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『秘められた貌』 ロバート・B・パーカー(著), 山本博 (翻訳)

2018年11月12日 20時05分00秒 | ■読書
アメリカの作家「ロバート・B・パーカー」のハードボイルド小説『秘められた貌(原題:High Profile)』を読みました。


忍び寄る牙訣別の海に続き「ロバート・B・パーカー」作品です。

-----story-------------
公園の木から吊り下げられていたのは、テレビの人気スターの射殺死体だった。
たちまちマスコミが殺到し、知事までが捜査に介入してくる。
やがて第二の死体が発見され、捜査は難航のきざしを見せ始めた。
いっぽう「ジェッシイ」のもとには、前妻の「ジェン」がストーカーに狙われていると泣きついてくる。
捜査で身動きの取れない「ジェッシイ」は、恋人の私立探偵「サニー・ランドル」にこの件を託す……
警察署長「ジェッシイ・ストーン」+女性探偵「サニー・ランドル」! 
二大キャラクターが競演の注目作
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マサチューセッツ州の小さな町パラダイス(現実のマサチューセッツ州スワンプスコットにおおよそ基づいた架空の町)の警察署長「ジェッシィ・ストーン」を主人公とするシリーズ全9作品の第6作にあたり、2007年(平成19年)に発表された作品です、、、

真相を知ったとき、女に翻弄された男に同情しちゃう… そんな作品でした。


死体は木の枝から吊り下げられていた… だが、手も縛られていないし、首の骨が折れているようすもなく、踏み台らしきものもない、、、

「コートの前を開けてみてください」言われた「ジェッシイ」が死体の胸を見ると、そこは黒ずんだ血でごわごわになっており銃弾が貫いていた… 発見された射殺死体の身元はすぐに判明した。

全国ネットのテレビ番組を持つ人気者「ウォリー・ウィークス」だったのだ… マスコミが殺到し、知事までが介入しようとする、、、

そんな騒動のさなか、第二の死体が発見された… 今度は「ウィークス」のアシスタントの女性「ケアリー・ロングリー」、彼女は「ウィークス」と同じ銃で射殺されていた。

しかも解剖の結果、彼女が妊娠していたことが判明する… DNA鑑定による父親は「ウィークス」だった、、、

現在の妻「ローリー」、二人の元妻「ステファニー・ウィークス」「エレン・ミリオーレ」、そしてボディガードの「コンラッド・ルッツ」、アシスタントの「ケアリー・ロングリー」、マネージャーの「トム・ノーラン」、調査員の「アラン・ヘンドリックス」、弁護士の「サム・ゲイツ」等の周囲の取り巻きたち… 容疑者が多いが、全員にしっかりしたアリバイがあり、捜査は難航する。

一方、「ジェッシイ」のもとには、またしても前妻の「ジェン」が難題を持ち込んでいた… レイプされ、ストーカーに付きまとわれているというのだ、、、

「ウィークス」事件との板挟みになった「ジェッシイ」は、恋人の私立探偵「サニー・ランドル」「ジェン」の件を託し、「ウィークス」事件の解決に向けて奔走する。

「ジェッシイ」は、「スーツケース・シンプソン」等と捜査を進め、

「ウィークス」「ローリー」と離婚して「ケアリー」と結婚しようとしていたこと、

〇それにより「ローリー」が受け取るはずの遺産が減る見込みだったこと、

「ローリー」は離婚歴があり、前夫の「ルッツ」とは「ウィークス」との結婚数日前に離婚していたこと、

「ローリー」は猥褻行為で逮捕された前科があり、「ローリー」を逮捕したのは当時警察官だった「ルッツ」だったこと、

等を突き止め、容疑者を「ローリー」「ルッツ」に絞り込んでいく。

そして哀しい結末… 女に騙されていることが判っているのに、それでも女を護るために、自分の命を犠牲にする男、、、

うーん、哀しいなぁ… いつの間にか「ルッツ」に感情移入しながら読んでいました、潔い最期は感動的ですらありましたね。

「ルッツ」のことが忘れられないですね… それにしても、もうひとつの事件である「ジェン」のレイプ・ストーカーの方が呆れちゃいましたね、、、

「ジェン」とは、もう縁を切った方が… 第三者的には、そう思っちゃいますよね。


以下、主な登場人物です。

「ジェッシイ・ストーン」
 パラダイスの警察署長

「ジェン」
 ジェッシイの別れた妻

「スーツケース・シンプソン」
 パラダイス警察の署員

「モリイ・クレイン」
 パラダイス警察の署員

「アーサー・アングストロム」
 パラダイス警察の署員

「ピーター・パーキンス」
 パラダイス警察の署員

「ウォルトン・ウィークス」
 テレビ・スター

「ローリー」
 ウォルトンの妻

「コンラッド・ルッツ」
 ウォルトンのボディガード

「ケアリー・ロングリー」
 ウォルトンのアシスタント

「トム・ノーラン」
 ウォルトンのマネージャー

「アラン・ヘンドリックス」
 ウォルトンの調査員

「サム・ゲイツ」
 ウォルトンの弁護士

「ステファニー・ウィークス」
 ウォルトンの前妻

「エレン・ミリオーレ」
 ウォルトンの最初の妻

「ディックス」
 ジェッシイのカウンセラー

「ローザ・サンチェス」
 ニューヨーク市警の刑事

「ヒーリイ」
 州警察の警部

「サニー・ランドル」
 私立探偵




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