めちゃくちゃ面白かった6章。今回は舞台設定と6章の物語のメインテーマについて考察します
まず、一番に思ったことがコロナ禍により変質した社会情勢や現代日本人の心境を如実に表した作品だな。と
というか、奈須きのこさんはコロナに影響を受けて6章のシナリオのプロットを大幅に変えたのではないか?と
6章は実は、今の日本に突き刺さるテーマがあります
メインテーマは「醜さと美しさ」なんだけど、それを描くためのブリテンの世界がまさに今の日本
妖精はキャストリアの視点からは「ヒト」と評されていました
実は6章に登場する、妖精はシナリオを動かす上にわかりやすく描かれたモチーフなのであり
6章が描こうとしたテーマは「『ヒト』の醜さと美しさ」に帰結する
ユーザーにとっては、ブリテンに生きる妖精たちは生き汚くて醜い存在に見えたはずです
ユーザー(人間)が、人間に似た存在の妖精を「クソ野郎ども」と素直な感情が持てるように
あえて妖精というモチーフを被せて叩きやすくした。という構造的狙いもあるのでは?
6章妖精ってクソ野郎どもだな。という批判は、地球に生きる人間ってクソ野郎ばかりだな。というところに繋がる
そこから考察を展開する前に、まずはブリテンがコロナ禍を題材にしたと思うに至るようになった理由を以下に
モース=コロナ
厄災、大厄災=コロナ禍による混乱の波(第一波、第二波、、、)
楽園の妖精=空席(残念ながら、現代社会にコレに該当する存在はいない)
氏族長=各国の政府
ブリテンに生きる妖精たち=我々国民
と置き換えると分かりやすい
コロナは人の善性、悪性を暴きます
我々国民の、コロナ禍という大厄災を前にして取る行動のなんと醜く愚かなことか
政府の対応は無能
アイツはあんな悪い事をした、だからSNSで叩いて懲らしめよう
オリンピックのせいで感染拡大した。もう自粛なんてするものか
アイツは馬鹿だからコロナに感染した。俺は馬鹿じゃないから感染しない。だから自粛なんてしない
etc...
我々人間はリアルの社会に生きている間は理性が蓋をするために、本性が暴れることはない
しかし、SNSは毒入りの聖杯である。という言葉もあるように
ネットの世界では理性の蓋が外れる
加えて、コロナにより不安定となった社会
それらが後押しをして、ある者は憂さ晴らし
ある者は安らぎをもとめて
ある者は孤独を埋めるために
「みんな」で悪いヤツを攻撃する
こういった、コロナによる現実・ネット社会の変質が招いた今の実情を
わかりやすくシナリオ化したのがアヴァロン・ル・フェだと感じた
モルガンはコロナ禍をやり過ごして頑張っているのに、国民からは批判されまくって最後には裏切られる
これ実は、大阪の吉村知事がモチーフとしては近い
コロナ初期の頃は吉村知事の政策は大好評であり、国民いやネット民から大絶賛だった
しかし、大阪医療崩壊後のネット民はいきなりてのひらを返して総攻撃だった
面白いのが、実は異様に持ち上げていたり異様に叩いたりしていたのは「ネット民」が大半であり
実際に大阪に住む住民は吉村さんを叩く人は少ないし、むしろもともと支持している傾向からコロナによって支持基盤が揺らいだとか
そういうところはなかったところ
ネット民はブリテンの妖精たちだなぁ。とつくづく思う
そして、その土台の上で描かれる「醜さ」と対をなす「美しさ」の存在
現実世界でもそう、コロナ禍で荒んだ世界でも
その中でも確かに「美しきモノ」は存在する
オリンピックはなにかと批判にまみれながらとり行われたが、その中でもやはり美談は存在した
個人的に泣きそうになったのは、走り高跳びで首位争いを放棄したために金メダリストが2人誕生したエピソード
実は金銀争いをしていた2人は親友同士で、互いに互いを高め合う旧知の中
金銀争いはサドンデス状態に突入して、どちらが先に折れるか。というデスマッチだった
互いにもう限界まで競い合って、この先の争いは不毛だと
俺たち2人の見た景色が頂点だと理解した上での審判に対する
「金メダルは2つあったらいけないのか?」という問い
審議の結果、金メダルはあなたたち2人だ。と言い渡された際に選手が雄叫びを上げて抱き合ったシーンは熱いものがあった
他にも、マラソンで同じ地域出身だったが国境を越えてそれぞれの国で争う事になった選手2人が
互いに励ましあって銀銅メダルを取ったシーンなど
オリンピックはさまざまな利権が絡んだり、中抜きも酷いし
構造としては、金持ち達が「おともだち」に利益を分配するために政府により強行されたモノではあるが
汚さや醜さから生まれた世界の上でも、確かに美しきモノは誕生する
ブリテンは罪により生まれた醜い土地。世界だったとしても
そこから生じる大半が醜いモノであったとしても
それでも、綺麗なモノは生まれていくのだ
という人間社会の真理を説いたシナリオだった
ヒトが醜いから全部ぶっ壊してやる。というオベロン
ヒトの醜さに晒されながらも、醜さの中から生まれる美しきモノの価値を信じて守り抜いたキャストリア
醜さと美しさの物語として、大変素晴らしいシナリオだった
個人的に、妖精騎士ランスロットことラン子がめちゃくちゃ好きになってしまい
今までFGOのキャラでここまで好きになったキャラはいないってくらいにどハマりしてしまったので
興味のある人は過去のブログを見てほしいくらい
ラン子は世界(オーロラ)の美しさに祝福されて生を受けた存在
その美しさ(オーロラ)がただの光の分散現象により映し出された虚像であろうとも
あの時の感動は今も忘れない
だから、その美しきオーロラが存在する美しき世界を守るために
世界の醜さを由来として、コレを滅ぼそうとする滅びに立ち向かう
このラン子の戦いでシナリオの幕を閉じるのが良かった
普通に泣いてしまった
ラン子が好きになりすぎてしまってとりあえずレベル120まで来ましたが
あとは獣の足跡と金フォウとアペンドスキルマと絆15まで目指す予定
ラン子とオベロンは奈須きのこさんの加護EX持ちだから性能の忖度のされかげんが凄い
白き竜(オベロン)と赤き竜(ラン子)の相性が最高なのも感慨深い
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