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神戸震災を巡る石原発言バッシングから来る参議院選挙を考える

2007年04月15日 07時38分20秒 | 日々感じたこととか
☆本記事は、弊ブログに書いたコメント等を編集したものです。

http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba

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まずは、都知事選直後の朝日新聞の記事。

●阪神大震災「首長判断遅く2千人犠牲」 石原氏が発言
石原慎太郎氏は8日夜の会見で防災策に触れ、「神戸の地震の時なんかは(自衛隊の派遣を要請する)首長の判断が遅かったから、2000人余計に亡くなったわけですよね」と発言した。阪神大震災の被災地で反発が出ている。

震災時の兵庫県知事、貝原俊民氏(73)は「石原さんの誤解。たしかに危機管理面で反省はあるが、要請が遅れたから死者が増えたのではない。犠牲者の8割以上が、発生直後に圧死していた」と反論する。

震災後に同県の初代防災監を務めた斎藤富雄副知事(62)は「全く根拠のない発言で、誠に遺憾。将来の備えのためにも、過去の災害を適切に分析してほしい」。神戸市に次ぐ被害を受けた同県西宮市の震災時の市長、馬場順三氏(81)は「震災を実際に体験していないから言える発言ではないか」と語った。(朝日新聞:2007年04月09日06時11分)






この、神戸の震災では「余計に2000人の方が亡くなった」という石原発言を攻撃する朝日新聞の主張は自殺点ものの論理ではないでしょうか。この「自殺点ものの石原知事批判」の記事は、民事訴訟的な物言いで言えば、

(イ)神戸市・兵庫県サイドや共産党系の医療関係者がいう8割が(自衛隊が救助を即刻開始したとしても救えなかった)即死的な圧死だったという事実認識には疑問が残る。

(ロ)もし、「8割が即死的な圧死」説が事実としても、それは、自衛隊への救援要請が遅れたことの責任を治癒しないということ。

すなわち、民事訴訟法でいう、訴える「請求原因の予備的併合」によって朝日新聞の主張は論破できるもので、而して、石原知事の発言は極めて妥当であり、神戸の震災は「阪神淡路村山大虐殺」以外の何ものでもないということです。

神戸市・兵庫県サイドの発表を書いておきます。
①同震災では、全壊棟数約10万棟、死者6434人、死者のの8割以上が建物倒壊による圧死者

②神戸市消防局および自衛隊による救出時の生存率は、地震当日は約75%、翌日は約25%、翌々日は約15%と日を追って低下した。

③倒壊家屋等の下敷きになり自力で脱出できなかった者は、およそ3万5千人と推定されているが、そのうち、消防・警察・自衛隊によって救出された人は7,900名であり、うち半数以上は救出時点ですでに死亡していた。他方、近隣住民に救出された人は約27,000人であり、その生存率は80%を超えていた。木造家屋の倒壊では、初日、それも6時間が勝負といわれている、と。「阪神・淡路大震災時の人的被害に関する調査報告」より



この共産党系の医療関係者や兵庫県・神戸市の積み上げたこれらの「事実」を見ても、兵庫県知事が自衛隊の出動要請を出した午前10:10分の時点(実は、兵庫県知事の名で防災係長が要請。知事は事後承諾!)でも震災発生の午前5:46分から



4時間24分が経過



しており、海空の自衛隊への兵庫県知事からの正式な出動要請(午後の19:50分と21:00分)は、なんと震災発生後、



14時間と15時間後



のことなのです。彼等は、「結果から見て、自衛隊に即、出動要請をしても結果はあまりかわらなかった」ということをこの<事実>から演繹したいのでしょうが、事実から見えてくる本質は逆です。

つまり、人命を救うにはそれほど緊急性が高かったことが明らかなら、何人を救えることになったかは別にして、兵庫県知事は一刻も早く災害救助の専門集団である自衛隊に救助要請をすべきだったのではないか、と。阪神淡路大震災が当時の社会党首班による「阪神淡路・村山大虐殺」であることについては、次の時系列の事実の記載を参照していただければと思います。

http://www.tamanegiya.com/hannsinnawajidaigyakusatu.html

民事訴訟に言う「請求原因の予備的併合」、つまり、「訴えの内容の予備的併合」(=「AだからCだ。また、もし、たとえAでないとしてもBではあるだろうから、この場合もBならばCになる」という論理)とか予防線を引きながら書きましたが、そんな小難しいこと言わなくとも、「8割圧死」と「8割が(圧死が原因の)即死」とは別物であることは子供でもわかること。ならば、結果、圧死であろうが6時間-24時間以内に自衛隊が救出に来れば助かった生命もあっただろうことも理の当然でしょう。

而して、生死を分ける救助までの時間が災害発生後6時間というのなら、阪神淡路大震災時の兵庫県知事・神戸市長の責任は万死に値すると言えるのではないでしょうか。蓋し、「自衛隊の出動要請の遅れで余計に2000人の方が亡くなった」という石原都知事の発言は、数字においてもし正確ではないとしても、正に、本質を突いた正しい主張である。私はそう考えるのです。

尚、この「2000人が余計になくなった」という石原氏の主張に関しては、次のY-tubeを見てください! これを見れば、兵庫県&神戸市の当時と今の首長達の物言いに腹が立ってどうしようもなくなります。

畢竟、「所詮助からなかったから出動要請が遅れたのは問題ない」と、彼等が言いたいのならそれこそ失礼でしょう(当時は「所詮」などは誰もわからないのだから、ベストを尽すべきは当然!)。そして、助かる可能性は、6時間→1日→2日→3日・・・と加速度的に低くなると彼等自身認めている以上、出動要請の遅れが被害を拡大したことは論理的に推論できる。最早、彼等は「逝ってよし」以外の何ものでもないと思います。


「対談:渡部昇一氏 vs 佐々淳行氏」






いずれにせよ、国民生活の安心と安全は災害対策や犯罪対策だけでなく、食料確保や防衛安全保障にいたる広範なものです。ならば、4月8日の都道県知事選で、幸いにも岩手県以外では国民の安心と安全を堅持する首長が当選を果たされた現在、前にこのブログでも幾らか書きましたが、国民の安心と安全を確保できる国に日本が生まれ変われるかどうかの鍵は、その勝負所は次の参議院補選(沖縄&福島)と夏の参議院選挙にある。

畢竟、政局に政策を絡め、政党間の合従連衡しか頭にない小沢民主党などに勝たせてはならないのだと思います。而して、唯一の例外は、国賊・加藤紘一が牛耳る山形県。ここでは、私は民主党の元農林官僚にして硬派のドゴール主義者(食料安保論者、舟山康江氏を応援します。この山形における民主の一議席で自民党が過半数を失うというのならそれは安倍政権の運がなかったということ。それよりも、加藤氏の政治的影響力を更に掘り崩す方が日本にとって益が大きいと思うからです。

実は、舟山康江氏は我らが平成の大宰相・小泉純一郎前首相を不倶戴天の敵と看做す鹿野道彦氏の系統(鹿野氏が農林大臣の時の部下)であり、応援しにくい方ではある(苦笑)。けれど、ここは食料安保と地域コミュニティーの再構築に賭ける彼女の熱意を鑑み、なにより、加藤紘一氏の影響力を削ることを優先すべきと考えました。

投票依頼などは行いませんが、このブログの読者の方には、是非、私が山形では民主党の候補(舟山康江氏)を応援することを了としていただきたいと思います。


◆資料:産経妙

「神戸の地震で(自衛隊派遣を求める)首長の判断が遅かったから2000人余計な人が死んだ」という石原都知事の発言に、兵庫県の井戸敏三知事が「いい加減な議論だ」とかみついた。

▼「自衛隊の派遣要請の早さと、犠牲者の数は阪神大震災ではあまり脈絡のないこと」と井戸知事は語る。確かに2000人は誇張気味だ。でも、どうして迅速な自衛隊派遣が人命救助と「脈絡がない」といえるのか。

▼震災当時、知事は自治省のお役人だったので、状況がよくおわかりでないのだろう。それなら教えてさしあげる。前任者が、公用車の迎えを待って県庁に登庁したのは、地震発生から2時間以上もたってからだった。

▼自衛隊への派遣要請はそれからなお2時間近くかかり、しかも“要請”したのは、一係長だった。当日は午後2時をまわっても出勤した県職員は2割に過ぎず、震災直後の県庁の対応は最悪だった。

▼井戸知事は「公的な救済機関が入る以前に、地域の防災力をどう高めるかが緊急時の人命救助にとって一番大事だ」とおっしゃる。だが、がれきに埋もれた人々を助けるには、自衛隊をはじめとする「公的な救済機関」の一刻も早い投入が不可欠だ。

▼阪神大震災の死者のほとんどは即死に近い圧死というが、死人に口なしとはいかない。がれきの下から声が聞こえ、近所の人たちが必死で助けようとしてかなわず、「もっと早く救助隊が来てくれれば」と涙にくれた悲劇も少なくない。12年前の大失態をろくに反省していない首長をもつ兵庫県の人たちは夜も眠れなくなるのではないか。(2007/04/11 05:07)

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