「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのかー有料座席列車導入は鉄道活性化のカギ

こんにちは。大塚良治『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)で鉄道活性化策を提言しています。

「NPO法人交通まちづくり戦略会議発足記念シンポジウム」が開催されました

2014-08-09 10:35:24 | 日記
皆様、こんにちは。

2014年(平成26年)7月15日(火)19時00分~21時10分、「NPO法人交通まちづくり戦略会議発足記念シンポジウム」が開催されました。

初めに、当法人理事長の春田啓郎 由利高原鉄道株式会社代表取締役社長による基調講演を行いました。



講演要旨は以下の通りです。

「社長としての基本的な考え方」
・(鉄道は)単なる交通機関ではなく、地域にとって貴重な財産であり観光資源。
・一度手放したら二度と手に入らない。
・現在ない地域に作りたくてもつくれない。
・地域の方に乗ってもらうだけでやっていければよいが、秋田県ではとても無理。
・外からお客様に来てもらい、この地域にお金を落としてもらい、地域活性化とセットで取り組む。

「この3年間で取り組んだこと」
・IT戦略の実施と首都圏応援団の結成
・物品(グッズ)販売と他の第三セクター鉄道との連携。
・地域のあらゆる会合へ参加することで、幅広い人間関係を構築。
・会議体の明確化と議事録の作成(週1回 課長会議 月1回 社内会議 企画会議)。
・昇職内規の策定。万年平社員では社員のやる気は生まれない。「主任」に昇進させることで家族にも喜ばれて、本人もやる気になる。
・台湾鉄路管理局平渓線との姉妹鉄道締結。

まとめ:鉄道会社は鉄道ファンを毛嫌いしてきたが、SNSなどを使って無料で宣伝してくれる大切なお客様。ファンの喜ぶ施策を実施して増収を図りたい。マスコミは経常損失の絶対額を喧伝しがちだが、当社の経常損失は年々縮減傾向にあることに注目してほしい。

後半は、当法人理事4人をパネリストにお迎えしたパネルディスカッションに移りました。コーディネーターは私が務めました。春田社長とイーグルバスの谷島社長が講演会で同席されたのは初めてとのことでした。お二人は共に東急観光に在籍されていた間柄です。



各パネリストの発表概要は下記の通りです。

谷島賢 イーグルバス株式会社代表取締役社長「路線バス改善3年モデルと地域おこしによる路線バス維持の取り組み 包括政策モデルをめざして」
・ダイヤ最適化による改善・・・『路線バス事業の見える化「1.運行の見える化」「2.顧客の見える化」「3.コストの見える化」』+『改善過程の見える化 PDCA継続改善サイクル」。
・ダイヤ最適化システムの具現化・・・「運行データ取得システムの開発 第1世代乗降カウントシステム→第2世代乗降カウントシステム→第3世代乗降カウントシステム→第4世代乗降カウントシステム(GPSと乗降センサーによる運行データ取得)」。
・見える化ソフトの開発・・・GPSと乗降センサーによる運行データ取得→データ集計・表示・分析→シミュレーション→運行ダイヤの最適化。
・路線バス改善のステップ・・・PDCA3年継続改善→バス事業者の努力(創意工夫「高麗川団地お出かけ支援バス」「ときがわ町でのハブ&スポークスバス停による路線バス再編」「東秩父村での路線バス事業再編」など)。
・生活路線バスに外客を呼び込む・・・「東秩父村和紙の里ハブ化による包括政策モデル(観光産業による雇用創出、観光客誘致による活性化、交通再編による利便性アップ、ハブ施設機能による生活利便)」。
・ハブ停留所(観光案内所、郵便局、コンビニ、クリニック、調剤薬局の併設)の連携による広域サービス強化。

上野理志 NPO法人四日市の交通と街づくりを考える会理事長「誰もが自由に移動できる 安心して安全に暮らせる街を」
・近鉄内部・八王子線の存続問題をきっかけとして、Facebook「近鉄内部・八王子線同好会」を立ち上げ、この同好会を母体に「NPO法人四日市の交通と街づくりを考える会」を設立。花植えやウォーキングイベント、シンポジウムを開催し、内部・八王子線の存続を後押し。
・鉄道が元気にならないと街が元気にならない。 郷土愛に乗った活動で鉄道を残す。
・四日市がナローゲージの珍しさに気付いていなかった。内部・八王子線は絶対に四日市の観光資源になる。

野田隆 一般社団法人日本旅行作家協会理事「これまでの活動」
・女性ファンは食事など違った嗜好がある。
・大人の休日や青春18などが中高年に人気がある。
・鉄道旅行の魅力を発信することが、より多くの人たちが鉄道に目を向けるきっかけとなる。

パネルディスカッション終了後、フロアから多くの質問が寄せられ、盛会のうちに無事終了しました。

NPO法人交通まちづくり戦略会議は今後も講演会の開催を計画しています。また、鉄道再生や路線バス新設の支援事業も幅広く展開していきたいと考えております。

皆様の温かいご支援をお願い申し上げます。


※シンポジウム開催概要および出演者プロフィールについては、以下の記事をご覧ください。

「7/15(火)NPO法人交通まちづくり戦略会議発足記念シンポジウムを開催します!」

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