インテグラな日々

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ただいま十六歳

2008-01-25 01:18:46 | 司馬遼太郎



司馬遼太郎の「侍はこわい」に収録されている作品「ただいま十六歳」です。主人公は、若き日の近藤勇です。

<内容>
大百姓の子・勝太は、幼なじみのおえいに好意を寄せていた。

というよりも、おえいと結ばれる運命にあると信じていた。

さらに変わっていたのは、自分がおえいの家来だと思い込んでいることだった。

そんな勝太に対し、おえいはどことなく気味悪いものを感じていた。

そんなある日、勝太は天然理心流の近藤周介に見込まれ、養子になることに。

勝太はおえいに好意を寄せながらも、武士になることを決意する。

そして、月日は流れ…。

やがて、鳥羽伏見の戦いが起こり、新撰組は甲州へ。

主婦になったおえいの前を、近藤勇と名を変えた勝太が通り過ぎていった…。

<感想>☆☆★
なんか、いいですね~。

おえいの目線で見る近藤勇が描かれています。

自分に好意を寄せる幼なじみの男。しかし、何を考えているのか分からず、言うこと、やること、すべて得体が知れない。

そんな二人が急接近する出来事が。

まさに青春の1ページ。「北の国から」の初恋編のようなことが起こります。

運命のいたずらで、どしゃぶりの雨の中、空き家で二人きり…。

そして、おえいが思わず口走った言葉…。

それに対してアンビリーバブルな言葉を返した勝太。

ここいいですね。

「青春ラブストーリー」が、勝太のこの発言で「青春ラブストーリー」ではなく「近藤勇の歴史小説」として成立しています。

そして、主婦となったおえいの前を通り過ぎる勝太改め近藤勇。

おえいの最後の素朴な感想もいいですね~。

<次回は…>
やはり、近藤が出てくる短編「盗賊と間者」を紹介します。


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