『アメリカもアジアも欧州には敵わない』(八幡和郎・祥伝社新書)を読んだ。著者の八幡氏は元通産官僚で現在評論家とちょっと異色の経歴だ。フランス国立行政院(ENA)への留学歴も持つなど欧州の実情に詳しいほか、「江戸300藩 最後の藩主』の著書もあるなど日本史への関心も強い。
1~2国の歴史や社会についてのべる類書は多いが、本書は少し違う。欧州に関するユニークな入門書であると同時に著者の欧州に対する単なる関心を超えた愛着を感じる。
30年戦争が近代欧州の源流であることなどスタンダードな歴史を説きながら、現在の北欧、西欧社会の隠れた側面について述べ、果ては各国によって異なるテーブル・マナー、そしてあえて日本人の好みを無視したお勧め観光スポット一覧を掲載するなど、欧州の背景を深く理解したいひとには格好の入門書となっている。
他にもたとえば、かつてのドイツ社民党党首のラ・フォンテーヌの名前がフランス風でフランス次期大統領候補のサルコジの名前がフランス風でない理由が書いてあったり、「イギリス人の会計係、フランス人の料理人、イタリア人のウェイター、ドイツ人の警察官が理想の国民別職業割り当て」というところは深く納得してしまった。
欧州に関心がある、あるいは欧州への訪問を考えている方にはお勧めしたい。
1~2国の歴史や社会についてのべる類書は多いが、本書は少し違う。欧州に関するユニークな入門書であると同時に著者の欧州に対する単なる関心を超えた愛着を感じる。
30年戦争が近代欧州の源流であることなどスタンダードな歴史を説きながら、現在の北欧、西欧社会の隠れた側面について述べ、果ては各国によって異なるテーブル・マナー、そしてあえて日本人の好みを無視したお勧め観光スポット一覧を掲載するなど、欧州の背景を深く理解したいひとには格好の入門書となっている。
他にもたとえば、かつてのドイツ社民党党首のラ・フォンテーヌの名前がフランス風でフランス次期大統領候補のサルコジの名前がフランス風でない理由が書いてあったり、「イギリス人の会計係、フランス人の料理人、イタリア人のウェイター、ドイツ人の警察官が理想の国民別職業割り当て」というところは深く納得してしまった。
欧州に関心がある、あるいは欧州への訪問を考えている方にはお勧めしたい。