<スマトラ沖大地震・インド洋大津波>タイ;津波被災者支援のための署名活動

被災コミュニティーの土地を奪い、リゾート開発を目論む投資家、地方行政の動きに対して、「NO!」と言いましょう!

「トラン県ホテルオーナー、カジノ建設を提案」5.1

2005年05月01日 14時24分35秒 | ▽▽▽タイの津波記事▽▽▽
「トラン県ホテルオーナー、カジノ建設を提案」
Phuucatkaan 2005/5/1

観光・スポーツ省のSomsak Theepsutin大臣は、3日火曜日の内閣会議の場で津波記念博物館建設に関し、予算的問題を含めた詳細案を提出する。タイ政府観光庁とPlootprasop Surasawadii氏が代表を務める津波記念館設置委員会は、パンガー県タクアパ郡カオラック周辺において、以前建設候補として挙がっていたハートレックと海軍戦艦が打ち上げられた土地を候補地としていたが、ハートレック周辺の200ライの土地を建設地として選出した。後者の土地に関しては、個人所有地であるため、もしその土地を選出する場合、土地購入費用として5億Bahtが必要となるため、不要な無駄使いであると判断した。予算としては、以前設定していた15億Bahtから減少し、建設費用10億Baht、デザイン費用5000万Bahtの、合計10億5000万Bahtで、今年12月26日に建設開始を式典を行う予定である。建設に関する予算、そして責任は文化省が担当し、タイ政府観光庁は単にアドバイザーとしての役割を担う。Somsak氏は、南部被災6県を視察し、先週末にはプーケット県において観光事業主達らと問題点や提言に関する会議に参加している。その会議の際、トラン県のホテル経営者の1人Pitak Rangsiitham氏が、タイ国により多くの観光客を牽引するため、トラン県の島もしくは海岸沿いにカジノを建設する案を述べた。カジノなどに関して詳しい内務省下の賭博局(註;名称不確か)が監督し、建設と運営は私企業の入札方式とする案である。「今年7月には香港でディズニーランドがオープンし、多くの中国人観光客を呼び寄せるだろう。シンガポールでも現在、マーリーナーベイとセーントーサー島におけるカジノ建設案が承認されており、マレーシアの一大カジノ資本が参入している。このような中で、単に自然のみを売りとしていては、タイ国への新しい観光客を呼び寄せるチャンスを逃すことになる。」と彼は述べた。
 Somsak氏はこの点に関して直接的には解答しなかったが、アンダマン海側被災6県観光の復興に関して2つに分けて対応する意見を述べた。第一のグループはプーケット、クラビー、パンガーの3県で、復興に関してはPR活動を同時並行的に実施し、残りのラノーン県、トラン県、サトゥーン県に関しては、観光開発案を提出し、他県との連携を強めた観光路線を進め、観光資源に関する情報を観光客にPRしていく。

「<インド洋津波>被災者向け住宅巡り、野生動物『共存』問題」5.1(スリランカ)

2005年05月01日 13時57分14秒 | ▽▽▽タイの津波記事▽▽▽
「<インド洋津波>被災者向け住宅巡り、野生動物『共存』問題」5.1(スリランカ)
毎日新聞 5.1

 インド洋大津波の被災地スリランカ南部のハンバントタ郊外で、被災者向け恒久住宅の建設を巡り問題が浮上している。周辺で象などの野生動物の生息が確認され、夜間には建設現場に出没。住民が移ってくれば「共存」が困難になるのは必至で、今月末にも象を移転させる計画だ。さらに、入居者選考を巡り「不平等」との指摘や不満の声が相次いでおり、今後、各地で予定している恒久住宅建設構想は、出足から難しい課題に直面している。
【ハンバントタ(スリランカ南部)で成沢健一】
 住宅開発はシリボープラ地区で進んでいる。熱帯雨林の約240ヘクタールを切り開き、2000戸を建設する。工事は1月に始まり、現在は25戸がほぼ完成した。
 ところが、開発地から約500メートル離れたごみ捨て場に、夕方になると5~6頭の象が姿を見せるようになった。現場のテントで寝泊まりする作業員によると、夜間には開発地内にも入ってくるという。資材管理責任者のダヤナンダ・ウィラシンガさん(49)は「水飲み場がこの先にあるようで、夜になると通っていく。ここに人が住むようになれば、不測の事態も予想される」と話す。
 開発を担う都市開発局ハンバントタ事務所は開発地周辺で約30頭の生息を確認した。モハマド・ヤヘイヤ副所長(34)は「このままでは被災者の入居は難しい。5月末にも象を市郊外のブンドゥラ保護区か約40キロ先のヤラ国立公園に移す方向で準備中だ」と説明した。
 スリランカの熱帯雨林には多くの野生動物が生息している。北・東部では02年まで続いた内戦で熱帯雨林が破壊され、象が人家周辺に出没し、人や作物に多くの被害を出してきた。今回の大津波では、多くの被災者が発生した東・南西部で、海から離れた熱帯雨林を大規模に切り開いて恒久住宅地を建設する必要が生じており、野生動物保護との絡みで新たな対策が急務となっている。
   ◇   ◇
 シリボープラ地区で、ほぼ完成した25戸の住宅はオレンジ色をした屋根の平屋建てで、緩やかな斜面に並ぶ。2LDK(約50平方メートル)の標準タイプで約40万スリランカ・ルピー(約44万円)の建設費は、国内外のNGO(非政府組織)が負担して建設し、完成後に政府に引き渡す。政府は、計画のとりまとめや土地の提供、ライフラインの供給を受け持つ形だ。
 市当局によると、全住戸2000のうち25戸について、4月上旬に入居者選考があり、(1)家族が多い(2)自宅が全壊(3)働き手が死亡――が基準となった。国内NGOの仏教団体の2人と市当局などの職員3人の計5人が担当した。
 しかし、入居が決まった家族の一部は、自宅がほとんど損傷を受けていないという。避難所でテント暮らしを続けるイスラム教徒のモハマド・アンサルさん(55)は、自宅が全壊したが選考に漏れた。隣のテントに一時避難していた元教師の家族は、今は自宅に戻ったのに入居が決まったという。「雨の多い時期を迎えるのに、戻る家のある家族が先に入居するのは納得できない」と不満を漏らす。
 仏教団体の担当者によると、入居者リストを基に対面調査をしたところ、当初の報告と実際の被災状況が異なるケースを相次いで確認した。市当局に選考のやり直しを申し入れると、「既に対象家族に通知済みだ」と拒否されたという。
 スリランカの人口構成はシンハラ人主体の仏教徒が約75%、ムーア人と呼ばれるイスラム教徒が約9%だが、ハンバントタでは逆にイスラム教徒が7割と多数派で、避難所の被災家族もイスラム教徒が大きく上回る。
 しかし、入居が決まったのは、仏教徒の家族17に対し、イスラム教徒は8家族に過ぎない。
 イスラム教徒の避難所で責任者を務めるモハマド・フセインさん(68)は「家族数も被災状況もイスラム教徒の方が深刻なのに、なぜシンハラ人(仏教徒)の方が入居数が多いのか」と不信感を募らせる。
 ハンバントタ県はシンハラ人の有力政治家を輩出し、復興事業も他地域に先駆けて行われている。1月のシリボープラ地区での起工式では、同県出身のラジャパクセ首相、さらにクマラトゥンガ大統領も出席した。
 スリランカではシンハラ人優遇政策に反発するヒンズー教徒主体の少数派タミル人が内戦に突入(02年に無期限停戦)した経緯があり、「被災の現場にも『シンハラ人優遇』が持ち込まれたのでは」といぶかる声も出ている。
(毎日新聞) - 5月1日18時49分更新