明治17年、山嵜儀作。瓜割神楽保存会(新諏訪町)
獅子舞神楽は、祭礼の際に地元の神社、家々をまわって獅子舞を奉納、披露し無病息災を祈願することである。地域を練り歩くときに神楽屋台を伴うことが一般的である。神楽屋台は「太神楽」(単に「神楽」)と呼ばれ、箱型の長持に貫を通して、その上に社殿形の祠を載せ、後部に太鼓が取り付けられた形態である。以前は担いで移動したが、近年はリヤカーに載せて移動している。屋根上部に「一万度」と墨書された角灯篭が立てられ、軒先に祭提灯が吊るされる。神楽屋台がいつ頃からあるかは不明であるが、幕末以降、地域の誇りとして屋台本体の装飾性が高まり、龍、獅子、七福神、古事記等の様々な題材の彫物が付けられるようになってきた。この神楽屋台は、水内地方以外では確認できず、当地方で独自に発展してきた文化といえる。
この神楽は、一間社流れ造で、彫物のみケヤキ製、総高一五〇㎝、正面柱間 四八㎝、母屋側面幅四五㎝になっている。現在は獅子舞に使用される神楽屋台は新調したもので、儀作の神楽屋台は保管され、最近では平成二十九年の地元の文化祭で公開された。
細部の彫物の題材について
1.向拝部
向拝部前部 水引虹梁「八岐大蛇退治」、木鼻「龍」、向拝柱「龍」
*よく確認すると龍が8匹確認できる。(八岐大蛇に関連)
・水引虹梁―『素戔嗚尊の八岐大蛇退治』 ―神楽屋台のメインの彫物、右には「
櫛名田比売」
右側面
飛龍(海老虹梁)+松に鷹(手挟み
身舎正面―扉の上部「玉巵弾琴」
身舎正面 扉の周囲「山鵲」
身舎 右側面
身舎 左側面
左妻部 力神
右側面:妻下部(力神の下)
最上部『瑞雲』、上部中備『松に鶴』、下部欄間『七福神』
左側面:妻下部(力神)
最上部『瑞雲』、上部中備『松に鶴』、下部欄間『七福神』
右側面下部 縁下の獅子
右脇障子「獅子」
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