海猫は空を飛ぶ

日常のちょっと違うと思ったことを書き連ねていきます。

田舎そば

2008-09-14 15:06:04 | 社会
私の生家は水田農家。米が中心だったが、畑もあって、さまざまなものを作っていた。
その中に、そばもあった。

あるとき、母親が真っ黒で、ぶつぶつ切れたまさに素人のそばを作った。つゆも、忙しい中で母親がつくるものだから、何の工夫もない。

でも、めちゃくちゃ美味しかった。細かく切れるのが逆に新鮮だった。

大人になり、色々な蕎麦を食べてきた。
店で「田舎そば」というのを見ると、必ず食べてみたくなった。
それは、母親の作った蕎麦が原体験とあったからだろう。

母親はまだ生きている。
今度実家に帰ったときに作ってもらおうかとも思ったが、もう自分の家ではソバは作ってない。
取れたての、それこそ「新そば」を豪快にゆでる。だからこそ、どこにもないような美味しさがあったのだろう。
だからあの味は、二度と味わえない。

それでも似た味を求めて、また蕎麦屋めぐりが始まるのだ。