした。嘔吐から1日後あっという間の出来事でした。

昨年から河川敷に撒かれた毒入りの食べ物を食べた犬が中毒死するという事件がメディアで放送されているのは承知でしたし、昔から毒入りの食べ物を撒く人がいてそれによる中毒死は誰もが知っていることです。

ニュースや噂を聞くたびに「怖いね・・気をつけなきゃ・・」と。

気をつけると言ったって、実際のところ拾い食いさせないとか枯れている草のところ(除草剤を舐めないように)を行かせないとかいった程度、そして具合が悪くなったらとにかく動物病院へ!といった対策ぐらいで、実際このような事件が起きてはじめて中毒事故対策が如何に穴だらけであったということ、いくつか盲点があることに気がつかされました。

愛犬を亡くされた飼い主様から許可を得て、その報告内容をブログに掲載させていただきます。

当日朝は普通にお散歩し、夕方もいつも通りのお散歩だったそうです。
ところが夜になり嘔吐し、吐いたものを見ると草が最初に出てきたそうです。
犬はよく胸焼けからかよく草を食べますので、そのせいで吐いているのかな・・
明日の朝まで様子をみて、それでも具合が悪かったら病院へ行こうということになったとのこと。
翌日、犬がげっそりして明らかにおかしいため動物病院へ行き診察してもらったそうです。
獣医さんもこれはおかしいと言ってはいながらも、衰弱していたので点滴と注射を打ち、とりあえず安静にということで帰宅、しかしその夜、血を吐いて亡くなってしまったとのことでした。

報告を受け、私は反省の念でいっぱいでした。

私がもっとしっかりしていれば、毒物対策をしっかり考えて譲渡先犬の家族一同に伝達していればその子も亡くならずに済んだかもしれない、飼い主さん一家も悲しい思いをしないですんだかもしれないと申し訳なさでいっぱいです。

毒物に注意しましょう、ぐらいじゃとても防ぎようがありません。
それぐらいなら、誰もがわかってることです。

今回の事件(事故)を振り返りその盲点と対策を考え、ブログという場を利用し、このようなことが一件でも起きないようにその反省点と対策を書かせてもらいます。

このブログを読んだ方、どうかワンコ友達へ伝達していき注意を呼びかけてください。

事故が起きた場所は東京都内です。

都内以外の方も、全国どこに危険があるかわかりません。とにかくみんなで呼びかけあって毒物摂取を未然に防ぎましょう。

(盲点)
①夜間の嘔吐、そして出てきたものの中に草があったということ

人間の心理として、下痢ならば異常に気づきたとえ時間外であったとして動物病院へ診察してもらいに駆け込むところ、嘔吐、しかも出てきたものに草があったとなると犬の習性(草を食べて嘔吐する)から大した事ないと認識しがちであるということ。どうしても明日の朝まで様子を見ようとなってしまうのが普通です。
嘔吐して、しかも草が出てきたとしたら、それを異常と見なし時間外診療であったとしてもあなたは愛犬を病院へ連れて行けますか?
時間外診療は治療費も通常より割り増しですし、しかも草を食べての嘔吐となると
つい明日まで・・・と通常時間の診療に見てもらおうとなるでしょう。

②獣医師に見せれば必ずしも万全の処置をしてくれるとは限らない

上記の文章を読んで気づきましたか?
獣医師はおかしいとはわかっていても、毒物の可能性があるかも・・・とは一言も発言がなかったそうです。亡くなった後に「毒の可能性」と言っても既に時遅しです。
私も経験がありますが、以前に桜が足を怪我したときに病院へ連れて行ったとき、診察台の上で吐いたことがあります。
目の前で吐かれちゃったので嘔吐の処置として注射だけ打たせてくださいと言われ、注射を一本打たれたことがあります。嘔吐の対しての注射、特に毒物処置というわけではありません。
今回亡くなった子がされた処置は抗生物質投与と点滴でした。
衰弱していたので点滴は妥当でしょうが、毒物と言うことを念頭に置いた処置は一切されなかったそうです。
桜の例を見てもそうですが、嘔吐だけだと必ずしも獣医さんが毒物摂取と思うわけでもなく、飼い主側が言わない限りはただの嘔吐の処置のみをされてしまうということです。

③毒物撒布は犬ターゲットとは限らない

毒物撒布は犬狙いとは限りません。
直接敷地内に毒を投げられたというののはともかくとして、野良猫をターゲットとして毒物撒布をする人もいるようです。
野良猫が多く、ごみを荒らしたり悪さをしたり鳴き声がうるさくて周辺住民を困らせている地域は要注意、犬には恨みがなくとも野良猫に恨みを持って毒を撒く人がいるようです。
私の知っているところでも野良猫毒殺のために毒物を撒布した人がいて、結果、2歳半の若い柴犬が巻き添えになり死亡した例があります。
突然猫が減ったとか・・・要注意です。
猫が減らなくとも、野良猫が多く地域住民に迷惑をかけているようなところはいつ毒物撒布されるかわからないので注意が必要です。

(対策)
①散歩について

・夜間の散歩は道を選ぶ。野良猫が集まる場所やごみ集積所の前、マナーの悪い犬飼いが通る散歩道はなるべく避けるなどして、毒物を撒布されそうな場所を飼い主の視界が悪くなる夜間はなるべく避ける。

・子供や犬の扱いが不慣れな人や注意力散漫の人が散歩に行くときは特に拾い食いさせないように注意呼びかける他、草むらに入れたりあちこち臭いを嗅がせて舐めるような行為を犬がしないように注意を呼びかける。

・草は食べさせないこと。もしどうしても草を食べさせたいなら、自宅で犬猫用のサラダ草を用意するなどして、野外の散歩道で草を食べさせない。
いままで安全であったとしても、今後も安全とは限らない。

(散歩からの帰宅後の管理)

・外飼いの犬は夕方または夜間の散歩を行ったときは、せめて夜寝る前など戸締りがてらに犬に声をかけ様子を見てから就寝するなどして、散歩からの帰宅後そのまま係留してから朝まで犬の様子を見ないということがないように日頃から気をつける。夜間に限らず、日中家に留守する場合はなどは散歩を注意するなどして警戒する。散歩後は犬とコミュニケーションをとり嘔吐などの症状を起こしてないか日頃から愛犬の観察を欠かさないようにする。

(動物病院について)

・夕方から夜間にかけて散歩を行く場合は、緊急事態に備えて24時間診療してくれる病院を必ず調べておく。

・毒物の可能性があると見なした場合(例えば散歩から帰宅後や外で係留していたら嘔吐したなど)は獣医師にその旨を伝え、飼い主側から処置の必要を提案する。
取り越し苦労なら良いと思い、毒物だった場合は処置をしなければまたは遅れれば死亡する可能性があるということを念頭におく。

・夜間など嘔吐した場合は、明日まで様子を・・・とはせず獣医師に相談すること。そしてより正確な情報を伝え的確な判断を下してもらえるように、散歩時の様子・便の状態・嘔吐したものなどをしっかり観察し獣医師に伝えることができるようにする。

(日頃の情報収集について)

・毒物撒布は何も犬狙いばかりではなく野良猫狙いもあるので、野良猫の観察や情報も気に留めておく。最近猫が減った、いなくなったなど不審に思った場合は、病死したのかそれともボランティアが手を入れたのか、死亡した場合は死因はなにかなど極力情報収集を行う。
猫狙いで撒布する人がいれば犬も当然巻き添えになることを念頭におく。

・メディアで毒物撒布があったと報道された場合は特に用心する。

この対策は一例です。

毒物入り食べ物に気をつけましょう!という曖昧な呼びかけよりは少しはマシだと思い書きました。

上記記述の他に対策があるかと思いますので、とにかく各自でこれを機会に日頃の管理や対策を見直してもらえばと思います。

犠牲となったワンコに心から冥福を祈るとともに、この事件(事故)を教訓としてみんなで呼びかけあい注意して愛犬の中毒死を防ぎましょう。

甲斐犬に限らず猟犬種ということで山に犬を放つ人がいますが、毒物撒布がないか日頃から情報収集しましょう。
山の側に畑があり、過去に猟犬に畑を荒らされた経験がある人が毒物を撒いているという話を聞いたことがあります。
自分の犬が悪さをしていなくても、他の犬がやっていたら同類扱いされて巻き添えを食う場合があります。
また動物愛護法では、警察犬・狩猟犬・追い払い犬などの使役犬以外の犬をノーリードで放すことを禁止されています。

いまの時代は携帯電話というものがあるので、すぐに110番通報され警察がやってきます。

みなさん、とにかく気をつけましょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする