:〔続〕ウサギの日記

:以前「ウサギの日記」と言うブログを書いていました。事情あって閉鎖しましたが、強い要望に押されて再開します。よろしく。

★ ポーランド巡礼-5

2008-08-25 11:47:12 | ★ ポーランド巡礼記

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 ポーランド巡礼
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第一幕 第三場

第一景 「クラカウ市内」 第二景 「ディビノアモーレ」


巡礼だからと言って、健全な見物(観光)を拒むものではないらしい。
巡礼の詳細を立案してくれたワルシャワの神学校の院長は、実に物分かりがいい。
このガイドのお姉さんのあとについて、旧市街を案内してもらうことになった。
ポーランド人の彼女のイタリア語が文法的にきわめて正確であることは、
外国人の私にはかえってよく分かる。正確さを期する余り、時々どもったようになるところが御愛嬌だ。
まず、背後の地図では彼女に向かって左肩のところにある馬蹄形のお城に出かけた。



お城の入り口では、クジャクの羽根飾り(ちょっと見えにくい?)が帽子についた民族衣装の辻音楽士のお出迎え。
小銭のチップに気前よく、はいポーズ!



お城の中の写真は、惜しげもなく全部カットして、次は市の中心の広場へ。
(この辺りも駆け足で通り過ぎますが・・・)

聖マリア教会。入口のお乞食さん、酔って寝ていては、商売になりませんな~。
用意の小銭、ここには落ちませんでした。



正面の祭壇のヨーロッパで一番大きなお厨子は、彫りもの師にクラカウ市の一年分の税収が支払われても、
誰も文句を言わなかったというほどの見事な出来栄えだった。市民社会の信仰と繁栄のシンボルだったのだろう。



広場に面した別の教会の壁では、リジューの聖テレジアのこの油絵が目に留まった。
同じ1枚の写真にイメージを求め、世界中の教会に無数にあるこの構図の絵。実は、手の位置、顔の表情が一枚一枚違うのだ。
若いころ自分も模写を試みたことのある絵だが、この一枚が特に気に入った。
じっと見てください。控え目ながら、そこはかとなく色気が香ってきませんか?



今はもっぱら観光用だが、かつては紳士淑女の実用的なお乗り物だったに違いない。
たくさん撮った中では、これがまあましな方かな?



パンを売る人買う人、共に無名のお年寄り。 右はお馴染み、カード占いの老婆。あなたの結婚運は・・・



これは何だ? 同じ広場に不思議な花のポールが・・・



おっといけない!道草が過ぎた。先を急がねば。

町の見物の後、神学生たちは、各ホームステー先で持たされた紙袋入りのランチを公園で食べて、
そのまま10数キロの道をディビノアモーレ「神の憐れみ」の聖地まで、徒歩で巡礼を進めるることになっていた。

私は、外出を控えて休息を取っておられた平山司教様と昼食を共にするために、あの修道院へと急いだ。
一休みして、あとから車で神学生たちに追いつく手はずになっているのだ。

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そこには古い修道院があった。若いシスターがひとり、急ぎ足で出てきた。
横からでは表情がフードに隠されていて見えない。
その顔を見たいものだと思うのだが、彼女、馬鹿に足が速い。
これでは、追い抜いて、先の方からさりげなく振りかえることなどできそうにない。
一目見たさの一念で、短い脚を交互に動かして、後れてはならじと、ひたすらあとを追った。



私は、後足で立って短い手を前に延べ、いい匂いのあとを鼻で追う漫画のネズミ状態よろしく、
惹かれてどこまでもついていった。
どうやら、向こうの円筒形のモダンな建物に向かって急いでいるようだ。
そして、予想通り彼女はその巨大な建物の裏口に消えた。



えいっ! ままよ!! とばかり、厚顔無恥にも自分も続いてそのドアを押して中に入った。
すると、どうだ! 彼女はつけられているのを知っていたのか、くるりと振り向いて、
にっこり笑ってこちらに手を振った。



この黒いヴェールと白いカラー!実によく似合っているではありませんか。
日本では半世紀も前に、この手の個性的な修道服が一斉に姿を消してしまった。
今はどこのシスターさんたちも似たり寄ったり。みんな簡単な被りものと、
ブラウスにひざ下15センチほどの色気のないスカート姿。

修道会ごとの個性も特徴もあったものではない。色もたいがいグレーか茶色?
どこかの掃除のおばさんみたいで、ちっとも美意識に訴えない。
私の姉(彼女も修道女)など完全な世俗服、ヴェールさえ付けているのを見たことがない。

それが、ポーランドではまだ、1965年に幕を閉じた第二バチカン公会議以前の伝統が、今も元気に生き残っていたのだ。
実に新鮮な感動を覚えた。



彼女は英語ができた。だからすぐに打ち解けた。(ポーランドでは意外によく英語が通じる。)
そして、なんと、思いがけない打ち明け話を聞かせてくれたのだった・・・。

では、皆さん、今日はこの辺で。さようなら。
どうぞ、続きをお楽しみに。

 つづく 

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