続・社長のつぶやき

社長・高田純二が世間を鋭く斬る!!

さらばピアノ・・・2。

2008-12-14 23:39:57 | 社長の日記
これはパート2なので願わくばパート1からお読み下さい。

*今回はこの曲をBGMでお読み下さい。


前回書いたように、私の最愛のピアノ「パフくん」とお別れしたのだが、本当に辛いのは弾き終わって「さよなら・・・」ではないところだ。

次に新しいピアノを買うので「パフくん」は某楽器屋さんに処理(悲しい言葉だ)してもらうことになっているのだ。

その楽器屋さんは言う。

「なるべくバラバラにして持ってきて下さいネ!!」

「アンタ、鬼か!?」

愛する物・・いや、者を捨てるだけでも辛いのにバラバラにせよだぁ?

オー、ジーザス・・・

しかし、あちらさんにとっては血のかよわない「物」なのだ・・

ああ、読んでくださっている人の中にも同じ想いの人もいるかもしれない。

そうさ、オレは愚かなお人よしさ!!
誰も理解してくれなくてもパフはわかってくれてるさ!!

でも仕方ないから泣く泣くパフくんを解体することに・・・


解体する私の背中に男の哀愁が漂う・・・か?

今までピアノを移動するときだってこんなにバラバラにしたことはない・・・

このパフ・・・「PF1200」は当時としてはスグれモノでスピーカーも足元と上面の4箇所付いてて、しかも音源がいい。
当時としてはYAMAHAのエレピはピカイチだった。

そう、その音の良さのホレて買ったのだ。

しかし、そのぶん重い・・・

想いも重いが、持つのも重い・・・
想い出の数だけ重いが普通に重い。

そこで、一人でも持てるぐらいにまでスピーカーまで取り外した。

ああ、これでもうパフはついに二度と音が出なくなってしまった・・・

そして運ぶ為にトラックの荷台に乗せた。


パフよ・・ここがお前の最後のステージだ

トラックに乗せられ、高田家をあとにする我が愛するパフ・・・
もう戻ることはない・・・

そして荷台にゆられ某楽器店に連れられていくパフ。

本当にこれしか方法は無かったのか?

最後に弾いたときにはそれまで悩まされていた不具合が全く出ない。
鍵盤のkeyもなぜかスムーズに動いていた・・・
まるで別れたくないかのように・・・

目をつぶり弾いているとそれまでの想い出が走馬灯のように駆け巡る。

しかし、もう後戻りは出来ないのだ・・・

その決断をしたのは他でもない私なのだ。
しかし、たとえようのない悲しみがこみあげてくる・・・

ついに某楽器店に到着してしまった。

本当にお別れのときだ・・

楽器店の人と所定の場所に下ろされるパフ。

冷たい雨が降ってきた・・・

なごり雪ならぬ「なごり雨」・・・

楽器が本当はさらしてはならない雨の中、もう音を鳴らすことが出来ないパフは静かに置かれた。



もう会うことは出来ないが、お前は私の心の中に一生、生き続けるだろう。

お前には本当にお世話になった。

ありがとう、パフ
お前のことは忘れない・・・

さらば、パフ!!

そして、私は一人、後ろ髪を引かれる想いをしながらパフのもとを去った。

雨はいつしか上がったが、私の中の雨は降り続けたままだった・・・

できれば私もパフの傍に体育座りして一緒に連れていかれたい。