菊地明さんの「龍馬 最後の真実」を紹介します。これは坂本龍馬にまつわる史実を検証する本です。
1 龍馬誕生
2 土佐脱藩
3 薩長同盟
4 船中八策
5 龍馬暗殺
の5章から成っています。
<感想>☆☆
やはり、こういう本は面白いですね。それほど龍馬について知っているわではありませんが、先月、長崎で亀山社中跡や龍馬像を見てきたので非常に興味をそそられました。
<感想2>
いわゆる史実というものを、いろいろ検証しています。
たとえば…
※龍馬が脱藩するとき、刀を与えたのは誰か。
昔は乙女さん。「竜馬がゆく」からお栄さん。
※竜馬暗殺者は誰だ…
新撰組なのか、見廻組なのか…。
<龍馬暗殺>
やはり、ここには引き付けられました。というのも、見廻組の人間がやったと言っているのに、いまだに誰がやったか判然としない…といわれる。これって不思議だと思っていました。
菊地さんは、やはり自供している見廻組の犯行と言っています。で、なぜいまだに新撰組の犯行とも言われるのかを検証されています。非常に説得力のある説でした。
簡単に言うと、最初から新撰組と決め付け、さまざまな証拠を強引に結びつけたと言っています。本書を読む限り、菊地さんの説に納得です。興味のある方は読んでみてください。
<感想3>
歴史って面白いですね。たかだか、何百年前の出来事なのに真実が分からない…。しかも、当事者たちが違う事実を書面に書き残す…。そこには、それぞれの思惑や記憶違いがある…。う~ん、深いですね~。
<あとがき>
龍馬は、いつしか虚飾に包まれたとあります。これは、司馬さんの「竜馬がゆく」の前のことを言っています。
龍馬が明治政府の役職を断ったという話や、日露戦争時に皇后の夢に出てきたという話は、歴史家の虚飾や、不遇を囲った旧土佐藩の人間による作り話の可能性があるそうです。
ただ、伝えられる龍馬像をすべて虚飾として否定することはできないとあります。
虚は虚として、実は実として見ない限り、龍馬の見ていたものは見えないそうです。
そのために、伝説が崩れる場合もあり、新たな一面が見つかる場合もある。筆者はそれでも最終的な龍馬像に接したかったと言っています。
<坂本龍馬>
本当は「龍馬」ですね。司馬さんは「竜馬」としています。これはフィクション色が強いから字を変えたと何かで読んだことがあります。
しかし、不思議な男ですね。一介の浪人なのに、松平春嶽に会ったり、薩長の巨頭の西郷や桂と対等に渡り合ったり。郷士の身分で、土佐の後藤や板垣にも臆することがなかったわけですから。
本当に器が大きいというか、人間的魅力にあふれています。そんな竜馬も33歳で亡くなるんですね。それも、明確な理由もあまり見出せない理由で暗殺されるわけですから。歴史の皮肉というべきでしょうか。
最後に、この龍馬の名言はいいですね。彼の生き方そのものですね。
「世の人は我を何とも言わば言へ 我が為すことは我のみぞ知る」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます