次世代総合研究所・政治経済局

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チャベスのモスクワ詣で

2006年07月28日 02時57分42秒 | Weblog
ベネズエラのチャベス大統領がロシアからの武器購入を大規模に行っているとの記事がFT(25日電子版)で報じられている。
http://www.ft.com/cms/s/1cb0bbce-1c0a-11db-a555-0000779e2340.html
 今週、同大統領が訪問するモスクワで取引につき合意される見通し。

 具体的にはスホイSu-30 戦闘機30機、軍用ヘリ30機、カラシニコフ銃10万丁、そして特筆すべきはベネズエラに建設するカラシニコフ銃製造工場のライセンス契約まで行うという。
プーチン大統領の後継にも目されるイワノフ不意国防相は、ヘリ契約だけで10億ドルに上ることを明らかにしている。無論、米国はこれらの武器購入は必要限度を超えており、地域の不安定要因となるとして再考をロシアに働きかけているが無駄のようだ。

 チャベスの今回の訪問先はベラルーシやイランなど米国と緊張関係にある国々ばかりである。まさに「敵の敵は友」というわけだ。ちなみにチャベスはプーチンを「アミーゴ」と呼んでいる。

 安全保障の専門家によればチャベスはモスクワで歓待されるだろうという。その理由は①石油であり、②反米であるからだ、という。そしてベネズエラへの武器売却は米国がポーランドへ48機のF16を40億ドルで売却したことの報復として行われると解釈している。

 更にはチャベスは国連安保理非常任理事国入りについてロシアの支持を取り付けようとしているとのことだ。しかし、これはさすがに実現しないだろう。

 ベネズエラ政権が中国やロシアと関係を深めていることについては実はSAPIO最新号にも詳しい。(在米ジャーナリストの高濱賛氏の論文)興味ある方は併せてご覧ください。
http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solrenew_magcode?sha=1&zname=2300&keitai=0