新古今和歌集の部屋

前田家本方丈記 世中の有り難4 辺地にあれば往反に煩い

なし。辺地にあれは往反にわつ

らひおほく盗賊の難もはな

はたし。又いきおひあるものゝ

貪欲ふかく独身なるものは人に

かろめらる。たからあれはおそれお

ほくまつしけれはうらみ切なり。

人をたのめは身他の有となり、

人をはくゝめは恩愛につかはる。世

にしたかへは身くるし。したかはね


なし。

もし辺地にあれば、往反にわづらひ多く、盗賊の難も甚だし。

また、勢いある者の、貪欲深く、独身なる物は、人に軽めらる。

宝あれば、恐れ多く、貧しければ、うらみ切なり。

人をたのめば、身他の有となり、人をはぐくめば、恩愛につかはる。

世に従えば、身苦し。

従はねば、

 

参考 大福光寺本

ナシ。

若辺地ニアレハ往反ワツラヒヲホク盗賊ノハナハタシ。

又イキヲヒアル物ハ貪欲フカク独身ナル物ハ人ニカロメラル。

財アレハヲソレオホクマツシケレハウラミ切也。

人ヲタノメハ身他ノ有ナリ。

人ヲハククメハ心恩愛ニツカハル世ニシタカヘハ身クルシシタカハネ
ハ狂セルニゝタリイツレノ所

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