新古今和歌集の部屋

哀傷歌 筆跡形見 筆者不明断簡コレクション


 齋院女御の許にて先帝のかヽせ給へりけるさうしを見
 侍りて         馬内侍
尋ねても跡はかくてもみづぐきのゆくへも知らぬ昔なりけり

 かへし         女御徽子女王
いにしへのなきに流るヽみづぐきは跡こそ袖のうらによりけれ

 恒徳公かくれて後女の許に月あかき夜忍びてまかりて
 よみ侍りける     藤原道信朝臣
ほしもあへぬ衣の闇にくらされて月ともいはずまどひぬるかな

 入道摂政の為に萬燈會をこなはれ侍りけるに
            東三条院


読み:たずねてもあとはかくてもみずぐきのゆくへもしらぬむかしなりけり 隠
意味:亡き先帝のお書きになったお手紙の筆跡は、探して見る事が出来ますが、先帝の良き時代は、遠い彼方の昔となってしまいました。
作者:うまのないし 平安中期の女流歌人 右馬頭源時明の養女、選子内親王、中宮定子などに仕え、定子立后の際、掌侍となる。

読み:いにしえのなきにながるるみずぐきはあとこそそでのうらによりけれ 隠
意味:先帝の遺品は、私の所へ戴いておりますが、その筆跡を見るたびに先帝を思い出して、袖の浦に寄る波のように袖に涙が溜まって、裏に跡が残っております
作者:きしじょうおう 929-985 醍醐天皇皇子重明親王女。斎宮女御、承香殿女御、式部卿宮女御とも呼ばれる。村上天皇に入内して女御となる。三十六歌仙の一人。

読み:ほしもあへぬころものやみにくらされてつきともいわずまどいぬるかな

平成27年3月25日 點六々々

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