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主夫の徒然なるままに

毎日の夕食作りに奮闘する主夫の独り言

英語・英語・英語(5) 

2023年08月04日 | 英語・英語・英語
「全国学力テスト」の結果が発表された。英語は4年ぶりの実施ということである。特に今回は、スピーキングが導入されたということで問題を解いてみることにした。
 高校受験を経験した生徒にとってはそう難しいレベルではないと思われるが、中3生の1学期に実施されると高得点は難しいかもしれない。多面的な角度から英語の問題を解かせようという意思がありありと感じる。
 
 中3受験生の最終段階では、リスニングや自由英作文、現代的な話題、IT関連の問題などいろいろな角度から問題演習と対策を行うので、戸惑うことは無いと思われるが、中2終了段階では、正答率46%程度であることに納得する。ただし、早い段階で、英検3級や準2級の勉強してる生徒であれば目新しさは少なく高得点ができるのではないかと想像される。

 近年、生徒学生たちの国語力の低下が問題視されているが、この英語テストの問題を見ていると、読解力のない生徒たち、つまり、質問の意味や英語問題が読めても内容が理解できない生徒たちには、難しいテストかもしれないと思った。まずは、設問を理解しているかどうかのパーセンテージを知りたい。けれども、新自由主義的教育方針である現在の教育、つまり、できる子はどんどん伸ばしていこうという雰囲気では、問題を読めない生徒、読解力のない生徒はそのまま置いてきぼりであろうと感じた。

 スピーキングテストの結果は、12、4%の正答率である。ある日突然、英語で意見を言え、それも1分考えて、20秒以内でと言われたらやはり英語環境にいつもいる生徒かその手の訓練をつんだ生徒以外は難しいのは当然であろう。それにしても、生徒全員がICTのおかげで、話す英語の能力を個別に点数化できるのには驚いた。が、採点は、だれがしているのだろうか、AIがするようになるのだろうか。採点基準は、発音の正しさ、流暢さ、文法の正しさ、内容の高度さなど明確であり、それをもとに判定しているのだろうか。個人的に、英語の発音と流暢さでは、私よりはるかにじょうずと思われる生徒がいたが、話している内容が低レベルすぎるという場面も多々あった。昨年度始まった東京都のスピーキングテストでも採点基準の問題は尾を引いているようだが、しっかりと公開してもらいたいものである。イチロー選手の英語を聞いたが、まるで日本語英語だった。しかし、内容はすばらしかった。いったい、彼の英語は、何点として採点されるのだろうか。


 日本人の英語能力を国際語学教育機関「EFエデュケーション・ファースト」(本部・スイス)の順位表で表すと

 2011年 11位   
  → 2015年 30位  
   → 2018年 53位 
    → 2022年 80位 

 英語をこれだけ勉強させられて、112か国中 80位には驚かされる結果だ。しかし、よくデータを見てみると日本人の英語力が下がっているのではなく、世界の国別英語力が上がっているので、相対的に日本の位置が下がっていることがわかる。ただし、日本人の年齢別英語力では、40代以上では、過年度より多少上回っているのだが、30代以下では、過去の英語力よりも下がっている。ゆとり教育が悪いのか、アンチゆとり教育が悪いのか、早期小学生英語学習が問題なのか。検証が必要だと思う。それにしても日本人に英語を強制すればするほど英語嫌いが増えているのかもしれない。

 さて、英語スピーキングテストの悲惨な結果を見て、中学校では、どんな対策をとるのか心配である。塾業界は、これこそチャンスと多額の授業料がみこめる英語スピーキングテスト対策に奔走するのは目に見えてくる。
 
 不思議の国の英語対策。英語のスピーキングできれば、豊かな日本になるのだろうか。英語のスピーキングでお金持ちの家庭を築けるのだろうか。



 

















 

英語・英語・英語(4)

2023年03月27日 | 英語・英語・英語
 英語を中学生に教えていると必ず質問される問いがある。「なぜ、英語を勉強しなければならないのですか?」「なぜ英語の先生になったのですか?」

世の中の多くの英語の先生たちは、どのように答えるのだろうか興味津々である。

 私もいろいろな答え方をしてきた。
 「なぜ、英語を勉強しなければならないのですか?」の代表的な例として、

 (1)一番説得力があったかと思う答え。
 もし君が社長で優秀な人を雇いたいと思う時、どうやって選ぶか。国語が優秀な人?数学が優秀な人?図工が優秀な人?音楽が優秀な人? 勉強なんか全然しないのに数学が超得意な人も多い。そういう人を雇いたいですか。英語の勉強は、コツコツと単語を覚える努力が必要、暗記力も必要、読解力も必要、人前で発語したりするコミュニケーション能力も必要。英語の勉強は、コツコツ力と覚える力、文章を理解する力、文章を書く力、文章を発する力など多面的な力が必要。そういう人を雇いたいと思いませんか。大半な生徒が納得、勉強の努力、英語の努力は必要だと理解する。

 ただし、今となって考えれば、英語ができるのは努力した人だけではない。現在、親の仕事の関係で海外で過ごす子供も多く、日常会話に不自由しないだけの帰国子女も多い。そういう英語力なのに、つまり、たいした努力もせずに英語ができるだけで一流の私立大学に入学しているのをみると、この意見はひっこめなくてはと思う。

(2)「グローバル化やIT化で英語の必要性は非常に高い」ということは誰でも知っている。でも、あなたのお母さんやお父さんは、どれくらい英語を使っている。お父さんが帰宅したら、「 I'm home! 」と言っている?(生徒[笑])「Welcome back!」 というお母さん見たことがある?(生徒[爆笑])ちなみに、英語では「ただいま、おかえり、いただきます」などにぴったりする表現はないのだよ」(生徒[へ~本当?])「私の経験でも、アメリカで食事に招かれて、いつ食べ始めるか、困ったことが何度もあった。(話がそれると生徒は集中して聞く、授業も同じようにちゃんと聞いてくれ!)

 ほとんどの人が日常的に英語を使っていない。でも、入試には文系理系の両方とも必ず英語が必要、なのはともかく、外国の映画も出版物も、インターネットの記事も必ず誰かが素早く翻訳してくれるのが日本であり、明治からずっとそうであった。知らない概念や科学用語も日本的に作り出し、日本人全体に素早く流布した。

 つまり、英語が必要と言うより、世界の文化を理解、最新の情報を理解することが必要。ただし、英語ができなくても英語の考え方、さらにいろいろな外国の考え方を知る必要性は高い。白人は偉くて、中国人やインド人は下の国と思っている中学生が今でも多いが、そういう考えを自分の目で見て接して、考えなおすことは非常に大切であり、また、楽しい。
 私自身も英語を知って一番楽しかったことは、アジアの人々と接することができたこと。みんなも、少しの英語を理解し、自分の目で見て、世界を考えてほしい。見に行ってほしい。そのために英語は必要(とかっこよく言い切る!)


 なぜ英語の先生になったか?

小学校5年生の時、英語の塾に行かされた。5月くらいの入塾だったので、基礎なしで英語を開始。で、まずはじめに、「beautiful」を教わった。「ビューティフル」と聞いたら、「美しい」と思ってはだめ、「ビューティフル」と聞いたら美しいものもを感じること、と教わった。はっきり言って、何言っているのという感じだった。何度もさぼって、最後、親から怒られて押し入れに隠れて泣いた。英語塾をやめた。

 中2の時、先生が英語の音源をもってきて、「はい、みんな、よく聞くように」と言って教科書の英文をネイティブが読むテープの英文をきいた。なんのコメントもなく、ただ、ながされるだけだった。上の空だった。

中3になった。英語が全く分からなくなった。誰も言葉としての構造を教えてくれなかった。ただ、暗記して、暗記して、テストは、90点前後はとっていた。その結果、少し複雑な文章になって、単なる暗記では中3の英語は、太刀打ちできなくなった。参考書を買った。少しレベルの高い参考書だったが、何とか学校の授業にはついていけた。

 地区ナンバーワンの公立高校に入学した。まったく英語が無理となった。基礎をしっかり学んでいないところに高校英語を理解しろと言うのが無理。通知表で2を取った。実力テストで英語偏差値38を取った。ショックだった。無理やり暗記に暗記をかさね、高3では通知表4、偏差値も60に届くくらいになった。
 同志社大学の入試英語問題の長文は、6頁くらいあった。サッパリの出来だったが、社会の問題はやまがあたって満点の自信があった。合格した。

 いろいろあって、世界を歩いた。帰国し、よくあるパターンで、塾の先生になった。ネイティブ風発音で英語を教えた。みんな、「この人何言ってるの」
という顔なので、日本語英語風に発音を変えた。みな、理解してくれた。ただし、私自身には、ネイティブ風発音は戻ってこなかった。

 英語を中学生に教えていて感じたことは、中学校では相も変わらず、慣れるように英語を学んでいることだった。英語の言語としての構造、日本語との違い、英語の最も大事なポイントを教えられずに、みな英語を学んでいた。私自身が英語が不得意であった理由、努力もした、暗記もした。でも、不得意だった英語。何をどのように教えることで英語をよく理解できるようになるのか、そこを最重要ポイントにして英語を教えた。英語が得意科目になる生徒が多くなった。ただし、「英語だけじゃだめ!」だということも何度も強調した。

 問:なぜ、英語の先生になったのか。
 答:英語が不得意だったから、英語の勉強に何が足りないのかを知っている。だから、そこを教えたかったから。



 英語・英語・英語(5)につづく。
 



<主夫の作る夕食>
青梗菜と山芋に鶏肉、中華風、美味!
玉ねぎと豚肉のオイスターソース炒め。


<感動映画・ビデオ>
とにかく感動!立ち向かう姿がカッコイイ。
















英語・英語・英語(3)

2022年11月30日 | 英語・英語・英語
 東京都の高校入試で、スピーキング能力を測るテストESAT-J(イーサット・ジェイ English Speaking Achievement Test for Junior High School Students)が実施された。東京都のHP(https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/school/content/esat-j.html)にて問題が公表されている。
 3つほどピックアップしてみる。

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 ※読みテスト2つのうち、一つ。

 ※簡単に答える問題のあと、絵の内容を英語で解説する問題

※英語で聴いて英語で答える問題

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  個人的な感想でいえば、英検3級に少し英検準2級をプラスしたレベルと思う。テストにかかる時間は、けっこう長めで、中学生には、負担は大きいかもしれない。配点は20点。配点が少ないので、録音した回答をフィリピンまで送って採点するほどでもないかと思ってしまった。

合格(約60%)
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 塾講師の経験からすれば、対策はけっこう簡単。自由英作文の考え方と同じで、数十の例文暗記で事足りる。まったく<考えるという作業>がない会話なので、これで英語が話せるようになる、とは決して思えない。このあたり、中学生に誤解してほしくない英語能力だ。

 マハトマ・ガンジーの言葉、
何百万人もの人に英語の知識を与えることは、その人たちを奴隷にすることである。」
をやはり思い出す。英語を話す人種に従う(隷属する)英語力のある人間を育てる、日本の全国民に!

 グローバルな社会にとって英語の能力は必要である。同じく、コンピューター社会にとって三角関数や指数・対数関数の能力は必要である。ただし、どちらも全国民である必要はない。

 小学校の英語の授業を参観したことがある。よく考えられた授業で誰でもが楽しそうに英語を使って生き生きとしている。しかし、これは、公開されたこの一時間の授業であり、これを継続していくには、子供たちの勉強への努力、語学を自分のものにする努力が必ず必要とされる。強制的に覚えさせなければならない部分、単調な反復作業も必要である。語学へのセンスも必要とされる。できない子、嫌いな子、むかない子、興味がない子が増えてくる。英語嫌いが蔓延する。小学校の英語授業が始まったころ、塾の小学生に聞いたことがある。「小学校の英語、楽しいかい?」3分の2の子供たちが、「英語が嫌い」と答えた。「英語のプロが教えないから」かとも思っていたが、英語のプロが教えても時間とともに英語に興味を失っていく子供は増えてくる。

 「無理やりに叩き込む」たのしい英語授業を長く続ける講師のスキルが求められる。

 東京都の英語スピーキングテストは、全国に広まるのであろうか。英語の奴隷をもっと増やす国になっていくのだろうか。




<主夫の作る夕食>
5分で作れるタモさん流「あられ豆腐」を作ってみた。美味しかった。
豚肉と小松菜のオイスターソースいため。五穀米ご飯。

















英語・英語・英語(2)

2022年10月19日 | 英語・英語・英語
 英語特区というの初めて耳にした。岡山県総社市の幼稚園・小学校・中学校で平成26年度より始まっているらしい。平成4年度、対象校園にてオープンキンダーガーテン(公開保育参観)とオープンスクール(公開授業参観)が開催され、募集がかけられている。幼稚園で親しんだ英語を切れ目なく、小中学校に連続させる目的が基本のようである。(人口減、過疎化の防止の役目もあるようだが)

 北九州市では、スペースワールド跡地にアウトレットが誕生したが、その一角に KITAKYUSHU GLOBAL GATEWAY という施設がオープンした。英語に浸ることのできる学習施設で、国内2番目という。韓国へよく旅行した20数年前、プサン近くに英語村が開園したことを知った。英語だけが通用する学習施設の一種であった。当時は、韓国も英語が通じにくく、若者に英語で話しかけてもなかなか通じないので困ったことあった。インフォメーションなどで英語で質問すると日本語で答えが返ってくるなど笑ってしまう状況だったが、以降、韓国の英語熱は凄いことになっている。子どもに海外で英語を学ばすために、妻子を海外に住まわせ、父親は韓国に残って生計を支えるという「キロギ・アッパ(雁のお父さん)」と呼ばれる父親が家族別居問題の存在などがあるが、国家の存亡をかけて英語力の増強に力を注いでいる。

 幼稚園から小学校、中学校、そして高校へと英語を学ばせて何を目的としているのであろうか。私が学んだ、また、教えた英語は「高校・大学に入るため」のものであった。決してバイリンガルな国際人を育てたいと思ったわけではない。幼稚園、小学校から教える英語、英会話の危険性は、私が40年前、大学生の時に読んだ「イデオロギーとしての英会話」の問題提起そのままである。現代の公立学校での英語は、当時の白人・中流家庭のイメージ(=イデオロギー)で英語を習う位相からはずいぶんと遠くへきており、アジア人やアフリカの黒人英語教師なども公立学校で増えている。修学旅行などもロンドンからシンガポールなどに変更して、英語体験させている私立中学なども知っている。しかし、基本となる英語学習から作られるイデオロギーは当時のままで、米英諸国の優越性により英語話者にたいする劣等感の増幅を招きつづけている。英語ができないことで2流国民とレッテルを貼られてしまう危険性がある。あなたは親としてどちらを望む? <英語の話せる幼児・小学生>、<ちゃんとした日本語を話せる幼児・小学生> おなじく、<英語が話せて、まともな日本語を話せない高校生・大学生・社会人の我が子>を望みますか?

 幼稚園から英語というこの国に次の文章を読んでもらいたい。
  -- 永井忠孝著「英語の害毒」のあとがきから -- 

『次の一節は、インド独立の父、マハトマ・ガンジーの言葉である。

 何百万人もの人に英語の知識を与えることは、その人たちを奴隷にすることである。 マコーリー[インド監督庁次官]が築いた教育制度は、我々を奴隷にした。(中略) 裁判所に行きたければ英語を使わなければならないというのは、つらいことではないか? 弁護士になったら自分の母語を話すことが許されず、他の人に自分の母語から通訳してもらわなければならないというのは、つらいことではないか? これは全くばかげたことではないか? それは我々が奴隷だというしるしではないか? こんなことになったのは、イギリス人のせいだろうか、私自身のせいだろうか? インドを 奴隷化したのは我々英語を使うインド人だ。この国の天罰は、イギリス人にではなく我々にくだるだろう。
(Mahatma Gandhi, India of my dreams, Rajpal) 』



※表題の写真
私の教室でも外国人による英語授業を実施していた時期がある。もちろん生徒募集のひとつの手段としてである。講師はフランス人で公立の小学校でも英語を教えていた。子供の扱いは上手であった。>

英語・英語・英語(3)に続く









<主夫の作る夕食>
鯛の塩焼き、ちょっと焦がしたがうまかった!

 
 

英語・英語・英語(1)

2022年09月17日 | 英語・英語・英語
 来年の高校入試で、東京都はスピーキング能力を測るテストESAT-Jを導入するそうである。ESAT-Jは、English Speaking Achievement Test for Junior High School Studentsの略称で、テストは「A:英文を読み上げる」「B:質問を聞いて応答する・意図を伝える」「C:ストーリーを英語で話す」「D:自分の意見を述べる」の4パート で構成される。
 英語の4技能「読む、書く、聞く、話す」の能力を上げることを最近の英語教育の中での重点を置かれてきた。英語でのコミュニケーション能力を上げようという試みのなか、最後の「話す」能力をテスト化することでより皆が自由に英語を話せるようになるという目的である。

 1980年代以降、塾講師として英語を教えてきた中で、福岡県の入試問題は、いろいろと変化を見せた。当初は、単語力や発音問題、そいて文法問題と長文とは言えない短い文の長文問題を解かせるものであった。塾がまだ一般的でなかった時期は、この程度でも大きな学力の差があった。学校の英語の先生の説明をきいて問題練習をして高校入試に臨んだ。発音の問題など誰も教えてくれないのに当然のように高校入試の問題の中に登場することが不思議であった。ちなみに、福岡県の英語長文問題は、B5のたて3分の2程度でその下に多くの単語の日本語訳が付けられていた。福岡県の私立高校の英語長文は、その2倍から3倍程度長さで、大問2問で問われることが多かった。また、神奈川県の公立問題の長文は、福岡県の4倍程度の長さがあり、県によってこれほどの差があるのにおどろいた。

 さて、その後、リスニング問題が登場する。塾では、「数字や日付、名前」をメモっておこうと指導した。それほどゆっくりとした英語リスニング問題であった。平成になってくると、リスニング問題にメモを取ることはやめるように指導した。それほど早いペースのリスニングになっていた。リスニング問題の明確な指導もなく、ただ、何度も聞かせるだけの授業では、記号を適当に答える生徒が続出した。ポイントを押さえた指導もなく、ただただ英語を聞かされる。大半の中学生は、そこでリスニング問題を捨てる。塾での指導方法は、英語特有の話し方の特徴を日本語でしっかりと説明することと英文を速読する努力を惜しまないことを教える。練習問題は2度流す。ただし、リスニング練習は、集団指導塾にとって大敵である時間の浪費が壁であった。

 さらに英作文が入試に登場した。それも自由英作文である。作文を書くには、単語力、文法力がなければ、書けない。そこで、中学で学習するすべての文法を終えてから英作文の指導にあたることになるが、難しいコツはない。自由英作文では、正しい英語の順番に気を付け、知っている単語と文法で解決できる。それも、20くらいの少し長い例文の暗記でたいていの問題は解決する。自由英作文というこんなに間の抜けた問題で、英語力を判断できるのかと思って指導していた。


 そいて今度はスピーキングだ。難しいといえども英検準2級程度の2次試験レベルであろう。対策はそうむずかしくはない。自分の知っている単語と文法で勝負できる。例文暗記は、100程度の短い英文で大丈夫であろう。塾での対策は、完璧となるであろう。

 

 そこで思うのだが、英語4技能能力を増すために中学の英語授業時間を増やし、ましてや小学校の英語科目を必修化という変革してきた。惜しみない努力を教師も生徒にもしてきたが、日本人の英語レベルは、どうなったか。
 2011年度より実施されている「EF EPI 英語能力指数」という判定基準によると、2021年の日本の順位は、昨年の100ヶ国中55位から大きく下がり、112ヶ国・地域中78位に。調査開始以来初めて、全参加国・地域中、下位3分の1のグループに位置する結果となったそうである。世界4位のシンガポール、18位のフィリピン、28位のマレーシア、近隣では32位香港、37位韓国、49位中国という結果である。

 不思議である。日本中が、「英語、英語、英語」と叫んでおり、幼稚園から英語に慣れるように英語幼稚園や塾に通わせ、小学生からは授業へ、中学では、文法用語をなるべく使わずに英語を教え、高校では、授業を英語で行う。その結果が、日本人の英語能力は下位レベル。ある意味、英語を教えて、「英語嫌い」「英語わからない」を大量に増やしているだけではないか。

 英語・英語・英語(2)に続く。




<主夫の作る夕食>
マーボナスをソースから作ってみた。やさしい味が心地よい!
大根がだいぶ安くなったので、サラダに!