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主夫の徒然なるままに

(続)脳梗塞で緊急搬送 義母の場合



 老人施設で1か月ほど前、朝食のあいだに突然に体の不調をきたし、救急車で総合病院に搬送された。脳梗塞ということで、カテーテルの緊急手術を実施したが、高齢のために失敗した。(詳しくは=<脳梗塞で緊急搬送 義母の場合>のブログで)

  最初に搬送された病院は、急性期の病院、つまり通常のケガや病気を治すための普通の病院である。この急性期病院では長期入院ができなく、通常2週間程度で転院する必要がある。ある程度自立できる場合は、リハビリテーション病院などへ転院する。さらに重傷で、 在宅や老人施設などで療養や介護できない場合は、療養型病院に転院するようである。

 急性期病院では、2週間の入院後、転院するので、どの病院に転院するか至急知らせてほしいとのこと。満床の療養型病院もあり、いくつか転院可能な病院を紹介してくれた。その中から近距離の病院に決め、そこに話を聞きに行くことになった。

 説明にきた係の人は、丁寧に説明してくれるが、面会は、月曜から金曜までの1時から4時までとのこと。働く妻にはこの面会時間はきびしいものだと伝えると、「看護師の数が少なくて、土曜日日曜日の対応ができていない」と説明された。「もう、死ぬまで会えないかもしれない」と妻が小声で言った。何度も「人が足りなくて」と聞くと不安に思い、他の病院もネットなどで調べてみたが、結局、「近い」と言うこと、転院可能ということで、この病院に転院することになった。転院する2日前に、尿路感染症で、高熱が出たのでさらに入院が必要という話になった。寝たきり状態の場合、尿路感染症になりやすいと説明を聞いていたので「やはり」と感じてしまった。さらに入院期間が長引いた。

<ネットでお借りしている病室の写真>

 その間に老人施設の退所の手続きや部屋の片付けなどをする。退所を決めた日から1カ月が退所の日になると説明をうける。1カ月の施設代が必要となる。

 そうこうしているうちに、義父の体調が悪化、こちらも検査入院ということで、病院に入院。一週間程度で退院かと思っていたが、状態が悪く退院は延期となった。

 入院から2週間、さらに2週間の延長後、転院が決まった。病室に行くと、鼻からチューブで栄養をとっていたが、苦しいのか、大きな声で「アー」「ガー」などと叫んでいる。苦しいのかとたずねても反応はなく、20~30分間ずっと大声で叫んでいた。可愛そうであった。介護タクシーに乗り、出発する。眠ったようである。
 ところで、介護タクシーは結構な値段がするのに驚いた。ストレッチャーなどの福祉用具のレンタル費用なども含まれているので通常のタクシー代よりもずいぶんと高価になるそうである。



<ネットでお借りしている介護タクシーの写真>

 療養型病院に到着し、医者からの説明を受ける。
 前の先生から詳しい情報は得ていると話し始める。ここは、療養型の病院であり、家族からの強い延命希望がなければ、自然な状態で見守る病院であることを強調した。口から物が食べられないということは、本来、「死」を示しているけれども、鼻から栄養を与えたり、それも難しなった場合は、点滴で対応するとのこと。現代は、胃に穴をあけての胃ろうなどはしなくなっている。その他、ミトン(手袋)の使用や介護柵などの身体拘束などが必要になる場合があるので承諾書にサインが必要、その他、輸血の了承書など数枚のサインを求められる。また、夜間では、50人の入院患者に対し2人の看護師が巡回するそうで、2時間に1回の巡回で緊急事態の対応に限界があること、また、看護師不足のため土曜日日曜日の面会ができていないと説明があった。
 
 最後のダメ押しとして、この病院での平均入院期間は6カ月であることを表情も変えずに淡々と話した。ベッドの上で身動きもできず、食べることもできず、一日中横になって過ごすのは、可哀想である。しかし、認知症が重いので、今自分が入院していることも忘れるのが救いでもあろうか。余命6カ月と宣言されたと感じた。

 その他、こまごましたことを看護師から教えてもらい、病院の出口へ向かう。4人から6人のベッドがカーテンもせず並んでいる。ほとんどの患者が、ただ、寝ているだけである。一人だけテレビを見ている患者がいた。静かな世界であった。


 インドの風景を思い出した。
 インドのバラナシ(ヴァーラーナシー Varanasi)では、死期が近づいている年取った母親を家族が連れてきて家族と数日間過ごす。数日間とは、死が来るまでの期間である。その後、薪で火葬し、ガンジス川に流す。ある意味、幸せな最後かもしれないとつくづく思った。


 











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