浄土平にゅ~す!!

福島県の吾妻山にある磐梯吾妻スカイライン・浄土平の最新情報やビジターセンターからのお知らせなど、スタッフによるブログです

アキアカネの話

2007-08-15 | 動物・虫
写真:ムシカリの実とアキアカネ

こんにちは!八月に入りましたね。福島市では連日30℃を超える猛暑で、とても暑いです。私はこの暑さに参っていまして早く冬がこないかな~、と待ち遠しくてなりません。しかし昆虫達はこの暑さにも負けずに、特にセミは一日中鳴いているのでとても感心です。一方、浄土平は市街地とは異なり、暑いことには変わりないのですが感じ方がやっぱり違い、一言で言えば「さわやか」な暑さ、なんですね。
 さて今回ご紹介する昆虫は、トンボ科アカネ属のアキアカネです。ちょうど今の浄土平ではこのアキアカネがたくさん見られます。なぜ急にこんなにアキアカネが大量発生するの? 夏なのになんでアキアカネなの? などと、気になる人も多いはず。それではお答えしましょう! 
 まず、「アキアカネ」という種名は秋にしか見れないからではありません。生活史をたどるとその事がよく理解できるでしょう。アキアカネは5、6月に平地、低山地でヤゴから羽化し、しばらくはその周りの雑木林などに留まり、ある程度仲間が増えてきたら、約一週間かけて大移動のための餌を食べて長旅に必要なエネルギーの蓄積を行います。そして、十分体力がついたアキアカネは群れをなして低地から高標高の高原や山岳地帯へ大移動します。なので標高の高い今の浄土平ではたくさんのアキアカネが見られるのです。その後、秋雨前線の通過と同じ時期に今度は引き返して里に帰ります。そして里に帰ってきたアキアカネ達は交尾をして稲刈りが終わった田んぼや池などで産卵して一生を終えるのです。ちょうどこの頃、里でアキアカネの群飛が見れることからアキアカネと名づけられました。
 似たトンボでナツアカネというトンボもいるのはご存じでしょうか?見た目はアキアカネとほとんど変わりないのですが、ナツアカネのほうが若干小ぶりです。体の色もほとんど変わりありません。大きな違いというと生活スタイルが異なり、アキアカネは夏に高標高地、ナツアカネは夏の間もずっと里で暮らしています。このことでナツアカネと呼ばれるようです。           (くわ)

和名:アキアカネ
学名:Sympetrum frequens
目:蜻蛉(トンボ)目
科:トンボ科
体長:60~70ミリ

BESは見た!!

2006-08-20 | 動物・虫
浄土平で働く自然公園財団浄土平支部のBES(Beautification Escort Staff)がスカイラインや浄土平周辺で目撃した珍しい生き物などを紹介するコーナーです。

7月18日(火)浄土平湿原内でカルガモ親子に遭遇。
7月20日(木)酸ヶ平にてオコジョに遭遇。写真撮影に成功。好奇心旺盛らしく自ら近寄ってきました。
7月22日(土)、23日(日)出勤時に微温湯(ぬるゆ)登山道でクマを目撃し写真撮影に成功。
7月29日(土)ノウサギに遭遇。閉館直前ビジターセンター玄関にやってきました。
8月1日(火)微温湯登山道にてクマを目撃。ほんの10m程の距離だったのでとても迫力がありました。
8月2日(水)夜にスカイラインをドライブ中に吾妻スキー場付近でタヌキに遭遇。
8月6日(日)一切経山付近にてオコジョを目撃(お客様情報)
8月6日(日)浄土平湿原内にて狂い咲きチングルマを発見。通常では6月中旬頃の開花が普通ですが間違って咲いたようです。
8月7日(月)吾妻小富士にてミヤマシャジンを発見。急斜面にて咲く薄紫の綺麗な花に感激しました。
8月9日(水)スカイラインを夜間走行中に白樺の峰付近にてクマが目の前を横切る。一瞬、ビックフットに遭遇したと思いましたがよく見ると子供のクマでした。
8月11日(金)スカイラインを夜間走行中に天狗の庭付近にてカモシカに遭遇。

以上、7月、8月の「BESは見た!!」を紹介しました。
みなさんからの目撃情報もお待ちしております。  

ノウサギを見た!

2006-07-29 | 動物・虫
浄土平湿原で出会ったノウサギ

今年はどういうわけか野生動物を見かける機会がとても多いです。
毎日浄土平へ通勤している職員でさえ今までほとんど見たことがなかった
クマ、オコジョ、キツネ、ノウサギなどを頻繁に目撃したり、
写真撮影にも成功しています。

山の食料が不足しているのかも知れない、などと想像していますが
なぜか? という理由についてはよく分かっていません。

野生動物を見かけても決して食べ物を与えたり、無理に近づこうとしたり、
追いかけたりしないで、遠くからそっと見守ってくださるようお願いします。

トンボの群れ

2006-07-26 | 動物・虫
梅雨明け間近、下界では蒸し暑い日が多くなってきました。

夏、浄土平周辺では下界の暑さを逃れるため
トンボがたくさん集まってきます。
7月下旬の一切経山頂などはトンボの大群がびっくりするほどの数!
(写真は分かりにくいと思いますが、この画面にも100匹くらいのトンボが写っています。一切経山頂にて)

大部分はアキアカネという、秋に山麓で「赤とんぼ」として見られる種類です。
秋近くになるとふたたび平地に下りて産卵し寿命を終えます。

※磐梯朝日国立公園の特別保護地区となっている浄土平周辺で昆虫採集はできません。



クマを撮影

2006-07-22 | 動物・虫
浄土平周辺でクマの目撃情報が多数寄せられています。

なかには「すぐ目の前を横切った」「親子でいた」という情報もあり、今回ビジターセンタースタッフも遠くから写真におさめました。

遠くても、真っ黒いため存在感があります。今回見られたのは大人のツキノワグマで、大きな石も軽々とひっくり返していました。

人への被害は出ていません。浄土平周辺はもともとクマが生息する地域です。
突然間近で遭遇しクマをびっくりさせてしまうようなことがなければ襲われることはまずありませんから、遠くで見かけても慌てることなく、そっと見守ってください。

不幸にして事故等が起こらないよう、登山者・来訪者に情報提供したいと思いますので、目撃された方はビジターセンターまでご一報ください。

クマが目撃されています

2006-07-19 | 動物・虫
浄土平周辺でクマが頻繁に目撃されています。

写真は、浄土平湿原の木道からすぐ近くに点々と見られる
クマが掘り起こし食事をした痕跡(白い○のところ)。

人への直接の被害は出ていませんが、
クマとばったり遭遇する可能性もないとはいえません。
十分ご注意ください。

これはなに?

2006-01-14 | 動物・虫
ビジターセンターのPCを整理していたら見つかった「これはなに?」画像シリーズ第2弾。
昨年6月上旬、谷地平付近の池塘にいっぱいありました。鳥子平などでもたくさん見つかる水中の長いヒモ状の物体、その中に黒い粒々(?)が。半透明の寒天のようなものは長さ5m以上にもなるそうです。ぜひ野山で実際に探してみましょう。

答えは、春の再開館以降、ビジターセンターのホワイトボードに展示しておきます!

これはなに?

2005-12-05 | 動物・虫
浄土平は冬期閉鎖となり、ビジターセンターのパソコンに溜まった画像を整理していたらこんな画像を発見!!
今年の5月30日、鎌沼付近の登山道でスタッフが発見したモノです。

・・・分かりますか?
ノウサギの足、だと思います。足の先だけ転がっていたそうです。たぶん、キツネなど他の動物に襲われたんでしょうね。
“吾妻の雪うさぎ”もダイナミックな生態系のなかに生きています。
浄土平周辺を登山・散策していると、こういった動物の死骸などを見かけることがけっこう多いですよ。

なお、浄土平ビジターセンターの冬期連絡先にもなっている
吾妻・浄土平自然情報センターは、冬季も原則無休で 9:00~17:00 開館しています。
スタッフによるブログも始まりましたので、よかったらご覧ください。

「吾妻・浄土平自然情報センター」のブログ
http://joudo-nic.cocolog-nifty.com/

ヤマネの冬眠

2005-10-15 | 動物・虫

紅葉が美しいです・・・。これも日本の四季あってのもの。赤や黄色の葉が落ちた後には当然“冬”という季節が待ち構えている。
知っての通り冬はとても寒い、寒くて寒くて植物達は葉を作るなどの生産活動をやめてしまう。となるとそれを食べる動物達はエサがなくなる。さあ困ったぞ!。。。というわけで暖かくなるまで寝てしまおう!・・・というのが冬眠の一つの理由。う~ん・・冬の間ずっと寝てるなんて素晴らしく羨ましい話だ。しかし冬眠中は体温を急激に下げ、心拍数も急激に減らし、いわゆる“仮死状態”になっているらしい。これはまったく羨ましくないぞ・・・
 浄土平付近にたまに出没するヤマネも冬眠します。主な冬眠場所は樹洞、樹皮の裏、落ち葉の下などで、体を丸めています。その姿を見て“まりねずみ”という地方名がついています。
 なかなか愛らしい姿をしたヤマネですが、その生態は変わっています。まず平均気温が9度になると冬眠し、なんと冬眠時の体温は0度になるらしい。そして驚くべきは、気温がマイナス7度になると一たん冬眠から目覚め、もっと暖かい冬眠場所を探すようです。寒いから寝床を変えただけなので当然の行動だと思いますが、寒すぎるとほとんどの動物は仮死状態から目覚めることなく死んでしまうのです。
春になり、平均気温が再び9度以上になると活動し始めます。なので一年中寒い地域では半年以上冬眠している個体もいるようです。また、山の近くの民家では布団の中にもぐりこんでくるそう・・・あぁ、ヤマネと一緒に寝てみたい・・・ (須田っち)

カミキリムシ

2005-08-21 | 動物・虫
カミキリムシといえば、松食い虫で有名なマツノマダラカミキリ、イチジクの木につくゴマダラカミキリあたりを連想するかと思います。まぁ一般的に害虫というランクづけをされているかもしれません。
 しかしこのカミキリムシ、日本では900種近くいて、とても美しい種類もいて生態も様々。花粉を食べるもの、葉を食べるもの、花を食べるもの、幹を食べるもの、ハチに擬態しているもの、はたまた鳥のフンに擬態しているものもいます。

 日本を代表する美しい種でルリボシカミキリというのがいますが、ある時僕が昆虫を探して広葉樹の木材を見ていたら、
「…んっ?なにやら青いカミキリが歩いているではないか!!」
それはもう動く宝石。もう完全にその輝きに骨抜き状態、それが初めてのルリボシとの出会いでした。平地から山地まで生息し、広葉樹の立ち枯れや、木材の上を這い回っているのを見ることができます。

 コブヤハズカミキリという種類が浄土平周辺でたまにみることができます。この仲間は非常に変わっていて、とても体が硬く珍妙な形をしています。しかし体を硬質化させるかわりに下の薄いほうの羽が退化し飛べなくなりました。しかも上の硬い羽は左右くっついて離れないという変わり者。秋になると草木のしおれてカールした葉の中に入り込み、葉ごと地面に落ち、その中で冬を越すという独特な生態。それなので秋にはしおれた葉のついた草木を叩いてコブヤハズカミキリを落とす「コブ叩き」なる採集方法があるのです…。
 僕の休日の9割の時間を占めているカミキリはとても魅力のある生き物だと思います。また多くのカミキリムシに出会うということは、食べ物である植物を知る必要があり、その植物がどんな環境に生息しているか知る必要があり、というふうに自然環境そのものを知ることができるのです。う~ん素晴らしい!!

☆主なカミキリ観察ポイント
●花・・・日中、花粉を食べる種類が集まります。色彩の豊かな種類が多い。ミズキ・クリ・ノリウツギ・リョウブなど白くて細かい花に多い。
●貯木場・製材所・・・産卵、交尾のため集まる。樹種、時間帯によって見られる種類が違う。
●立ち枯れ・・・産卵、交尾のため集まる。樹種、時間帯によって見られる
種類が違う。
●光・・・夜行性の種類が集まる。時間帯によって種類が違う。

(ファーブル須田)