Asian Cars通信 ~since 2005~

日本とアジア各国の車の紹介と国内・海外の車にまつわる取材記。きっと、新しいアジアカーの時代が来る!!

シトロエン、中国でC4のノッチバックモデルを発表

2006年02月19日 | ニュース
 東風プジョー・シトロエン社はこのほど、2005年に世界中で28万台を販売した「C4」の成功をさらに力強いものにするため、新型車「C Triomphe」を発表した。この新型車は、C4のノッチバックモデルであり、中国市場向けに開発された。
 シトロエンは、中国市場で過去14年間に60万台を販売した。主として、ZXノッチバックとElysse(中国特定モデルでコロナスーパールーミーのようなストレッチされた小型セダン)の成功によるものである。
 また、2005年には、中国市場で34%販売を増加させ、10万台を販売した。同社ではシェアをさらに増加して、中国市場で成長を続けることを目指している。
 今回発表した新型車は、数多くの革新的な取り組みにより、運転する喜び、および安全に関して多くの利点を誇っている。
 車体サイズは、全長4.8m、全幅1.77m、ホイールベース2.71m。トランクは、VDA測定値で513リットルで、60:40のリアシート分割が可能である。
 エンジンは、ユーロIV規格を満たす150bhp(DIN)2.0リットルを搭載。このエンジンは、ATもしくはマニュアルギアボックスと組み合わされる。また、可変バルブ・タイミング(VVT)機構を採用している。
 
※編者注 このモデルは日本市場には投入されないだろう。なぜなら、この車の全長は4.8mもあり、上位機種のC5(4740mm)よりも長い。そのため、ラインナップに混乱をきたす可能性がある。また日本では、このクラスのヨーロッパ車は圧倒的に2ボックス車が好まれている。
 中国での最大のライバルは、まだ見ぬ一汽ジェッタ(新型)だろうか?ところで、この名前は何と読むのだろうか?余談だが、中国車には、Royaumとか、Excelleとか、読みにくい車名が多い。
 

フランス製のスズキ・キャリイ?

2006年02月18日 | ニュース

 弊社編集部に、1通のメールが届いた。
 「フランスでスズキ・キャリイが生産されているらしい。至急調査せよ。」
 ”ファッションとエスプリの国”フランスで、スズキ・キャリイが生産されている?ルイ・ヴィトンなどの偽ブランド品を、あれほど厳しく取り締まっている国で?! 
 さっそく、メーカーのAutomobile Chatenet社のウェブサイトをのぞいてみたが、現在、トラックはラインナップになかった。  
 今は、オペル・ヴィータによく似たマイクロカー数種を生産していて、フランス、ドイツ、イタリア等旧西欧地域で販売しているのみである。  
 Yackというのがこのトラックの名前のようである。調査を進めていくうち、ベースとなったスズキ・キャリイの、海外での名称等が明らかになったので以下に紹介する。
 フランス製キャリイについては、本文によれば、ベースはキャリイだが渡来は中国からのようで?真相は依然謎のままである。   

 1985年に登場した5代目スズキ・キャリイとエブリイは、同じ寸法、レイアウト、エンジンを有する。外観は、不規則に開くホイールアーチがわずかな特徴。
 この時、ハイルーフ仕様のトラックが、543ccターボエンジンとともに選択可能となった。 1990年には、バンとトラックの全長がそれぞれ3295mmと3240mmとなり、エンジンも660ccに拡大した。
 輸出仕様では、スズキSK408(797cc)とスズキSK410(970cc)として導入された。また、スズキ・キャリイ、スズキスーパーキャリイという名としても知られる。
 イギリスでは、1986年4月からベッドフォード・ラスカルとして、1990年6月からはボクソール・ラスカルとして売られた。南ヨーロッパでは、GMEラスカル、オーストラリアでは、ホールデン・Sキャリイとして売られた。韓国では、大宇ラボー(トラック)とダマス(バンとマイクロバス)として製造・販売された。台湾では、フォードの合弁法人である福特六和汽車が、フォード・プロントとして投入した。コロンビアでは、シボレーSuper Carryとして知られた。
 こうしたことから、この車は、フォードと同様にシボレーとして販売された世界で唯一の自動車であるかもしれない。
 中国では、この世代が安徽CH、Changhe CH、Hanjiang SFJ、ソンホワチヤンHFJ Kaixuan NJD(4ドアのダブルキャブトラック)として知られている。フランスでは、Chatenet Yackとしてポルトガル製のディーゼルエンジンを積んだ、ホイールベース2mの中国の2ドアトラックの1つを販売していた。 FAW Jiefang CA6350マイクロバスは、異なったボディで、1940mmのホイールベース、全長3490mm、全幅1445mm、エンジンは1.0Lと1.1Lがある。安徽Fc1608トラックは、2200mmのホイールベースで、全長3800mm、全幅1480mmである。この5世代Carryは、各国で1999年の初頭まで引き続き生産された。
PS 筆者の知る限りでは、2006年現在において、大宇ラボーとダマスは引き続き生産されている。
 Chatenet Yackについて何か情報がありましたら、弊社までお願いします。


三菱アイに試乗して

2006年02月15日 | 試乗記
 アイは、経営再建中の三菱自動車が、乾坤一擲の思いで世に放った新型車である。アイは、イギリスのミニに始まり、VWゴルフによって花開いたFF(前輪駆動)方式を捨て、操縦性や安全性の向上を図るため、あえてリアエンジン(ミッドシップ)方式を採用した。「プラットフォーム共通化によるコスト低減」が至上命題となっている昨今の自動車業界において、これはとても珍しい出来事である。
 タイヤをできるだけ車体の外側に追いやったスタイリングも、非常に新鮮である。ボディとタイヤとの一体感が高く、当初のイメージスケッチどおりのデザインを実現しようという意欲が感じられる。
 バックオーダーが1万台を超えたというニュースもあり、個人的にも関心があったため試乗してみることにした。
 結論からいうと、実もフタもない言い方になってしまうが、「軽は軽」だった。
 ターボ付というもののノイジーなエンジン。強風であおられてしまう足回り。チルト機能のつかないステアリング。150万もする車にしては、いささか素っ気ないインパネやドアトリム。座面の短いリアシート。
 もちろん長所もある。後輪駆動だけあって、ハンドルの切りはじめが非常に軽やかであること。乗り心地がフラットであること。低反発ウレタン風のシートは、リアはともかく、フロントはフィット感があること。
 ただ、長所が短所を上回るだけの高い魅力を持っているようには思えず、FF方式を凌ぐアドバンテージもそれほどないように思われた。
 今後、アイの熟成は進むのか?量産効果が出たらさらに安くなるのか?アイをベースとしたリアエンジン車のバリエーション展開はあるのか?そして、最終的にはFF方式を駆逐できるのか?
 アイは未来の自動車の方向性を占う試金石であるが、現在それほどの商品力はないと思われる。動向を見守りたい。

トヨタ、シカゴショーで新型レクサスを発表

2006年02月09日 | ニュース
 トヨタ自動車は、2月8日より開催のシカゴモーターショーにて、「新型レクサスES」を発表した。
 新型ESは、全長4854mm、全幅1821mm、全高1455mm。ホイールベースは2775mmと、先日発表された新型カムリと同一。エンジンは、デュアルVVT-i機構を備えた3.5リッターV6エンジンを搭載する。最高出力272hpで、変速機は6速のシーケンシャルシフト付オートマチックを採用する。
 注目の装備は「パノラマグラスルーフ」(オプション)で、屋根がガラス張りとなっている。このクラスの日本車では珍しい装備だが、メルセデスではEクラスとSクラスで既に採用されている。
(注 トヨタの見本は常にメルセデスなので、ほら来たと思った。ちなみにクラウンは、セルシオとベンツを2で割ったようなモデルが多い)
 スタイリングは見てのとおり、昨今のレクサス車のトレンドを取り入れたもの。強い個性はないが、「洗練・上質」といった雰囲気を醸し出している。
 歴代のES(ウィンダム)中、もっとも日本人に好かれそうな外形デザインと思うが、2つの点から日本導入は微妙なところだろう。
 1つは、日本でのレクサスブランドは「プレミアムカー」として、メルセデスやBMWに対抗する使命を担っているため、カムリベースのFF車であるESの導入はブランド構築にどう影響するかわからない点。
 もう1つは、仮に北米生産車であれば、右ハンドル車は作られない可能性がある点。

 日本で売られないとなれば、見てみたくなるのが筆者の常。実車を眺めに、カタログを貰いに現地取材しようか?日本未導入車への興味は尽きない。

ダイハツ・アルティスがフルチェンジ

2006年02月05日 | カタログ紹介
 ダイハツ唯一の3ナンバー車にして、最高級車でもある「アルティス」がこのほどフルチェンジしたので、早速カタログを入手した。
 新型「アルティス」のカタログはホチキス止めなしの4ページという体裁で、他に本カタログがないかと疑ってしまうような簡素なものである。ただ、月販目標50台とのことなので、カタログはこの1種類のみかと思われる。ベース車両である「カムリ」との違いは、ラジエターグリル、リアトランク、ステアリング、ホイールキャップ等に付くエンブレムが、ダイハツマークとなること。このダイハツマークはおそらくアルティス専用であり、コスト回収は困難(?)と思われる。
 リアの「ALTIS」エンブレムは、トヨタがアジアで投入している「カローラ・アルティス」のものと同一であるという情報もある。
 余談だがこの「ダイハツ・アルティス」のカタログを台湾のトヨタディーラーでセールスマンに見せたところ、「なぜカムリがダイハツで?しかも名前は何でアルティスなの??」と興味津々(困惑?)の様子であった。
【写真】下から初代(2000年)、2代(2001~2006年)、右上が新型のアルティス。右下はカローラ・アルティス台湾仕様(マイナー前)。