気の向くままに junne

不本意な時代の流れに迎合せず、
都合に合わせて阿らない生き方を善しとし
その様な人生を追及しています

(‘77) 7月2日(土)#2 コンドイ浜の夕陽

2023年07月19日 | 日記・エッセイ・コラム
夕食を私とショーコは早めに食べて、コンドイ浜へ急いだ。言うまでもない。夕陽を見る為だ。前に西桟橋からの夕陽は見た。それで今日はコンドイ浜に腰を下ろして…と云う事になったのだ。爽やかだった。夕陽が落ちるのを見ながら、取り留めもない話をしていた。今にも陽がその姿をすっかり隠そうとしている頃、すぐそこ迄来ている夜の世界を知らせる様に、涼風が吹き始めていた。
「…そっか〜、二人共明日帰っちゃうんだ」
「ねェ、ジュンはいつ帰るの?」   「そうね〜、いくら粘っても、あと一週間がいいとこかなぁ。仕事が待っているし、元々ブランクを利用しての八重山渡島だったしね。帰れば帰ったで、其の為の準備期間も要るから…何処から何処迄が仕事なのか、判らなくなる事もたまにはあって、だから、オフになったら静かに家でおとなしくしてなんか居られなくなっちゃう。それでリフレッシュしてみんなの許に戻って行く、『元気〜?』ってね。仲間には迷惑掛けられないじゃない」
「そう…色々気苦労があるのね」    「ねえ、小浜さんとはルームメイトって言ってたでしよう、もうどのくらい一緒に居るの?」
「一年ぐらいかなァ…」
「ヘェ〜、結構長いんだ。この先もずっと?」
「う〜ん…わかんないなァ…」
「どちらかが先に結婚する迄?」
「アッハハハ…、結婚?」
「うん」
「どちらかが先に?」
「そう」
「フフフ、それは無いと思う。その前にきっと別々に暮らしているようになってるわ」
「ふ~ん、そうなんだ」
「そうよ。いくら仲良くてもね、家賃とか何とかで都合がいいからだしね」
「大変だものね」
「そう、大変よ」
ルームメイト…私の知らない世界の物語り。そう、ショーコはまさにそんな世界から現れたのだった。私が感じた新鮮さは、そこに由来しているのかも知れない。

どれだけの時が流れていたのだろうか。泉屋に戻ると宴会は丁度盛り上がりを見せていた。私達はこっそりとみんなの中に潜り込んだ。暫くすると、今日帰路に着く為石垣へ渡った高知のオバヤンから電話が掛かった。別にこれといった用事は無く、楽しく過ごせたとかの内容を私に伝えるものであった。またいつか会ってみたい気がする。
さて、宴会。今日は頗る気分が良かったので、いつもになく泡盛を多めに飲んだ。気分の良さとは裏腹に飲みすぎた泡盛のせいで、なかなか眠れなかった私であった。

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