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1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 銀行というところは、支店長によって対応の仕方が、かなり違いますよね。わが寺は、よか支店長に縁があり、大変助かりました。

2023-10-26 17:35:26 | 法話

【 これは昨年の4月中旬頃に投稿した法話です。昨今、檀家さん達の間で結構、銀行に対する不満が出ておりますので、この話が何かしらの参考になりますれば 】


読者が「番組『ダウンタウンDX 』で出演者が、銀行に小銭を大量に持って行ったら『幾らあるか数えて下さい』と言われたとの事。住職のところはお賽銭があるでしょ。どうしてるの」と。「そんな事を言ってくる銀行はあるとは聞いてはいましたが、拙僧がお世話になってる信金は、入金手数料は取られますが『数えろ』とまでは、ないですよ」と。


この読者が「数えろ、と言われたら、どうしますか」と。「数えなくてもよい銀行に、移るかもしれないね。結局、銀行側は煩わしいのかな。『数えろ』なんて言われたら、頭にきて他に持っていくだろう、と、もしかしたら、そう思ってるのかもね。ただ、そうなれば、顧客を失うというリスクも。仮に、小銭を数えて持って行ったとしても、銀行はまた、数え直しをするでしょ。その日の業務終了後に1円合わなくても、夜中までその1円の行方を探すと、拙僧知人(高校時代の友人)の銀行員が言ってたよ。『面倒臭いから、誰か1円出しとけや』では、済まんらしいよ」「という事は、銀行側は、面倒臭いからそう(手数料、数えて来い)した、に落ち着くのか」と読者が。

 

因みに、銀行といえば、20年程前にこんな話が。檀家の爺様が癌に。先を心配して爺様が、預金を全て婆様名義に。間もなくして、婆様が痴呆に。この夫婦には子供も、遺産相続者もいないので、戸籍と婆様の診断書を持って拙僧、爺様を連れて銀行に。すると支店長が「奥様直筆の委任状がないと、どうしようもないですね。キャッシュカードを作っておれば、私達も見て見ぬ振りが出来るのですが。こういうお金が銀行には沢山あって、我々も困ってるんですよね」と。これには流石にカチンときて「カードでの引き出しを、見て見ぬ振りが出来るのなら、通帳で降ろしてやってもいいじゃないですか。こういうお金があって困ってるとは、どういう事ですか。この様なお金(お客の預金)を運用して、あなた達はご飯を食べてるんでしょうが」と。が、結局、受け入れられず、爺様「自分が一生懸命働いて、女房と2人で貯めてきたお金なのに」と泣いて拙僧に。結果、亡くなるまで、100円降ろすのにも、司法書士に書類を書いてもらい、裁判所に提出し、認可をもらって銀行に。以後、わが寺の檀家お年寄り達には「全て普通預金にして、キャッシュカードを作り、信頼出来る人に預けておきなさい」と指示を。最近は少しだけ、緩和されたみたいですけど。これじゃ、箪笥預金は減らないよね、金利も安いし。


某銀行本部次長さんに拙僧、講演会を依頼された特、その次長さんに「銀行の名前は言えませんが、こんな事(上記の話)があったのですが、次長さんならどうされますか」と尋ねると「私なら黙って、お金を引き出してやったかな。但し、日本銀行にその事がバレたら、責任問題になりますが」と。「そうなんですね。銀行側も色々と大変なんだ。だけど、上に立つ人(対応する人)によって、融通を利かせてくれる人もおられるんだ」と。すると、話ついでにこの次長さんが「昨今の銀行を、住職はどう見てますか」と。「そうですね、拙僧父の時代(40年前)は、支店長に融資の権限が。が、今ではほとんどが本部決済。拙僧が融資を依頼した時も、通るまでには、かなりの時間が。お金は人間の体でいうところの血流。この血流が悪くなったら、病気に。支店長に融資の権限が与えられていた時代の方が、街は元気だった様な気がしますよね。映画『踊る大捜査線』で、青島刑事役の織田裕二さんが『事件は会議室で起こってるんじゃない。事件は現場で起こってるんだ』と言ったセリフは、世間に向けての風刺だったんじゃないかな」と。この会話をした頃から、20年以上経ちましたが、今はどうなん(銀行対応)でしょうね。


これは余談ですが、ドラマ『半沢直樹』を見た時に拙僧、大学時代(40年以上前)を思い出しました。バイト先で縁あった金融業の社長さん(その方は、任侠界の人)が「わしらは弁護士が出てきたら、悔しいが引くしかない。が、最もエグいは銀行だよ、山本君(拙僧の事)。平気で掛けた梯子をはずして、根こそぎ回収していきよる」と。檀家の中にもそういう仕打ちを銀行からされた人が、過去に何人(自営業者)かいましたね。勿論、全ての銀行がそうではないと思いますよ。拙僧が世話になった信金の支店長さんは、常に庶民の味方をしてくれてましたもんね。


次回の投稿法話は、10月30日になります。