1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【2188話目】拙僧、来年、還暦を。気力、体力も多少衰えを。父が60歳を超えた頃「聞く耳のない者に話をするは疲れる。これからは、誰でも彼でも、という訳にはいかんだろうな。」と。今、その気持ちが。

2021-06-12 09:21:45 | 法話

他宗の老住職さんが「金剛寺さんよ。聞く耳のない者に、自分が努力して改善しようとしない者に、話(説得)をするは、とても疲れる。わしも60代後半までは、気力も、体力もあり、積極的にこちら側から声を掛けていたが。昨今、衰えてきてな。申し訳ないが、自ら足を運んで来た者だけを、相手する事に決めた」と。

【追伸】この老住職の気持ち、拙僧にも大いに納得するところあり。わが寺は30年以上、四国巡礼に。父が60歳を半分超えた頃からだったかな、「あなたも巡礼のご縁を受けんかね」と誘う父の言葉が、プッツリと鳴りを潜めた。訳を聞くと「自主的に参拝しようという人は、初めから心掛けが違うから、手を取る事が殆どない。が、こちらが誘って来られた人は、物見遊山の心があるから、自主性が欠け『ああしなさい、こうしなさい、旅行じゃないんだよ』と、全て指示せにゃならんから、大変疲れる。若い頃はそんな事、何ともなかったが、この歳になるとな」と。拙僧も来年還暦を迎えるにあたり、この父の気持ちが、少しはわかる気がする。





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