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KAGEブログ 光あるところに影がある

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『日本テレビ動画研究会』レポート(1)

2007-02-24 23:55:33 | 日本テレビ版「ドラえもん」
先日、『日本テレビ動画研究会』に参加してきました。

と言っても何の事か解らない方も多いかと思いますので、まず「日本テレビ動画」とは?

かつて存在したアニメ製作会社の名称です。現在はもう存在しておりません。
どんなアニメを作っていたかというと、1972年「アニメドキュメント・ミュンヘンへの道」、同年「モンシェリCoCo」、1973年日本テレビ版「ドラえもん」等であります。

では『日本テレビ動画研究会』とは?

その、製作会社に在籍しておられ、日本テレビ動画最後の作品となった日テレ版「ドラえもん」で製作主任をしておられた真佐美ジュンさんの御好意により開催された講習会です。
講習会と銘打ってはいますが、真佐美さんからの当時の思い出を聞いたりといった、ファンの集いに近い物でした。
虫プロ時代の思い出や、手塚治虫先生の事などもお話して下さり、昔からのアニメファンなら、かなり興味深い話も語って頂きました。

そして、

真佐美さんが個人的に所有して残っていた日テレ版ドラえもんのフィルムの中から数本上映して頂きました。
要するに最大の目的はこれです。
当初の予定は2本だったのですが、時間に多少余裕があり、参加者が見たがったという事もあって、音声無しラッシュフィルム2本、音声付きフィルム4話分を上映して下さりまして、私は嬉しさと懐かしさで見入ってしまいました。

都内某所で行われ、サイトの会員のみ、会場も約20名で一杯というかなり限定された方のみの会ではありましたが、参加無料で、あくまでも個人の御好意によって成立している会ですので、これは仕方ない部分です。

しかし、昨年ネオ・ユートピア上映会で久々に日テレドラに巡り会えてから、また数本見る事が出来る機会に恵まれるとは。
本当に真佐美ジュンさんには感謝の気持ちでいっぱいです。

長くなるので、上映作品についての感想は次のエントリーで。


日本テレビ版ドラえもん(通称旧ドラえもん)再考

2007-01-20 06:45:40 | 日本テレビ版「ドラえもん」
既に何度もこのブログでは取り上げている番組であるが、同人誌とはいえ多分史上初ではないかと思われる日本テレビ版「ドラえもん」の特集をした本が出版されている。
藤子不二雄ファンクラブ「ネオ・ユートピア」の第43号である。
今までの噂や伝聞についても検証されているし、スタッフやストーリー紹介、当時の製作者へのインタビュー、日テレ版第一話の原作(単行本未収録作)再録など、盛りだくさんの内容であった。

そこで、今回は日テレ版ドラえもん、通称「旧ドラ」をもう一度私なりに考察した文章を記しておく。
大山のぶ代さんが演じられたドラえもんがスタンダードになる前に旧ドラが一番最初に馴染んだドラえもんだった者からの感想と素直な意見である。

まず、よく言われる「失敗作」という論調。
これはきちんとネオ・ユートピアも間違いであると書いてある訳だが、何故「失敗作」と思われてきたのか?
当然、今まで反論する人がいなかった、当事者が表に出ない、大半の資料に「打ち切り」と書いてある(これも実際は間違いである)、等の理由がすぐ浮かぶが、私はこう思っている。

「失敗作」にした方が皆が納得しやすいから。

そうした方がフィルムが見つからない事も、半年で終わった事もなんとなく納得してしまうからだ。
特にリアルタイムで旧ドラを知らず、シンエイ版の大ヒットからドラえもんに触れた人達は、当時の時代背景もよくわからないだろうし、まして大抵の資料には「半年で終了」の短い説明しか書かれてない。
語る程の事が無い番組みたいな印象を持たれても仕方ない部分がある。

じゃあ、何故そんなイメージを植え付けなければならないのか?

今の「ドラえもん」が成功し過ぎたから。

実際、シンエイ版が始まって直後くらいは旧ドラの話題がタブーという事は特になかった筈だ。
しかし、多分「のび太の恐竜」の大ヒット後あたりから、あまり表立って話題にはされなくなっていく。
そして、ドラえもんの人気が確定的なモノになれば、過去の作品は比較として当然今よりは人気が無かった作品としてのみ話題にのぼり、80年代以後は再放送もされず、幻の作品としてカルト化していき、現在のドラえもんが巨大な作品になればなる程、話題にはのぼらなくなっていったのだ。

更に、実際に現在では公に見る事が出来ないのだから、見た事が無い人は尚更「失敗作」というイメージを持ったままだろう。
本当はスタッフの人も一生懸命作り、頑張った甲斐もあり、延長も決まっていた番組だというのに。

この失敗作というイメージを植えつけた、という事に関しては私は大山のぶ代さんも少し恨んでいる。
かつて旧ドラについて少しコメントした文章を読んだ時に私は悲しかった。
大山さんが果たしたドラえもんへの功績は勿論素晴らしいモノだと思っているけれども。

それから、ドラえもんのハードカバーの文庫本のある巻であとがきを書かれた、シンエイ動画の某スタッフの方の「その時のドラえもんは出来もお粗末なもので、子供たちにも受け入れられませんでした」という文章は、当時本当に子供だった自分からは全く納得のいかない物である事も付け加えておく。
こういう、伝聞や勝手な推測によって、どんどん「失敗作」に変貌させられていったのであろうな。

大体、某ホームページには当時子供だった視聴者の熱心な感想がたくさん寄せられてたのだし。
それで、何故当時子供でもなかった人が「子供たちに受け入れられなかった」等と書けるのだ?
「出来もお粗末」というのだって、当時一生懸命作ったスタッフに失礼じゃないのか?
毎週楽しみに見てた俺にケンカ売ってんのか?
内容についてのきちんとした批判ならともかく、「出来がお粗末」てのはバカにしてるだけだろう?

失礼、つい感情的になった。
実はあまりにもこの文章を読んだ時に怒りがこみ上げてきたもので。
だいぶ前の話ではあるが、一度書いておきたかったのだ。

ネオ・ユートピアの中では丁寧なストーリー紹介もされているのだが、私が思い出深いのは「ねがい星流れ星」だ。というのもこの話、説明にも書かれているが原作のストーリーはあっという間に終わり、その後は静香ちゃん一家の話になるのだ。
でも私は旧ドラを先に見ていたので、後で原作を読んだ時に「え?これで終わり?」という感想を抱いた思い出がある。何せまだ旧ドラ本放送中は単行本が出ていなかった頃だから、こういう人も結構いるかと思うんだが。
また「自分の影をつかまえろ」も、後で原作の「かげがり」を読んで「全然違うじゃん」という感想を抱いた思い出もある。
だって旧ドラは完全にドタバタギャグだったので、原作があんな怖い話とは思わなかった。
ちなみに「のろいのカメラ」も原作を後から読んでるのだが、これはほぼテレビそのままの印象だった。
何故か、上記3作と最終回は印象が強い。

最終回は当然か。

もう今や藤子不二雄ファンには有名な話であるが、ドラえもんが未来に帰り、のび太がひとりでドラえもんの力を借りず自転車に乗れる様になる。
それをドラえもんとセワシくんがタイムテレビで応援しているというストーリーである。
出来れば、この話がもう一度見たい。子供の頃感動していたのだよ、この最終回。
だから今度もしネオ・ユートピアで特集する事があったら、この最終回の原作になった話の再録お願いします。


当時のスタッフのおひとりである真佐美ジュンさんが旧ドラの真実の伝道師として頑張っておられる中、自分は勝手に「当時の視聴者の実態」を伝える役割を担おうと思ってる今日この頃である。

しかし、幼稚園くらいの頃に見たきりだから、記憶もそろそろ危ういが、少なくとも当時子供だった自分は毎週楽しみにテレビの前に居た事は事実だ。
旧ドラ、面白かったし。


ホイキタサッサのドラえもん

2005-12-23 18:04:58 | 日本テレビ版「ドラえもん」
今日は懐かしの番組について取り上げてみたい。

日テレ版「ドラえもん」について。
藤子マニアからは「旧ドラえもん」等と呼ばれたりもする。

知ってる人も多いだろうが、以前ドラえもんは一度日本テレビでアニメ化されていた。

何故、この番組を話題にしたかというと、ネット等での見た事も無い輩の「現在のと雰囲気が全く違う為、人気が出ず打ち切りになった」等、伝聞と憶測だけで、勝手な失敗作のイメージだけを植えつけてる文章に我慢出来なくなったのである(そりゃ現在の視点で見ると成功したとは言えんけど)。
実際には、当時とテレビ朝日版とではアニメ化の時の作品を巡る周囲の状況が全く違う訳で、単純に比べるのは間違いだという事は、どうしても書いておきたいのだ。

まず私自身は,この日テレ版ドラえもんを毎週楽しみに見ていた者である。
4歳くらいの頃に本放送を一度見ただけなので、記憶が薄くなってる部分はあるが。
番組の大ファンだった私から、書き記しておきたい事をいくつか。

時折見られる「人気が出ず半年で打ち切り」というのは間違いであるらしい。
実際は元々半年契約での放送予定だったらしいので、打ち切りではないみたいだ。
打ち切りってのは予定期間を待たず、終了してしまう事だから。
しかし、人気が出れば、放送延長にはなったそうなので、人気が芳しくなかったのは多分事実。
これは自分も伝聞であるが、元スタッフの方が某所でコメントされてたので、事実であろう。

また、アニメ化の際の「ドラえもん」という作品の状況が日テレ版とテレ朝版では違い過ぎる。
テレ朝版放送開始時は、「小学一年生」~「小学六年生」まで全ての学年誌にドラえもんは掲載されており、コロコロコミックもあった。連載も十年近くなっていたし、コミックスも既に10巻以上発売されていた。少年サンデー増刊号にもたまに掲載されたりもし、小学校卒業した人でもドラえもんは普通に知ってる人が多くなっていた。
コロコロコミックもアニメ化をかなり盛り上げて特集していた。
日テレ版開始時は、まだ小学四年生までしか連載しておらず、連載期間も約4年という学年マンガとしては短くないと思われる期間ではあるが、コミックスもまだ発売されておらず(ちなみに日テレ版放送終了後にコミックスは発売された)、コロコロコミックも創刊されてなかった。
月に数誌掲載されてたとはいえ、月刊誌掲載だった事もあり、当然原作の数もまだ少ない。
大体、まだ原作にどこでもドアさえ登場してない時期のアニメ化である。

藤子不二雄マニアならばご存知であろうが、原作初期ドラえもんは現在と性格がかなり違っており、日テレ版ドラえもんは時期を考えてみれば、原作初期の雰囲気に近いアニメになっていたのは仕方ないと思う。
当然、今みたいに設定も固まってなかった。
なので、単純な両者の比較はあまり意味が無いと思われる。

見た事が無い人は、せめて、さっきあげた事を知識として理解してから話題にしてほしいと、頼んでおきたい。

私自身は初めて見た、動くドラえもんが日テレ版だった為、日テレ版の方が今でも好きだったりする。

しかし、ドラえもんを国民的ヒット作にしたのは間違いなくテレ朝版ドラえもんである。
偉大な作品という事には異論は無い。

日テレ版が人気が出なかった要因は作品の雰囲気よりも、先に上げた周囲の状況や、裏番組が強力だった事などが強い理由だったとおもうが、それについてはかなり熱心な探求者の方も居られるし、ここでは深くは触れないでおく。


にしても小さい頃、楽しみに見てた番組が、後年こんな「幻の番組」扱いされるとは思いもしなかった。


が、最大の疑問は、表立ってはまず話題にされないのは何でなんだろうかね・・・。