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【自然公園財団 浄土平支部】 浄土平にゅ~す!!

福島県の磐梯吾妻スカイライン・浄土平の最新情報、イベントのお知らせなど、自然公園財団 浄土平支部が管理しているブログです

カミキリムシ

2005-08-21 | 動物・虫
カミキリムシといえば、松食い虫で有名なマツノマダラカミキリ、イチジクの木につくゴマダラカミキリあたりを連想するかと思います。まぁ一般的に害虫というランクづけをされているかもしれません。
 しかしこのカミキリムシ、日本では900種近くいて、とても美しい種類もいて生態も様々。花粉を食べるもの、葉を食べるもの、花を食べるもの、幹を食べるもの、ハチに擬態しているもの、はたまた鳥のフンに擬態しているものもいます。

 日本を代表する美しい種でルリボシカミキリというのがいますが、ある時僕が昆虫を探して広葉樹の木材を見ていたら、
「…んっ?なにやら青いカミキリが歩いているではないか!!」
それはもう動く宝石。もう完全にその輝きに骨抜き状態、それが初めてのルリボシとの出会いでした。平地から山地まで生息し、広葉樹の立ち枯れや、木材の上を這い回っているのを見ることができます。

 コブヤハズカミキリという種類が浄土平周辺でたまにみることができます。この仲間は非常に変わっていて、とても体が硬く珍妙な形をしています。しかし体を硬質化させるかわりに下の薄いほうの羽が退化し飛べなくなりました。しかも上の硬い羽は左右くっついて離れないという変わり者。秋になると草木のしおれてカールした葉の中に入り込み、葉ごと地面に落ち、その中で冬を越すという独特な生態。それなので秋にはしおれた葉のついた草木を叩いてコブヤハズカミキリを落とす「コブ叩き」なる採集方法があるのです…。
 僕の休日の9割の時間を占めているカミキリはとても魅力のある生き物だと思います。また多くのカミキリムシに出会うということは、食べ物である植物を知る必要があり、その植物がどんな環境に生息しているか知る必要があり、というふうに自然環境そのものを知ることができるのです。う~ん素晴らしい!!

☆主なカミキリ観察ポイント
●花・・・日中、花粉を食べる種類が集まります。色彩の豊かな種類が多い。ミズキ・クリ・ノリウツギ・リョウブなど白くて細かい花に多い。
●貯木場・製材所・・・産卵、交尾のため集まる。樹種、時間帯によって見られる種類が違う。
●立ち枯れ・・・産卵、交尾のため集まる。樹種、時間帯によって見られる
種類が違う。
●光・・・夜行性の種類が集まる。時間帯によって種類が違う。

(ファーブル須田)

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サルによる「食害」

2005-08-05 | 動物・虫
写真:樹皮を食べるニホンザル(2005.7.30撮影)

2003(平成15)年ころから鳥子平周辺でオオシラビソ(マツ科の常緑針葉樹)の立ち枯れ被害が報告されています。樹皮がすべてはがれ、立ち枯れてしまった樹木は百数十本に上り、被害は磐梯吾妻スカイライン周辺から高山の東斜面にまで広がっているようです。森林管理署、環境省、県が現地を調査した結果、歯形などからニホンザルによる食害と断定され、周囲約400平方mを定期的な観察区域に設定しました。
サルが樹皮を食べることは珍しくありませんが、立ち枯れさせるほどの食害は全国的にも例がないとのこと。ニホンザルは近年温暖化が進んで生息しやすくなり、数が増える傾向にあるようです。人里近くまで来たサルが畑の作物を食べるなどの被害もありますが、寒く住みにくい場所にまで活動範囲を広げ、高山植物などにも手を出すようになれば生態系にも影響を及ぼす心配があります。

スカイラインを走行中にサルの群れに出会うこともよくありますが、決して餌を与えないでください。サルが人に慣れ、食べ物欲しさに人や車を襲撃するようになる危険性があります。

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吉兆虫

2005-07-29 | 動物・虫
いや~、縁起の良い名前の虫です。昔はこの虫の羽をタンスに入れておくと、福が来る、お金が増えると言われていたようです。
おそらく誰もが一度は本で見た事があるのではないでしょうか?吉兆虫とはタマムシのことです。一般的にタマムシといえば赤、青、緑の縦線模様の大型種を思い浮かべると思います。この種は主に低地のエノキに発生します。
タマムシの仲間の多くはとても日光浴が好きらしく、暑すぎて他の昆虫が出てこれないような時に最も活動的になります。産卵のために訪れた伐採木の上やエサとなる葉っぱのうえで静止しているのをよく見かけます。
浄土平周辺で最も多く見られるのが「エサキキンヘリタマムシ」という中型種。これがまたとってもキレイ!!グリーンメタリックな輝きが体長13ミリの体をとても大きなものに見せている(ように僕は感じます・・・)。とにかく最初発見した時はとんでもない発見をしてしまったんじゃないかと思いました。(写真は浄土平ビジターセンターに展示してあります。)
このエサキさん、天気のいい日にミヤマハンノキ、ダケカンバの葉の上で静止していたり葉っぱを食べています。
みなさん標高1600mのここ浄土平で“福”見つけてみてはいかがですか? (須田っち)

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