'14. 新生「なでしこ」 若返りの効果は？

　　新たな司令塔に成り得るかが鍵となる　 

　　楢元光に寄せる、高まる期待感。

　これ迄の「なでしこ」のゲーム・メイキングをしてきたのは⑧宮間あや・⑨川澄奈穂美であった事は周知の通り。そして今回は欠場している田中陽子でもあった。
それらの流れがこのアジア競技大会で変ろうとしている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　田中陽子と共に私が早くから期待していた
⑰楢元光が、この大会では「なでしこ」の司令塔と
してクローズアップされています。佐々木則夫として
は初めての（？）まともな采配であると素直に認めま
しょう。
　彼女の良さは、ゲームの展開を的確にとらえられる
というところでしょう。そして正確なパス回しも特徴と
云えますね。
　川澄奈穂美の驚異のスタミナやスピード、田中陽子のシュートの決定力、宮間あやの絶対的なパス能力と経験値には、まだまだ及ばない面が有るのは、悲しいかな、認めざるを得ないところですが、潜在能力は確かなものです。彼女に必要なものは経験を積み上げて行く事。前の大会では若さと経験不足が出た為か、途中降板を余儀無くしてしまいましたけれど、あれも成長の糧としていい経験になったと思います。あとは、先輩のお姉さま達の信頼を得て、いいコンビネーションを築き上げる事でしょう。大丈夫ですよ。次世代の「なでしこ」を牽引して行くのは彼女、楢元光なのです。

　『若返り』という面から招集メンバーを見てみると、実はそれほど若返ってはいない様にも思えます。１８歳が２人、２０歳が１人、２３歳が４人。そのうち１８歳の⑫増矢理花は今月１４日が１９歳の誕生日。つまり１８歳最後の日が、初代表選手の初試合（出場機会が有れば）となるわけです。年齢は違いますし嘗ての川澄奈穂美程とは言いませんが、結構『化ける』要素が有ると思わせる選手の様です。　
　その⑫増矢理花の他には同じく１８歳の⑯羽座妃粋、２４歳の⑮臼井理恵が初の代表入りですが、この二人に出場機会が訪れるかは些か疑問です。それよりも気になるのはＧＫの⑱山根恵里奈の方でしょう。前の大会では日本人離れした身長１８７㎝を上手く生かしたプレーをしていたので、今回も･･･と考えてしまいます。①海堀あゆみ選手はに全幅の信頼を抱く事が出来ませんので。

　当然の事ながら⑧宮間、⑨川澄、両選手は無くてはならない人。後はと云うと、③岩清水、⑥阪口と云ったところでしょうか。②有吉はまあまあ･･･か。
⑩高瀬と⑦中島はどうでしょう、何故選出されたのかが疑問のままですね。
　総じてチームとしてはかなりアンバランスな構成になっているのは否めません。「なでしこ」の将来を見据えた底上げ…と云うのが第一義とするのならば、もっと異った構成も考えられた筈。いつもながらの、佐々木則夫の選手起用の誤りがいつもの様に出てしまった…と云う事なのでしょう。

　最後に一言付け加えるとすれば、田中陽子、田中美南、堂本、京川の不在が惜しまれてならない･･･と云う事です。それでも楢元光を中心として、川澄・宮間のお姉さま達が新生「なでしこ」を上手くまとめてくれるでしょう。
　　「どうか頑張って下さい」としか願う言葉は有りません。