■最低賃金
~生活保護費との比較におけるポイント
花園大学教授 吉永純(よしなが あつし)
今年は40年ぶりの改正最低賃金法(本年7月施行)による初めての最低賃金の決定が行われる。
周知のように改正法9条3項では、「前項の労働者の生計費を考慮するに当たっては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする」とされた。
この趣旨は、文言上曖昧さを残してはいるものの、最低賃金額は生活保護基準額を上回るべきであることが国会において政府から再三にわたり答弁されている。
働いて得られる賃金の最低基準が、働いていない人を前提とする生活保護基準額より低いという「逆転現象」が問題となっていたが、これを最低賃金額が最低
生活費を下回ってはならないという考え方で解決したものと評価できよう。
しかし、予想されたことかもしれないが、生活保護基準を上回るという最低賃金額の決定はすんなりと行きそうもない。
今年1月28日に開催された労働政策審議会最低賃金部会において、上記の改正法の趣旨について使用者側からは、早くも、最低賃金の決定は3つの要素
①地域における労働者の生計費、
②地域における労働者の賃金、
③通常の事業の賃金支払能力
により決められるべきであり、「生活保護より高いという前提で最低賃金があるというような議論になるとすれば、これは非常におかしい」(原川委員)と事務局(厚生労働省)を牽制している。
(中略)
今年の最低賃金決定がどうなるのか不透明感が漂ってきたように思える。
しかし、最低賃金引き上げも含む反貧困に取り組む市民や労働組合の運動は昨年来大きく広がっている。
(中略)
このような運動の進展をみるときに、改めて今年の最低賃金額決定の重要性が明らかになろう。
第1に、改正後初の最低賃金額決定という意味で改正の重みが問われる改訂である。そして情勢の進展は運動次第では大幅引き上げを可能とする条件を作り出しており、最賃引き上げの絶好のチャンスと言ってもいい。
第2に、ワーキングプア問題解決の一里塚としての重要性であり、
第3に、ナショナルミニマム底上げとしての意義である。
本稿では、最低賃金額決定に当って、考慮対象とされた生活保護基準額についてその考え方と算定方法のポイントを再確認し、もって最低賃金闘争前進の一助となることを目的とするものである。
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● 後期高齢者医療制度は廃止しかない!!
6・11国会行動 大きな共同をさらに広げよう
http://www.zenroren.gr.jp/jp/news/2008/news080613_01.html
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● 偽装請負は就労先に雇用責任
松下プラズマ高裁判決を検討する6・3院内集会
http://www.zenroren.gr.jp/jp/news/2008/news080613_02.html
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憲法を活かし、暮らしをまもろう
なくせ貧困!ストップ改憲5・30中央行動を終日展開
http://www.zenroren.gr.jp/jp/news/2008/news080603_01.html
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格差と貧困克服、人間らしい働き方実現めざし、熱心に討論
~仙台で第16回 パート・臨時・派遣で働くなかまの全国交流集会開催~(2008/06/13)
http://www.zenroren.gr.jp/jp/news/2008/news080613_03.html
~生活保護費との比較におけるポイント
花園大学教授 吉永純(よしなが あつし)
今年は40年ぶりの改正最低賃金法(本年7月施行)による初めての最低賃金の決定が行われる。
周知のように改正法9条3項では、「前項の労働者の生計費を考慮するに当たっては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする」とされた。
この趣旨は、文言上曖昧さを残してはいるものの、最低賃金額は生活保護基準額を上回るべきであることが国会において政府から再三にわたり答弁されている。
働いて得られる賃金の最低基準が、働いていない人を前提とする生活保護基準額より低いという「逆転現象」が問題となっていたが、これを最低賃金額が最低
生活費を下回ってはならないという考え方で解決したものと評価できよう。
しかし、予想されたことかもしれないが、生活保護基準を上回るという最低賃金額の決定はすんなりと行きそうもない。
今年1月28日に開催された労働政策審議会最低賃金部会において、上記の改正法の趣旨について使用者側からは、早くも、最低賃金の決定は3つの要素
①地域における労働者の生計費、
②地域における労働者の賃金、
③通常の事業の賃金支払能力
により決められるべきであり、「生活保護より高いという前提で最低賃金があるというような議論になるとすれば、これは非常におかしい」(原川委員)と事務局(厚生労働省)を牽制している。
(中略)
今年の最低賃金決定がどうなるのか不透明感が漂ってきたように思える。
しかし、最低賃金引き上げも含む反貧困に取り組む市民や労働組合の運動は昨年来大きく広がっている。
(中略)
このような運動の進展をみるときに、改めて今年の最低賃金額決定の重要性が明らかになろう。
第1に、改正後初の最低賃金額決定という意味で改正の重みが問われる改訂である。そして情勢の進展は運動次第では大幅引き上げを可能とする条件を作り出しており、最賃引き上げの絶好のチャンスと言ってもいい。
第2に、ワーキングプア問題解決の一里塚としての重要性であり、
第3に、ナショナルミニマム底上げとしての意義である。
本稿では、最低賃金額決定に当って、考慮対象とされた生活保護基準額についてその考え方と算定方法のポイントを再確認し、もって最低賃金闘争前進の一助となることを目的とするものである。
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● 後期高齢者医療制度は廃止しかない!!
6・11国会行動 大きな共同をさらに広げよう
http://www.zenroren.gr.jp/jp/news/2008/news080613_01.html
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● 偽装請負は就労先に雇用責任
松下プラズマ高裁判決を検討する6・3院内集会
http://www.zenroren.gr.jp/jp/news/2008/news080613_02.html
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憲法を活かし、暮らしをまもろう
なくせ貧困!ストップ改憲5・30中央行動を終日展開
http://www.zenroren.gr.jp/jp/news/2008/news080603_01.html
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格差と貧困克服、人間らしい働き方実現めざし、熱心に討論
~仙台で第16回 パート・臨時・派遣で働くなかまの全国交流集会開催~(2008/06/13)
http://www.zenroren.gr.jp/jp/news/2008/news080613_03.html