かきくもりゆふだつなみの
あらければうきたる
ふねぞ
しづごゝろなき
新古今和歌集巻第十 羇旅歌
湖の舟にて夕立のしぬべきよし申しけ
るを聞きてよみ侍りける
紫式部
かき雲り夕立つなみの荒ければ浮きたる舟ぞしづごころなき
よみ:かきくもりゆうたつなみのあらければうきたるふねぞしずごころなき 有定家雅 隠
意味:急に掻き曇ってきて夕立が湖に降って波が荒くなると浮いている舟だけに心もとなくなります。憂き舟だけに。
備考:なみの(くものイ)。家集では、「西の海の人」との贈答。十代抄書
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/2c/b9593780f58d9d599c1d9a9985d14d4e.jpg?1717533019)