2020年7月24日(Fri.) 昨日の東京は、驚きの366人の感染者。また、愛知県は97人、その内名古屋市は62人を占めています。しかも、名古屋市の感染者の80%は感染経路不明、言わば、市中感染と言うことです。そして、都知事小池も愛知県知事大村も、さらなる注意喚起と協力要請を語るのみ。また、愛知県はテレビ塔のライトアップを黄色にするとか・・・。まるで、東京のモノマネかと思ってしまいました。そこで改めて思うことを綴ります。
一つ目は、ロックダウン( lockdown )に関してです。本来、感染者数が増加を始めた時点では、その感染発生カ所の封じ込めを意図したピンポイントのロックダウンをすべきだったのです。店舗や事務所等での発生がそれに該当します。一方で、個人レベルでの感染の場合は、隔離・入院等の措置が必要です。特段の事由が無い限りは自宅での隔離は外出の可能性を残しますので、極力避けるべきでしょう。さらに、濃厚接触者を追跡調査してPCR検査や隔離措置を徹底すべきです。しかし、こうしたロックダウンを都知事も実施してこなかった理由は、推測ですが、食中毒発生時の“食品衛生法“による当該店舗の営業停止措置と、“感染症法“による感染当人に対する隔離措置等の違いがピンポイントのロックダウンを実施しない(出来ない)理由の一つになっているのではないかと思量します。しかし、仮にこれが実施阻害理由ならば、法律規定を改定すれば良いのです。つまり、国会を閉会しているのではなく、臨時国会を開いてでも立法府の役割を果たすべきです。それが実現出来ていれば、ピンポイントのロックダウンが可能になった筈です。
しかし、今日現在の感染状況はかなり悪化させてしまっています。これは感染拡大防止策を実施してこなかった為です(口でのお願いばかり)。特に、東京の“無策“が日本の各地に感染を飛び火させてしまったと考えられます。また、昨日の名古屋市の例にあるように、62人の感染者の中の80%が感染経路不明・市中感染になっていますので、ピンポイントでロックダウンするタイミングは逸したと考えるべきでしょう。従って、仮に、特定エリアに感染者が集まっている傾向があるならば、そのエリア・地区を、例えば行政区域単位とか、凡その発生重心を中心として半径300m(目安)の円形エリアをエリア・ロックダウンすべきと考えます。
しかし、特定エリアでの感染傾向が認められない場合は、例えば、行政区単位とか、さらには名古屋市(例)全体をロックダウンすべきでしょう。同様に、特定の市町村にそうした傾向があるのであれば、感染状況に応じた段階的なロックダウンを組み合わせて行うのが望ましいと思量します。尚、ロックダウンの期間は専門家に委ねるしかありませんが、目安としては10日間ぐらいが妥当かと思います。また、ロックダウンに付随することとして、当該エリアの公共交通機関(地下鉄、公共バス、私鉄バス等)の運休、従って、移動手段は自家用車・バイク・自転車・徒歩が中心となります。そして、当然ですが、ロックダウン(封鎖)エリア外への移動は原則として禁止です(緊急事由があれば例外措置)。
兎に角、それぞれの地域の発生状況に応じた段階的ロックダウンを即刻実施することが望ましいと思います。躊躇している時間はありません。先に実施して、状況を見て徐々に緩和等の措置を取り入れるべきでしょう。
二つ目としては情報開示に関してです。現状の感染者情報では全く不足です。少なくとも発生場所が店舗や事務所、または、テナントビル等で他の事業者への影響も懸念される場合は、店舗名や住所・ビル名等も公表すべきです。尚、閉鎖期間等も掲載すべきでしょう。一方で、個人レベルでの感染の場合は、入院や隔離が実施されることを原則とし、その居住地区の凡そ情報、つまりxx町x丁目までを開示します(番地は非開示)。また、マンション等の集合住宅の場合は、マンション住人にも周知することが必須になりますので、マンション名は開示が必要でしょう。これらは風評被害を恐れることよりも、不用心な行動によって感染を拡大させないことを優先した措置と考えるべきです。こうした情報開示が全くなされていない為、無用な憶測や噂が起き、または、精神的なストレス等を引き起こしてしまう恐れがあります。これが短期間の話ならガマンも可能でしょうが、今回の事態のように半年以上も続くようでは別の病気を誘発することにも成り兼ねません。
最後に、PCR検査体制についてです。実態が見えていません。首長の言葉を借りると、例えば、東京の一日当たりの検査可能数は6,500件で、日々、4,000件以上の検査を実施していると言います。これによるとかなり余裕があると聞こえます。しかし、現場は保健所単位で検査がオーバーフローしていて、数日先まで予約が満杯と言うケースも出ています。従って、首長の説明する内容と現場実態に違いが生じているのです。もっと、区域毎の検査機器の処理能力を数値化し、それを集積してトータル処理能力や実績等を開示すべきです。合わせて、満杯の検査機関が生じたのであれば、予め、余裕のある他の機関へ検体を転送すべきです。そうした調整を可能にすべきです。さらには、濃厚感染者等に対する網羅的な検査実施がされているのかどうか、全く伝わって来ません。都知事の口からは、“積極的検査によって“とか言っていますが、それは必要最小限の検査を意味しているだけではありませんか? それとも、濃厚接触者以外にも検査範囲を意図的に広げているのですか? もしそうだと言うならば、その広げ方を開示すべきです、具体的に。それが無いので、単に“積極的“と言う立場を優位化する為の誤魔化しの言葉を使っているとしか思えません。それとは別に、PCR検査能力は、東京ならば10万件/日、愛知県ならば3万件/日ぐらいは必要なのではないでしょうか。そしてついでに、いい加減、感染者数発表の締め切り時刻や発表時刻を統一すべきです。例えば、16時締め切り、17時発表を原則とする・・・です。一体、このコロナ事案が始まって、何ヶ月経ったと思うのか、政府や厚労省、各自治体の関係者等の連携の悪さやリーダーシップ不足を目の当たりにしていると、不安を通り過ぎて呆れ返ることばかりです。
以上、気になっていることの一部を述べましたが、実際にはその他の医療体制に関わる設備や医療スタッフそのものの確保等も深刻な課題になっていることかと思います。何れにしても、旗振りをする政権そのものの信頼は揺らぎ続けていますので、ここの抜本対策・再構築が必須でしょう。
ア、ちなみに我が家では、中国・武漢の情報が入り出した今年の1月20日頃(春節=旧正月=1月25日)からセルフ・ロックダウンを続けているようなものですが、昨日から、10日間の強化セルフ・ロックダウンに入っています。
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