徳島県労働委員会は日亜科学の問題についてのJMIUの救済申し立てを棄却しました。
これに対する抗議声明を掲載します。
JMIU博多協議会
日亜化学は徳島県労委の「要望」にそって、
早急な解決をはかれ
-県労委命令は政治的判断による矛盾に満ちたもの-
2009年8月31日、徳島県労委は日亜化学に対するJMIUの救済申し立てを棄却するという不当な命令を下した。この事件は、日亜化学とJMIUとの間で合意した偽装請負労働者を直接雇用する
という約束を踏みにじったものであり、当該労働者の雇用を日亜化学に求めたものである。今回の命令は、県労委が事実関係に目をつぶり日亜化学の主張に偏った判断をおこない、失業させられた労働者の雇用と権利を無視したものであり、強く抗議するものである。
にもかかわらず県労委命令は、日亜化学の対応に重大な問題があるとして、「付言」で日亜化学に「社会的責任を自覚するとともに、良識ある対応を望む」という異例の要望を述べている。私たちは、命令の不当性は絶対に容認しないが、同時にこの「要望」にそって、日亜化学が解決のための話し合いに応じることを強く求める。解決への話し合いこそが、いま最も求められている。
この命令は矛盾に満ちた不当な判断にもとづくものであり、その問題点について一部だけでも明らかにしておく必要がある。
第1は、日亜化学が偽装請負労働者の直接雇用について、試験をおこなっても「よほどのことがない限り不合格にしない」という合意について、県も組合も「誤信」したと判断している。誤信とは「勝手に思いこんだ」ということだが、県と組合双方が勝手に思い込み、日亜化学は合意の意思はなかったというが、それは日亜化学だけが主張しているだけにすぎない。三者のうち二者が同じ認識をもったことの方が、はるかに信用できることは明らかではないか。この事件に対して徳島県知事の不当な発言や「結審」を前提としながら日亜化学にさらに「立証」を許すなど審問指揮にも重大な問題があり、あまりにも企業寄りの判断であると断ぜざるをえない。
また前述した「付言」で、「(組合が)合意が成立していると誤信していることを(日亜化学が)知ってから、9ヶ月以上経過してはじめて会社の見解を示したのである。このような対応は組合や組合員への配慮を欠くものと言わざるをえない」と述べているが、9ヶ月間も合意に異議を唱えなかったこと自体が、合意が存在していたことの証明であり、「配慮を欠く」ですまされる問題ではない。
第2は、証拠の採用がきわめて恣意的であり、不公平である。日亜化学の組合嫌悪(不当労働行為)意思では、組合員に対しての「いやがらせ」や労働局への申告を敵視する発言、JMIU役員の本社訪問時の「株主の中には組合は絶対に認めないというものもいる」という常務発言など、組合側の立証はきわめて具体的であるが、それについては「認めるだけの証拠がない」と切って捨てる。一方では、「組合員の所属する部署の全員を不合格とさせる方法によって組合員を意図的に採用しなかったのではないかと組合が信ずることについて根拠のないものとは言い切れない」としながら、もしもその方法をとるとすれば「会社として、本来採用したい人物をも不採用とする不都合が生じる可能性があり」などと、日亜化学すら主張していないことを述べて差別的扱いがないと不当な判断をしている。
この不当な命令ですら、日亜化学に「良識ある対応を望む」としており、事件解決が長引いているいま、私たちは日亜化学に対して早急な解決を求めるとともに、このような不当な命令を許さず、不服申し立てなど必要な手段を行使してたたかうものである。
2009年9月1日
全日本金属情報機器労働組合(JMIU)
同 徳島地方本部
同 徳島地域支部
日 亜 化 学 闘 争 弁 護 団