かへる 東の国探訪記

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美術史博物館(11)

2016-02-11 16:04:58 | 旅行
一通り回ったところで、何か見落としているような気がする。
ブリューゲルと並んで見たかった画家、ベラスケスの作品である。
カフェに近い部屋から反時計回りに入り、先ほど来たコースを逆行する。

ベラスケスは右の角部屋、キャビネット10にある。
ここには、ベラスケスが亡くなる数年前より描いたスペインハプスブルク家の人たちの肖像画がある。
これが有名なマルガリータ王女の肖像画の1つで『薔薇色のドレスの王女』である。

この大きさに撮っているのは、後で携帯電話の待ち受けにしようと目論んだからである
この時、マルガリータ王女は3歳であったという。

これは、『白いドレスの王女』である。
この時のマルガリータ王女は5歳だった。
お行儀が良いと褒められたとの話も残っている。


そして、これが最も有名な『青いドレスの王女』、マルガリータ王女は8歳である。
この絵はベラスケスの遺作となった。
青いビロードの質感が良く表現されている、と書くと、まるで美術評論家みたいである。


これは『ピンクのドレスの王女』。
誰を描いた絵かと思ったが、顔つきや髪の質感から判断すると、やはりマルガリータ王女だろう。


マルガリータ王女は、正式にはマルガリータ・テレサ・デ・エスパーニャという。
15歳の時、11歳年上の神聖ローマ帝国皇帝レオポルド1世のもとに嫁ぎ、
6人の子どもを産んだが21歳で亡くなった。
ちなみに、夫とは叔父姪の関係であった(母の実弟)というが、
当時のハプスブルク家というかヨーロッパ王室ではよく見られたことでもあった。

これは、マルガリータの母マリアナの肖像画である。
この絵はそうでもないが、別なところで見たマリアナの表情はぶすっとしていて不機嫌そのものだった。
一説によると、マリアナは30歳も年上の夫(こちらも叔父姪の関係だった)から
子ども扱いされるのが不満だったという。


これは、マルガリータの弟フェリペ王子である。
かわいらしい顔つきだが、4歳で早世した。
さらにその下の弟カルロスがスペインの皇帝になったが、こちらも近親結婚を繰り返した影響で、
生まれつき病弱だった(彼の代でスペインハプスブルク家は断絶した)。


改めて王女の肖像画を見ると、華やかな装いなのだが、なんとなく寂しそうな表情にも見える。
薄命に終わる自分の運命を予見しているかのようである。
ただ、夫婦仲は円満だったそうで、それは救いである。

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