Suさんの学球日誌

理科&日本語教師のSuさん(旧名SunQ)が、
国内・国外様々な学校を渡り歩き、
いろいろなチャレンジを試みます。

辞めた理由

2023年06月25日 | 学校生活

 さて今日は、インターナショナルスクールを辞めた理由を記そう。

端的に言うと、経営者が私のことを不適格と判断し、契約更新はしないと決定したことだ(つまりクビ!)

これは人間関係の悪化に関連した誤解が原因で、もともとは、非常に不愉快で威圧的な発言をしばしば行っていたある人物に対して私が反抗したことに起因しているのだが、いちいち言い訳をして悪口を重ねても仕方ないので、これ以上は記さない。

 実はクビを宣告されなくても、辞めるつもりでいた。

 この学校では楽しく授業はできるが、本当に生徒の能力を伸ばすことが出来ているとは思えなかったからだ。

この学校の特徴である「二言語教育」と「エイジレス教育」そして「主体的学び」は、理想としては素晴らしい。

だが、それを実現させるための教師の協力体制が不十分なこと、基礎から高度な内容へと深化させていく計画性に乏しいこと、主体的学びをおこなうための訓練が十分に実施されていないこと、等々の問題点にすぐ気が付いた。これでは生徒が効果的に学力を伸ばすことはできない。

 日英どちらの言語をどのように使うのか事前の打ち合わせしたくとも、相方が事前打ち合わせを嫌っている状況では二言語教育なんてなりたたない。中学校・高校で学ぶ理系科目は、内容が高いレベルにまで及ぶため計画的な積み上げが必要なのに、学期ごとに刹那的に授業科目を設定しいろんな学年の生徒が同席するような状況では積み上げなんてできはしない。そしていくら主体的学びを重要視していても、事前に必要な基礎知識を与えることや,調べるための技術を教えることを軽視していては、決して深い学びを得ることはできない。

 自分の勤めている学校の教育に自信と誇りが持てるのは、教師として大切なことだ。

 この何か月かは、それが持てなかった。なので辞めた今は、すっきりした気持ちでいる。

 けれどもこの学校に一年勤務した経験は、とても貴重なものだったとも思う。教育課程や教科書に縛られることなく授業を計画するなんて今までできなかった。そしてNIE(新聞を使った教育)、小論文、探究学習など県立高校の総合学習で取り組んだものの、未消化だった授業も思う存分やることができた。

 さんざん文句を挙げたが、この学校の教育に適応して実力を伸ばし、世界にはばたいていった生徒は決して少なくない。たから、この学校が合っている生徒・先生にとっては、やはり良い学校なのだろう。

 さらばインターナショナルスクール、残念ながら私にとっては納得のいく学校じゃ無かったが、県立高校で出来なかったいろいろな経験をさせてもらったこと感謝している。そしていつか私が問題視した諸々が改善され、もっともっと良い学校になることを密かに願っている。

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ずいぶん違うよね(国際学校の特徴)

2023年01月28日 | 学校生活

 先週学校の授業について記事をUPしたが、考えてみると今の学校のことを詳しく書いたことが、まだ無かった。

なので、今回はNew ISの特徴について説明しようと思う。

 これが理科の教室、雑居ビルの2階にある

 岩田学園ニューインターナショナルスクールオブジャパン(New IS)は2001年に創立、現在は3歳児から12年生(高3生相当)までを教育するカリキュラムを実施している。在学しているのは、在留外国人家庭の子女、国際結婚された家庭の子女。実は日本人家庭の子女も多数いる。

この学校をはじめ、多くのインターナショナルスクールは、学校教育法第一条に規定された学校ではない。つまり各種学校ということになる。なので、文科省の定める学習指導要領による制約はなく、独自の教育を展開できるのだ。

特徴その1「二言語教育」 

 授業は、英語と日本語の二言語で実施する。スコットランドの「卓越へのカリキュラム」に従い、テーマに基づいてカリキュラムを組んでおり、教材はそのカリキュラムに合わせて準備される。約20人の児童に対して2人の教員がチームティーチングで臨み、クラス全体での学習や個人で進める学習(センターやプロジェクト)を組み合わせている。

 ※センターとは、教員が一つのテーマに関連した複数の課題を用意し、生徒に自由に選ばせ学習させる形式

  プロジェクトとは、生徒がテーマに関連した課題を自身で設定し、探究し、成果を発表する学習形式

 というわけで基本二言語なので、私はふだん日本語で授業を行っているが、日本語がチョー苦手な生徒に対しては英語で説明することもある。

特徴その2「マルチエイジ教育」

 児童生徒は、Aクラス(プレスクール3-5歳)、Bクラス(1-3年生)、Cクラス(4-6年生)、アッパースクール(7-9年生)、シニアスクール(10-12年生)と5段階があり、各段階では3学年合同のクラスが組まれ、授業が行われる。

アッパースクールの理科の授業風景(中1-3相当の生徒が一緒に学ぶ)

学校のHPによると、「これは構成主義の考えに基づいた教育であり、子ども達は体験に基づいて知識や理解を構築し、教師から学ぶと同時に子ども達同士から学び、学年レベルという従来からの制約に妨げられることなく進歩できる」らしい

そんなわけでアッパースクールの授業は今までの高校生に行っていたのとは大分勝手が違う。特に7年生なんてほとんど小学生だから、騒いでやかましいヤツなんかもチョロチョロいて大変! それでもSuさん、以前小学校に出前授業を行っていた体験なんかを活かしながら、なんとかやり繰りしている。

 来週からは2月、いよいよ転職6カ月となるが、この学校に慣れるまではまだまだ時間がかかりそうだ。

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2学期の選択科目

2023年01月22日 | 学校生活

 11月末2学期がスタート、年末年始3週間の休みをはさんで授業再開し2週目となり、ようやく新しい授業が軌道に乗って来た感じ

 以前にも書いたが、(授業開始)この学校では基本的に午前中は必修科目、午後からは各教師が自由に設定する選択科目が展開される。

前回すーさんが設定した科目は、無機化学2コマ、有機化学2コマ、昆虫学2コマ、中国語1コマ、ベトナム語1コマの計5講座だった

ベトナム語は自分も初心者だけど、生徒と一緒に勉強した

理科の3講座は、今までの授業の焼き直しで大丈夫と思っていたが、この学校では講義形式は好まれず、生徒主体で学ぶ形が推奨されているので、生徒が自分の力で調べれるように方法を工夫するのが意外と大変だった

 そこで今回の科目設定のポイントは「生徒が自力で学習を進めやすい」ことに決定

 化学計算(濃度など)2コマ、基礎熱力学(ボイルシャルルの法則など)2コマ、小論文研究2コマ、新聞研究1コマ、以上計算や作文などの作業が主体の講座を4種類つくることにした。講義+探究型の授業は、発生学一つ(2コマ)だけ、授業の準備に大分余裕が持てるようになった(ラッキー)

 今週は学校のFacebookとInstagramに宣伝材料を提供しろと言われたので、基礎熱力学の授業を撮影。

まずは暖かい空気を封入したボトルが、その後どのように変化するかを観察

空気は冷えるにつれ体積が減少し、ボトルは激しく変形する

シンプルだけど面白い現象を見た後、このような現象に関連した法則を私が解説

 

理解したら早速計算問題に取り組む

日本の普通の学校のように、単純な計算を繰り返し繰り返し行う経験が少ない生徒たちなので、とっても大変そう

でも自分の力で難問を解くのは気持ち良いみたいで、授業後はみな満足そうな表情をしていた。こちらもちょっと嬉しい

とりあえず2学期はこんな感じで進んで行くのかなー

 

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秋学期終了

2022年11月26日 | 学校生活

すーさんの新しい勤務先・New International School of Japanでは、8月26日に学期が始まり(秋学期)、昨日11月25日に学期が終了した。

なんか、フツーの日本の学校と全く感覚が違うが、確か台湾の語学学校でも8月ー11月が1学期だったような記憶がある。

ちなみに本校の学期はこんな感じ、

秋学期:8月26日~11月25日、冬学期:11月28日~3月17日、春学期:3月27日~6月22日

とりあえず、授業計画立案→授業実施→評価 の1サイクルを経験したことで、また少し学校に対する理解が進んだ気がする。

 フツーの学校と異なるところは多々あるが、評価について一番衝撃的なことは、考査が無いこと

生徒に対する評価は、授業の出席、発言・発表、ノート、提出物などを材料として行う。しかも点数評価ではない!

一瞬ビビったが、考えてみれば日本の公立高校でも、総合学習などは評価を文章で示していた。

ということで、すーさんすぐに適応

学期当初に設定した教育目標と照らし合わせて、①目標を十二分に達成したレベル、②目標をほぼ達成したレベル、③目標にまだ届いていないレベルの3レベルを表現できれば良いらしい。例えば基礎化学だとこんな感じ(以下はイメージで、現実に使用したものではありません)。

レベル①周期表と元素について、表の構造や元素の名称などの重要事項を把握しています。また、物質をつくるイオンについて、イオン式と名称に関する知識を非常によく習得し、実例を15例以上明示します。化合物について、動画資料をもとに探究活動を行い、15種類程度の物質の特徴や用途を説明する力を身につけています。

レベル②周期表と元素について、表の構造や元素の名称などの基本事項を把握しています。また物質をつくるイオンについて、イオン式と名称に関する知識を習得し、実例を10件程度明示します。化合物について、動画資料をもとに探究活動を行い、10種類程度の物質の特徴や用途を説明する力を身につけています。

レベル③周期表と元素について、表の構造や元素の名称などの基本事項を把握しています。また物質をつくるイオンについて、イオン式と名称に関する知識を習得し、教師の支援を得て実例を5件程度明示します。化合物について、動画資料をもとに探究活動を行い、級友の助けを得て5種類程度の物質の特徴や用途を説明しています。

評価の文言は適切な語彙を用いないといけないので、予め担当の先生にチェックを受け不適切な部分は添削してもらった。

 やってみて大事だなーと思ったことは、1.最初の教育目標の設定をしっかり行い、どのような課題(ディスカッション、レポートなど)を課すかをしっかり計画すること。2.課題をどのように評価するか見通しを持っておくこと。

 今回は初回だったので、こうやれば良かったのにーという反省点が多々ある。次回にはうまく改善していくつもり。

60才を過ぎて、未経験のこと始めるのは大変だけど、やっぱり新しいことに挑戦するの楽しーなー

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異文化な日々

2022年11月01日 | 学校生活

秋深し、10月も終わり11月に突入! すーさんは相変わらず疑似海外の学校で、フシギな日常を過ごしている。

10月20日は、ピクニック&フィールドデイ

これは体育祭的な行事。本校には校庭が無いので、郊外の都立公園へでかけて行ってゆるーい一日を過ごした。

小学生から高校生まで一緒になってチームをつくり、競技を行っていく様子にビックリ!

高校生が意外にしっかりチビっ子たちの面倒を見てくれて、ほのぼのした雰囲気に包まれていた。

 10月28日は、ハロウィーン仮装の日☆

先生も生徒も仮装して授業する様子にこれまたビックリ!(新入りのすーさんは、流石にまだ仮装ムリ)

 そして、翌日10月29日から11月6日までは、秋休み9連休!(土日4日を含め) 

 日本の学校だったら、秋休みは3日しか無いし、授業は無くても教員には勤務義務がある。しかし、本校では生徒が登校しないときは勤務義務なし

 ここまで3か月、さすがのすーさんも色々な新しい体験で結構へばってきた。少し休みつつ授業の予習を蓄積し、休み明けに備えようかなと思っている。

久々に横芝に帰ると、子猫が歓迎してくれた

 

 

 

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