新古今和歌集の部屋

歌論 無名抄 我與人事





我与人
又をなじ所にてこくなばといひし女坊夏を契と云題に
 をしむべきはるをば人にいとはせて
  そらだのめにやならんとすらむ
とよめりしをよろしなど人ゝさだめ侍しほどに
ある人のいはくはるをば人にといへるすこしおぼ



つかならむ。たゞ春をばわれにといひたらばたしかに
てまさりなんかしといふ。これ同ずる人おほく侍し
を俊惠きゝてむげに心をとりせらるゝ事をも
のたまふかな。人にといひたりとても他人とやは
おもひたどるべき。われにといひてはうたてこと
のほかにしなゝくきこゆるものを哥は花麗を
さきとす。人をばしらずおのれはたとい難あり
とも人にとよまんとぞ申侍し。
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