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『名探偵ポワロ「ヒッコリー・ロードの殺人」』 1995年イギリス

2018年07月06日 18時54分00秒 | ■映画・ドラマ
"Agatha Christie's Poirot Hickory Dickory Dock"


先日、NHK BSプレミアムで放映していた『名探偵ポワロ「ヒッコリー・ロードの殺人」』を観ました。

-----story-------------
「アガサ・クリスティー」原作の人気シリーズ「名探偵ポワロ」をハイビジョンリマスター版で放送!
ある学生寮でたて続けに起きた盗難騒ぎ。
それは連続殺人事件の序章だった。

「ミス・レモン」の姉が管理人をしているヒッコリー・ロードの学生寮で盗難が相次ぐ。
「ポワロ」はディナー講演の名目で学生寮に出かけ、オーナーや学生たちに話を聞く。
翌日、女子学生の「シーリア」が盗んだのは自分だと告白。
盗難癖があるという彼女だが、全てを自分がやったわけではないという。
その夜、「シーリア」が睡眠薬を飲んだ直後に急死する。
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2年くらい前に原作を読んでいます… 短時間に一気に多くの登場人物が出てくるので、人物の相関関係が判りにくく、特に寮生たちについては、名前と人物像がなかなか一致せず、ちょっと感情移入し難かった印象でしたが、、、

映像作品だと、登場人物が覚えやすいので、それほど苦にはなりませんでしたね… 大まかな流れしか覚えてなかったので(いつものことですが…)、愉しく観れました。


「ミス・レモン」の姉「ハバード夫人」が働いている学生寮で盗難事件が多発… 盗まれたモノは靴の片方や電球など他愛のないものばかりだが、その話を聞いた「ポワロ」は、ヒッコリー・ロードにあるその寮をディナー講演の名目で訪問、、、


学生たちは、それぞれ専門も異なり、男も女も学生らしく議論好きで好奇心に溢れていた… 翌日、寮生のひとり「シーリア」が盗んだのは自分だと告白するが、全てを自分がやったのではないと証言する。


「シーリア」が犯行を否定した盗難に何か意味があるのでは… と推理した「ポアロ」は真相を究明しようとしますが、そんな中「シーリア」が寮でモルヒネにより毒殺され、その後、寮の経営者「ニコレティス夫人」が心臓を刺されて殺され、続いて、犯人を知っていると示唆した寮生「パトリシア・レイン」が撲殺される、、、

「ポワロ」は、無くなった品物のリストや学生やオーナーの言動、人間関係から事件の真相を導き出す… 事件の発端は日常の細々した品々の紛失なので、"取るに足らないものが紛失したこと"自体の意味に注意が向きがちですが、実は、数多の紛失は一元的な事象ではなく、品物それぞれに異なる紛失の意味が隠されているという展開で、事件の核心につながる手掛かりと並行し、いかにもそれらしいが別個の事由に由来する怪しい手掛かりを散りばめる「クリスティ」のプロットを象徴するような、興味深い構造になっています。

「シーリア」の犯行ではなかった盗品、、、

聴診器は医者になりすまし、毒物を入手する際の小道具に使われたり、

ずたずたに裂かれたリュックサックは密輸の道具だったり、

電球は警察の捜査時に見えにくくするための工夫だったり、

と、それぞれ意味のある犯行だったことが、徐々に明かされ… そして、その背後には大規模なダイヤモンドの密輸事件(原作では麻薬の密輸だったような…)が絡んでいたという展開でした。


男女の寮生による犯行だったのですが、そのうちの一人は、過去に犯罪歴(母親を毒殺)があり、その事件には、当時、平警部だった「ジャップ」が関わっていたんですね… 当時、「ジャップ」は夫(真犯人の父親)の犯行と睨んで捜査を進めようとしていたものの上層部から捜査を止められた過去があったが、この事件の中で実は息子が犯人だったということが判明するというオチでした、、、


なかなか面白かったです… 「ジャップ」が婦人不在の間、「ポワロ」宅に泊めさせてもらうが、食事や宿泊時の暖房、ビデの使い方等、小さなトラブルが頻発するという映像化作品オリジナルのサイドストーリーも愉しめました。

エンディングで、「ジャップ」に振る舞われたイギリス料理が口に合わず、思わずアレルギーで… と言い訳する「ポワロ」の姿が印象的でした。


-----staff/cast-------------
原作:アガサ・クリスティ
製作:ブライアン・イーストマン
監督:アンドリュー・グリーブ
脚色:アンソニー・ホロウィッツ
出演:
 デビッド・スーシェ(ポアロ)
 ポーリン・モラン(ミス・レモン)
 フィリップ・ジャクソン(ジャップ警部)
 パリス・ジェファーソン(サリー・フィンチ 学生寮の住人、イギリス文学専攻)
 ジョナサン・ファース(ナイジェル・チャップマン 学生寮の住人、中世史・考古学専攻)
 ダミアン・ルイス(レナード・ベイトソン 学生寮の住人、医学部生)
 ギルバート・マーティン(コリン・マクナブ 学生寮の住人、心理学専攻)
 エリナー・モリストン(バレリー・ホブハウス 学生寮の住人、ファッション専攻)
 ポリー・ケンプ(パトリシア・レーン 学生寮の住人、政治学専攻)
 ジェシカ・ロイド(シーリア・オースティン 学生寮の住人、化学専攻)
 サラ・ベデル(フローレンス・ハバード ミス・レモンの姉、学生寮の管理人)
 レーチェル・ベル(クリスティーナ・ニコレティス 学生寮の経営者)
 グランヴィル・サクストン(ジョン・キャスタマン 学生寮を見張っている男)
 デビッド・バーク(サー・アーサー・スタンリー 著名な政治家)








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